1998年7月25日号


Xeonより先に440GXチップセット+Slot 2マザーボードが登場
SUPERMICRO製のSlot 2マザーボードが早くもショップに

440GXSlot 2
【440GX】【Slot 2】
P2DGRRetentionKit
【P2DGR】【RetentionKit】
P6DGE人柱募集中
【P6DGE】【人柱募集中】

 Pentium II Xeonより先に、440GXチップセットを搭載したマザーボードがショップに並び始めた。製品はSUPERMICRO製の全4種類で、Pentium II Xeon用のSlot 2対応の製品が1種類と、Slot 1対応の製品が3種類という内訳になっている。

 440GXはIntelがミッドレンジのサーバーとワークステーション向けに開発した新チップセット。Pentium II Xeon用のSlot 2に対応しているほか、メモリのアクセス上限が2GBに拡張されているという特徴がある。もともとこうした分野に強いSUPERMICROは、いちはやく440GX搭載のマザーボードを発表していたが、7月第4週に入るといよいよアキバでは実際に販売が開始となった。

 Slot 1用は、まずデュアルCPU対応の「P6DGE」が5万円前後で販売中(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。ATX/Slot 1×2/AGP×1/PCI×4/(ISA/PCI)×1/ISA×1/DIMM×4というスペックで、一見すると440BXチップセットのデュアルCPU対応マザーボードとほとんど見分けがつかない。実際、440GXをSlot 1用として使用した場合は仕様ではメモリのアクセス上限が2GBになったという以外に大きく変わるところがない。この製品ではDIMMスロットが4つあるため、512MBのSDRAMを4つ挿すことで2GBになる計算になる。しかし、現在のところは市場に出ているPC/100対応SDRAMは最大で128MBのため、実際には4枚挿しても512MB止まりというのが現実。このほか、Ultra2 SCSIインターフェースがオンボードの「P6DGU」、Dual Ultra Wide SCSIインターフェースがオンボードの「P6DGS」が出ている。価格はそれぞれ、ぷらっとホームで79,800円、74,800円。

 そして注目はSlot 2用の「P2DGR」。ATX/Slot 2×2/AGP×1/PCI×3/(ISA/PCI)×1/ISA×1/DIMM×4/Ultra Wide SCSI×2というかなり贅沢なスペックで、実売価格も128,000円と高い。扱っているのはぷらっとホームだけで、同店ではPentium II Xeonが手に入り次第、店内で動作デモも実施する予定とのこと。使用するOSはBeOSを使うことも検討中という。さて、Slot 2の実物はどうなっているかというと、Slot 1とはだいぶ見た目が異なり、色が茶色から濃紺に変わっているほか、内部の信号ピンも数が大幅に増えて高密度になっている。実際、上から見ると、信号ピンが上から下に向かって3段に配置された階層構造になっていることがわかる。そして、一番驚くのがPentium II Xeon用のRetention Kit。ご存知の通り、Xeonは高さがPentium IIの2倍近くあることから、これを固定するには今までのような方法ではとてもうまくいかない。というわけで、まずRetention Kitが大型化し、形状もXeonを左右と上から支えるようにブリッジ状になっている。さらに1つのRetention Kitで2つのXeonを支えられるよう、隣り合った2本のSlot 2と同じ幅の奥行きを持ち、最終的な固定方法は本体ケースの外側にまで金具をブチ抜いて固定する構造になっている。つまり、あまりにXeonが大きく重たいので、今までのようにマザーボードにRetention Kitで固定するだけでは足らず、ケース側にガッチリ固定する必要があるというわけ。もちろん、本体ケースもXeon対応のものが必要になるわけで、ぷらっとホームではそのサンプルも現在評価中という。マザーボードにRetention Kitを装着しただけでも、その大きさは際立つというのに、そこへさらにXeon 2つと冷却用クーラーもついた最終的な姿を想像すると、まるで小型エンジンにも見えそうな気がしてくる。

 PCiN秋葉原が店先で「人柱募集中」と呼びかけているように、やるなら440GX搭載Slot 1マザーボードとPentium IIでひとまず性能を試すというのが現実的なところだが、経済的に余裕があるのならXeonが出たときに即テストできるように今のうちにSlot 2マザーボードを手に入れておくというのも一つの手。ただしその場合、きちんとした運用には専用のケースも必要だということも忘れてはいけない。さぁ、どうする?

□SUPERMICRO
http://www.supermicro.com/
・P2DGR
http://www.supermicro.com/products/motherboards/440GX/S2DGR.htm
・P6DGU
http://www.supermicro.com/products/motherboards/440GX/P6DGU.htm
・P6DGS
http://www.supermicro.com/products/motherboards/440GX/p6DGS.htm

[撮影協力:ぷらっとホームPCiN秋葉原]


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