[新製品]AMD A10-5800K (2012年10月6日)

　コードネーム「Trinity」で知られるAMDの新APU。発売されたのはクアッドコア3.8GHzでRadeon HD 7660D内蔵/TDP100Wの最上位モデル「A10-5800K」や、同3.6GHz/Radeon HD 7560D内蔵の「A8-5600K」、デュアルコア3.4GHzでRadeon HD 7480D内蔵/TDP 65Wの最下位モデル「A4-5300」など6種類。

　今回のTrinityはCPUソケットも「FM2」に変更されているが、対応マザーボードも、ASUSやASRock、MSI、GIGABYTEなどから11種類以上が登場。新チップセット「A85X」を搭載した製品も発売されている。

　今回の「Trinity」は、AMD Aシリーズとして発売されていた「Llano」に代わる新型APU。　「（内蔵タイプでは）強力なGPUを搭載、ゲームもできる」というコンセプトはそのままに、CPUコアをK10ベースのStarsからBulldozerベースのPiledriverに変更、GPUコアもRadeon HD 6000系から同7000系にそれぞれ刷新されている。

　また、コアの変更に伴って動作クロックも向上。これまでは最大3GHzだったCPUコアクロックが定格3.8GHz/ターボ時4.2GHz（A10-5800K）に上がっている（パフォーマンスについてはPC Watchのレビューも参照のこと）。

　GPUのStream Processor数と動作クロックは384基/800MHz（A10シリーズ）、256基/760MHz（A8シリーズ）、192基/760MHz（A6シリーズ）、128基/723MHz（A4シリーズ）。TDPは100Wまたは65Wで、2次キャッシュ容量はA10とA8が4MB、A6とA4が1MB。対応メモリはDDR3-1866またはDDR3-1600（A4-5300のみ）。製造プロセスはLlano同様の32nm。

　なお、Trinityでの大きな変更点が対応ソケットがSocket FM1からSocket FM2に変更されたこと。Socket FM2はSocket FM1とは互換がないが、チップセット自体は併用可能で、Socket FM1でも利用されていたA75やA55チップセットを使ったSocket FM2マザーボードも発売されている。

　ちなみに、これについてAMDでは「どうしても変える必要があった」（AMD）と説明。ただし、Socket FM2は長期的に利用していく計画で、「次の（世代の）CPUも同じソケットを使う事が確定している」（AMD）という。

　このほか、ハードウェアでのメディアエンコーダーを内蔵したことやDisplay Portへの対応などもされている。

　発売されたリテールパッケージは、これまでのLlanoより小さいもの。CPU倍率ロックが解除されたオーバークロックモデル「K」シリーズは黒、それ以外は白を基調としたデザインだ。

　ちょっと面白いのが、一部モデルの型番ラベルに「省略表記」が使われている点。代理店がショップに配布した資料によると、「5800K」は「580K」、「5600K」が「560K」、「5400K」が「540K」になっている場合があるとのこと。

　ちなみにこれは誤植ではなく、CPU本体や同梱品にも違いはないそう。

□関連記事
【2012年10月2日】 AMD、デスクトップ向け「Trinity」ことAシリーズを正式発表（PC Watch）
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121002_563318.html
【2012年10月2日】 AMDデスクトップ版Trinityベンチマーク
【システム編】（PC Watch）
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20121002_563431.html
【2012年9月27日】AMDデスクトップ版Trinityベンチマークプレビュー（PC Watch）
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20120927_562561.html
【2011年7月3日】メインストリーム向けFusion、「Llano」発売
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110702/etc_amd6.html

[撮影協力:TSUKUMO eX.とPC DIY SHOP FreeTとパソコンハウス東映とパソコンショップアークとドスパラパーツ館とソフマップ秋葉原リユース総合館とフェイス秋葉原本店]