【 2011年11月2日 】
HDD品薄で相場パニック、価格表に「時価」まで現る
価格は2倍以上、2TBが1万3千円に…


「時価」(PC DIY SHOP FreeTにて)

売り切れ
 タイ洪水の影響で値上がりが続くHDDだが、ここにきて品薄が過酷化、相場もパニック的に値上がりしている。あまりの価格変動に、HDD価格を「時価」と表示するショップまで現れた。

 2日(水)現在の相場水準は500GBが約7千円、1TBが約1万1千円、2TBが約1万3〜4千円、3TBが約1万7千円ほど(HDD相場については「HDD/SSD最安値情報」[3日調査]参照のこと)。


●先週末から品薄激化、
 パニック的に値上がり


価格変更の跡

価格改定のお知らせ

IDEだけの価格表

中古再生品の例

在庫販売の例(1)

在庫販売の例(2)
 10月中旬から値上がり始めた内蔵HDDだが、先週半ばまでは、それでも2割〜3割ほどの値上り幅。騒動前に6千円弱だった2TBモデルなら7千円で、まだ「想定できる値上がり」の範囲といえた。

 しかし、この様相が変わってきたのが先週末から。

 一部ショップが2TBを1万4千円に値上げしたのを皮切りに各店が続々値上げ。週が明けてもいくつかのショップが追随、現在は多くのショップが同程度の価格になっている。

 この背景にあるのは、過酷化しつつある品薄事情。

 騒動前からの在庫は続々完売しているが、入荷については「今週、正規代理店からの出荷が全くなかった」(ショップ)という。「並行業者から見積もりを取ったら、2TBで200ドル台前半だった」(別ショップ)という話もあり、こうした価格水準がそのまま店頭価格になったようだ。

 尋常ではないパニック相場を前に、ショップの対応も様々。

 「次回入荷の価格を約束できない」として売り切れモデルの価格表示を「時価」にするショップや、HDDの取り扱いを一時休止、全てを「売り切れ」とするショップ、あるいは「この高値でも買ってくれるお客さんがいたので」と、あえて高値で少量入荷を続けるショップ、中古再生品HDDをアピールするショップなどを確認できた。

 なお、大手店では、モデル数こそ減ったものの、500GB〜3TBまで、各容量帯で在庫販売を継続中。価格は値上がりしているが、少なくとも「購入できる」状態ではある。


●高騰は長期化?
 当面は値下がり要因なし

 今後の見通しに関しては、タイ工場での生産再開目処が不明なこと、年末の需要期を迎えることから、年内に潤沢になる可能性はまず無さそう。生産再開の見通しについては「数ヶ月単位の時間がかかる」という新聞報道もあることから、長期戦を覚悟したほうがいいだろう。バッファローやアイ・オー・データの外付けHDDについても、既に値上げが発表されている。

 また、ショップブランドPCについては、各ショップとも「当面必要なHDDは確保している」と話しており、HDDモデルがすぐに販売されなくなる、ということは無いようだ。ただし、年内分全てを確保しているとは考えにくく、今後の品薄状態によっては納期が長くなったり、入手困難になるなどの可能性も考えられる。

 ちなみにショップでは、SSDのアピールが増えつつある。GB単価はまだ10倍以上高値だが、起動ドライブとしてはこれまで以上に有力な選択肢になりそうだ。SSDの相場は64GBが6,000〜9,000円、128GBが10,000〜15,000円(SSD相場については「HDD/SSD最安値情報」[3日調査]参照のこと)。


□HDD関連記事バックナンバー
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/backno/category/index_c35s878_2011.html

□関連記事
【2011年11月2日】 バッファロー、タイ洪水被害によりHDD製品を値上げ 〜1TBで約5,000円、2TBで約7,000円(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20111102_488151.html
【2011年11月2日】 アイ・オー、部材調達困難でHDD製品をリニューアルして値上げ 〜3TBモデルは最大約2倍(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20111102_488121.html

[撮影協力:テクノハウス東映PC DIY SHOP FreeTフェイス 秋葉原本店ソフマップ 秋葉原 本館パソコンハウス東映TSUKUMO eX.ソフマップ 秋葉原 本館TWOTOP秋葉原本店クレバリー2号店]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。