スマートフォンやタブレットでもマイコンプログラミングが可能という、ルネサス エレクトロニクスの電子工作ボード。 この製品の最大の特徴は、クラウドコンピューティングによる開発環境。 PCやスマートフォン、タブレットを使って、クラウド上にある開発環境にアクセス、そこでプログラム作成やコンパイルまで実施。USB接続したボード(USBメモリとして認識される)に、生成ファイルをコピーするだけで実行できる、というスタイル。 クラウド環境へのアクセスにはWebブラウザを使うため、PCだけでなくスマートフォンやタブレットでのプログラミングも可能。また、プログラム作成やコンパイルをクラウド上で行なうため、PCにエディタやコンパイラといった環境を用意せずに済むのもメリット。 このほか、ルネサスでは「アイコン操作だけでソフト開発が可能」というスマートフォン用アプリケーションも公開予定。これの詳細は不明だが、同社Webサイトでは「光る」「鳴る」といったアイコンを並べてプログラム(?)を作成している画面などを公開中。 なお、こうした構造のため、使用できるスマートフォン、タブレットは、USBホスト機能を備える機種に限定されると見られる。具体的な対応機種は今のところ未公表。 ハードウェア仕様はオープンソースマイコンとしてメジャーな「Arduino」互換。Arduino用周辺機器をピンヘッダに接続して使用できるという。また、microSDカードスロット用のパターンも用意されている。基板上には1MBのフラッシュメモリや128KBのRAMも搭載する。 なお、基本となる下位モデル「GR-SAKURA」は、基本となる(PC/スマホ接続用の)USBコネクタなどを備えるだけだが、上位モデル「GR-SAKURA-FULL」ではLANコネクタやピンヘッダ、DCジャック、MMCカードソケットなどを追加で搭載。さらに、この基板のUSBホスト機能を利用するためのUSBホスト端子も付属する(利用するためには購入者によるハンダ付けが必要)。 クラウド環境のコンパイラにはGCCを採用。クラウド環境で使用できるストレージ容量は最大100MB。推奨WebブラウザはGoogle ChromeとFirefoxで、他のブラウザでの動作検証も実施中という。 クラウド環境は無償で提供されるが、ユーザー登録(氏名、メールアドレスなどを入力)が必要。登録せずに試用できる「ゲストログイン」も用意されている(ログアウトするとストレージ内のファイルは消去される)。 また、ユーザー同士で情報を共有したりできるコミュニティサイト「Gadget Renesas Boards」も用意されている。コミュニティではイベントも企画されており、8月22日(水)には「がじぇっとるねさす」を使った子ども向け夏期特別講座が開催されるという。 □Gadget Renesas Boards http://www.renesasrulz.com/community/demoboards/gr/japanese □関連記事 【2008年12月18日】かんたんマイコン「Arduino」の始め方(武蔵野電波のブレッドボーダーズ/PC Watch) http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1218/musashino023.htm
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