1998年4月18日号
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そのほか今週気になった新しいモノ/動き
磁気ヘッドにGMRヘッドを採用して大容量化を実現した製品で、もちろん14.4GBの容量はIDEではいまのところ世界最大(Quantum Bigfootの12GBを追い抜いた)。ほかに12.9GBと10.10GBのモデルがある。512KBのキャッシュを内蔵し、平均シークタイムは9.5ms。もちろんUltra-ATAにも対応している。残念ながら、音や発熱の具合はデモがないため確認できなかったが、音に関しては「IBMにしてはうるさい」という評価もあるそうだ。14.4GBで約10万円という価格をどう思うかが判断のしどころだが、潤沢に入荷するようになるにはまだ少しかかるそうなので、欲しい人は今のうちに買っておくのがよさそうだ。
□日本IBM
http://www.ibm.co.jp/
・Deskstarシリーズ
http://www.ibm.co.jp/oemj/storage/product/35hdd7b/35hdd7ba.html
[協力:T-ZONEミナミ]
西早稲田にある高速電脳は、発表直後にCeleron 266MHzを入手し、現在29,800円で販売中。入手に関しては特別なルートを使ったわけではなく、日常利用している卸業者から仕入れたものだそうだ。
実物を手にしてみると、とにかく巨大なヒートシンクがまず目に付く。それは、PentiumIIのプラスチックカバーをすべて取っ払うと出てくる基板と同じ面積(つまりCeleronと同じ)があり、高さもかなりある。Celeronとセットになった姿は、まさに「キングサイズ」。これで低価格用PCに入れるとか、セットトップボックスにも利用して欲しいとIntelは言っているというのだから、信じがたいものがある。ちなみに、ヒートシンクは台湾AAVID製のものがデフォルトで取りつけられていた。海外で報じられているプレス向けデモで公開されたCeleronの写真を見てみると、ヒートシンクの形状が異なることから、どうやらこれはIntelが初めからセットで出荷したものではなく、後から取りつけられたものらしい。また、Slot 1接続用のガイドレールも付属していて、これがCeleron専用の小さいタイプになっている。今までのPentiumIIでは、本体のサイズとガイドレールのサイズがほぼ隙間なくピッタリしていて、そのまま滑らせればよかったけれども、Celeronは本体が基板剥き出しのためそうもいかず、基板の部分のレールはスカスカで隙間があいており、Slot 1に最後まで差し込むと、基板ではなくヒートシンクが別に用意されている溝にピッタリはまるという構造になっている。つまり、Celeronの固定は、実はヒートシンクとガイドレールの部分で行われるのだった。よって、この部分のヒートシンクの形状は仕様で規定されているものと思われる。
同店のテストでは、440BXと440LXチップセットのマザーボードでそれぞれ動作させることができたそうで、規定の66MHz×4=266MHzではそれほど熱も出ずに動作したものの、83MHz×4=333MHzではファンがないと辛いほど熱が出たそうだ。ベンチマークテストを実行してみたところ、言われているほど遅くもなく、値段次第ではお買い得かも、とのこと。内部倍率が4倍というリミッタがあるものの、Tom's Hardwareでは100MHz×4=400MHzで動作させたというレポートが出ていたりするので、やはり、クロックアップのネックになりやすい二次キャッシュがないぶん、いじってみると遊べるCPUなのかも知れない。もしベースクロック100MHzで簡単に動くのなら、440BXマザーボードとセットで格安ベースクロック100MHz環境に突入するという手もあるわけだ。ただ、残念ながら同店のテストではうまく行かなかったそうだが。
□高速電脳
http://www.dtinet.or.jp/~hako/
・情報コーナー(Celeronテスト)
http://www.dtinet.or.jp/~hako/PVT.htm
□Tom's Hardware
http://www.tomshardware.com/
・CPU Performance from Socket 7 to Slot 1
http://www.tomshardware.com/cpubench.html
[協力:高速電脳]
K6/300の入荷スケジュールがはっきりしてきたことが影響しているのかどうか、K6/266はまた一段と価格下落が進み、今週は最安値では先週比3,700円も下がり、平均価格では5,000円以上もの下げ幅を記録している。K6はもはや、K6/166~K6/233までは価格差がほとんどない状態で1万円前半をうろうろ、K6/266も安いところでは25,000円を割り、1万円台もそろそろ見えてきそうな勢いになっている。
Intelも次々と新CPUを投入し、価格を下げているけれども、AMDも負けじと頑張っている。性能面では、いつAMDがベースクロック100MHzサポートうたったCPUを出すのかが気になるところだが、今度のK6/300はまだ公式には66MHzということのようだ。この点は大いに残念なところ。
PCIバス対応のモデムといえば、以前からNECがPC98-NX用の製品を出すとアナウンスしているものの、我々が調べた範囲では未だにショップに並んだ実績を確認できていない。海外の通販ショップなどでは、ここ最近ポツリポツリとPCI対応モデムを価格リストに追加するケースが見られるので、どうやらやっと世界的にもモノが出まわるようになってきたということらしい。それれにしても、なぜPCI対応モデムはこんなにも出てくるのが遅れたのだろう? サウンドカードよりもよっぽど簡単にできてしまう製品のような気もするのだが..。
モデムがPCIバス対応になる技術的メリットというのはともかく、これでほとんどPCIバスに対応していないカードはないというくらいの状態になった。しかし、それでもマザーボードメーカーはまだISAを大切にしているようで、今回の大量に出た440BXマザーボードの中でも、PCIバス5本を備える製品はなぜか少ない。
□Diamond Multimedia Systems
http://www.diamondmm.com/
[協力:パソコン工房秋葉原1号店]
PCIサウンドカードと言えば、今となっては特に珍しくもないけれども、このカードはまったく新しいサウンドチップが載っているという点で注目に値する。搭載されているチップはESSのMaestro-2。今までのMaestro-1と違い、チップのサイズがとても小さいのがまず目に付く。Maestro-1が208-pin PQFPパッケージだったものが、Masetro-2では100-pin TQFPパッケージになっている。おそらく、これはノートパソコンを含めてマザーボードにオンボード搭載されることを狙ったものと想像できる。チップ自体の性能で見ると、Maestro-1とそれほど大きな差はなく、3Dサウンドやスピーカー制御で若干の機能が追加されている程度。カードは内部に4つの入力と、さらに外にMicとLine入力があるなどやたらと入力端子が多いのが特徴だが、このあたりも含めパッケージには何もスペックがかかれておらず、Web上の製品情報も簡単なものしかなく、いろいろと謎が多い。
いまのところ、サウンドカードの「人柱」達には興味の対象になりそうではあるが、基本的にはもう少し情報が出てくるまでは様子を見たほうがよさそうだ。
□Diamond Multimedia Systems
http://www.diamondmm.com/
・Sonic Impact S70
http://www.diamondmm.com/products/current/S70.cfm
□ESS Technology
http://www.esstech.com/
・PCI Audio Accelerators
http://www.esstech.com/product/PCIAudio/pciaudio.htm
[協力:ツクモパソコン本店II]
32MBでは一挙に相場が1万円ほど下がり、64MBと128MBでは2万円近くも下がっている。これは一部のショップの動きではなく、ほぼ例外なくどこのショップでも起こっていることで、「一体今までの価格はなんだったの?」と言いたくなるほど。やはり15日(水)のIntelの440BX発表のタイミングに合わせての動きのようで、4月第3週に入ると続々と各ショップが価格を下げた模様。早いところでは12日(日)から新価格で販売していたところもあったようだ。
440BXマザーボードの登場と、この価格下落とで相乗効果が出たのか、ショップではPC/100メモリが「めちゃくちゃ売れている」そうだ。それも64MBといった大容量タイプが売れ筋だそうで、128MBの問い合わせも非常に多いとのこと。ショップとしても、従来のSDRAMよりも利幅のとれるPC/100メモリが売れることは大歓迎らしい。ただ、440BXのマザーボードは設計がいいのか、Socket 7のマザーボードで苦労していたのがウソのようにPC/100非対応のメモリでも割と簡単に100MHzで動作してしまう例が多いようなので、こうなると、まずは手持ちのSDRAMで一度試してみることも意味がありそう。
下がったと言っても、実は今でも従来のSDRAMとPC/100対応SDRAMとでは3倍近い価格差があるわけで、その意味ではまだまだ下がることを期待したいところではある。
[協力:BLESS]
このカードは、Matroxが新開発したという「G-100」を積んだもので、基本的には2Dを中心に若干の3D機能を追加した廉価版という位置付け。Matroxの過去の製品を見ても、3D性能はあまり期待できないが、MystiqueやMillenniumIIといった2D描画の速さと画質の良さがある程度継承されているのであれば、今後大きな人気を呼ぶ可能性もありそう。この安さで、RAMDACも230MHzのものが内蔵されているというのも魅力だ。Matroxはドライバーのアップデートも頻繁に行われるので、その意味では安心感もある。とりあえず3Dゲームでもやらない限りは、かなり面白そうなビデオカードと言える。
□Matrox
http://www.matrox.com/
・Productiva G100
http://www.matrox.com/mgaweb/products/productiva1.htm
[協力:コムサテライト1号店(COM/1)]
AT/PBSRAM 512KB/PCI×3/(PCI/ISA)×1/ISA×2/DIMM×3というスペックで、クロックはベースクロックが60/66/75/83/100MHz、内部倍率が2~5倍まで0.5倍刻みで設定が可能。電圧(VCore)は2.1/2.2/2.8/2.9/3.2Vに対応している。実際の性能のほどはまだわからないが、実質ベースクロック100MHzで動きそうなK6/300の登場も間近に控え、期待が膨らむところではある。
さらに、同じくMVP3を搭載したSOYO SY-5EH5/Mもまた流れ始め、MVP3搭載マザーボードもようやく本格的に流通しはじめたようだ。Socket 7は100MHzサポートのマザーボードが出てきているのだから、あとはCPUが対応を待つばかりなのだが..。
□EPOX
http://www.epox.com/
・EP58-MVP3C-M
http://www.epox.com/58mvp3cm.html
[協力:ピーシーアドバンスドとBLESS]
しかし、一番の魅力はなんと言ってもユーモア溢れるデザインにある。6種類の内訳は、「□ねん□くみ□なまえ」、「社内最速」、「DANGER RADIOACTIVE MATERIALS」、「高温注意」、「(非常口マーク)」、「I LOVE ゲイツ」の文字とオリジナルイラストがついているもの。「社内最速」というあたりは、いかにもたくさんいそうな会社内PCマニア達の心をくすぐりそうだ。逆に、ショップのPOPでも「これはいただけない」と書かれていたのは、もちろん「I LOVE ゲイツ」。PCマニアというのは、基本的に常に移り気で、メーカーや特定人物に宗教じみた深い愛情はそれほど抱かないから、Windowsを使っていてもMicrosfotやビル・ゲイツを「愛している」という人はほとんどいない。だからこそジョークになりうるという見方もあけれども、どうも好き嫌いが分かれそうだ。
まぁ6枚入っているので、お好きなものをどうぞ、というところか。この調子でもっといろんなものを出してくれると、かなり楽しくなりそう。「社内最遅」とか「社内一不安定」、「Voodoo INSIDE」、「AGP Ready!」なんていうのがあっても面白そうだ。
[協力:ツクモパソコン本店II]