【 2011年9月21日 】
ファームウェア更新でCrucial m4が高速化、実測500MB/s越え

                            Text by 久保 勇


Crucial m4 128GB

 Crucial製SSD「m4」シリーズのファームウェアが8月末に更新された。一部ショップでは、最新ファームウェアに更新することでリード速度が向上すると告知している。

 そこで、今回Crucial m4の128GBを使い、新旧ファームウェアの速度を比較してみた。


※注意

ファームウェアの更新はメーカー保証外の行為となります。データ消失などのいかなる損害が生じたとしても、編集部、およびメーカー、購入したショップはその責を負いません。


●実測500MB/s越え、最速クラスのSSDに


新ファームウェア(Ver 0009)

旧ファームウェア(Ver 0002)

 右のベンチマーク結果が新旧ファームウェアの速度だが、新ファームウェアはシーケンシャルリードが大きく伸びているのがわかる。また、その他の項目も若干ではあるが、新ファームウェアの方が高速となるようだ。

 現在販売されている6Gbps対応SSDの高速モデルは、最大550〜500MB/s前後を公称値とするモデルが多い。Crucial m4の公称値は最大415MB/sだが、今回のファームウェア更新で実測は500MB/sオーバー、最速クラスのSSDと言える速度を発揮している。

 なお、テストに使用したマザーボードはMSI 890GXM-G65(AMD 890GX+SB850)で、ドライバはAMD製AHCIドライバ(Catalyst 11.8)を使用して比較した。


●AMD/Intel環境両方で速度を発揮、環境に左右されにくい安定性

・AMDチップセット環境

AMD製AHCIドライバ(890GX+SB850)

OS標準AHCIドライバ(890GX+SB850)
 
・Intelチップセット環境

Intel製AHCIドライバ(Z68)

OS標準AHCIドライバ(Z68)

 続いて、ファームウェア更新後のCrucial m4は使用環境を選ばないのか簡単にテストしてみた。

 SSDは、ドライバとの相性などにより速度がうまく発揮されないケースが存在する。Crucial m4にも相性などがあるのか、AMD製チップセット環境とIntel製チップセット環境、それぞれメーカー製ドライバとOS標準ドライバで速度を計測している。

 右のベンチマーク結果はチップセット/ドライバ別の速度だが、AMD/Intel環境ともにドライバを問わず500MB/s以上の速度を発揮しており、比較的癖の無い挙動となっている。若干速度を発揮しきれない環境もあるが、扱いやすい製品とは言えそうだ。

 個別に見ると、AMDチップセット環境は若干Windows 7標準のAHCIドライバで速度が発揮されない傾向が見られる。速度が発揮されないと言っても500MB/s以上の速度は出ているので問題無い範囲と言えるが、AMD環境の場合はAMD製ドライバを使用した方がよさそうだ。

 Intel環境はメーカー製AHCIドライバとWindows 7標準AHCIドライバで微妙な差はあるものの、ごく僅か。どちらを選んでも速度は発揮される。

 なお、それぞれのテスト環境は、AMD環境は、マザーボードにMSI 890GXM-G65(AMD 890GX+SB850)、ドライバはAMD製AHCIドライバ(Catalyst 11.8)/Windows 7標準AHCIドライバを使用。Intel環境は、マザーボードにMSI Z68MA-ED55(Z68)、ドライバはIntel製AHCIドライバ(Rapid Storage Technology 10.6.0.1022)/Windows 7標準AHCIドライバを使用した。



ランダムモード
(Z68/IRST 10.6.0.1022)

0Fillモード
(Z68/IRST 10.6.0.1022)

 ちなみに、SandForce製コントローラ搭載品は、CrystalDiskMarkの計測モードによって速度が変わる傾向がある。Crucial m4にもそうした傾向があるのか調べてみたが、結果は動作モードによる速度差はほぼ無く、一定の速度が発揮された。




●非常に高いコストパフォーマンス、最廉価の64GBモデルもお買い得?


PC DIY SHOP FreeTによる64GBモデルのベンチマーク

 Crucial m4は元々6Gbps対応モデルの中では最安クラスの製品で、そこそこの速度かつ安価なことから人気を集めているが、今回のファームウェア更新によりコストパフォーマンス的な魅力はさらに高まった。

 ちなみに、9月現在の販売価格は、64GBモデルが8,500円前後、128GBモデルが15,500円前後、256GBモデルが31,000円前後、512GBモデルが59,000円前後。

 なお、PC DIY SHOP FreeTによると、「最廉価の64GBモデルもファームウェアの更新により500MB/sオーバーとなる」という。安価かつ高速なモデルを探している人には有力な選択肢となるのではないだろうか。

□Firmware Updates(Crucial)
http://www.crucial.com/support/firmware.aspx

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Crucial m4

[撮影協力:PC DIY SHOP FreeT]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。