1998年10月31日号 |
CyrixからようやくM II 333-GPが登場
M IIシリーズはリテールパッケージでの販売がスタート
【M II-333GPリテールパッケージ】 | 【パッケージの中身】 |
【マーキング】 | 【ベース100MHzの記述】 |
●M II 333-GPはベースクロック83MHz
遅れに遅れて販売が始まったM II 333-GPのベースクロックは、結局83MHzだった。6月の発表当時に公開されたデータシートでは、M II 333-GP以上はベースクロック100MHzが採用されることになっており、また、ほぼ同時期にショップに出回ったサンプル品が83MHzだったことから、「これだけ期間を置いたのだから…」と期待させたものの、結局5ヶ月前のサンプル品と同じ83MHzのままだった。M II(6x86MX)はもともと整数演算が飛びぬけて速く、ビジネスアプリケーションに向いているといわれているだけに、ベースクロックの向上でどれだけ実用性が高まるかに期待がかかるところただが、この検証の楽しみはもうしばらくお預けということに。
ただし、今週から登場した純正リテールパッケージには、製品ラインナップが書かれたマニュアルが同梱されており、そこにはしっかり「M II 333(100×2.5)」「M II 350(100×3)」とベースクロック100MHzバージョンの製品も記述されている。その記述によると、M II 350はコア電圧の仕様が2.2Vとなっており、待望の0.25ミクロン製造品に切り替わる計画が現在ではM II 350-GPからとなっていることが読み取れる。
●バルクとリテールパッケージの価格差は小さい
M II 333-GPの登場と同時に、M IIシリーズは従来のバルク品のみの販売から、純正リテールパッケージとの並行販売に切り替わっている。リテールパッケージのデザインは先週お伝えした通りで、薄い紙箱でシンプルなもの。リテールパッケージはM II 300-GPと333-GPの2種類のみで、見分けは箱に張ってある性能値が印刷されたシールでできる。シールの色も300-GPが青、333-GPがピンクと色分けされているのでわかりやすい。中身は、CPUと保証書兼マニュアルと、金色のM IIエンブレム。CPUクーラーは入っていない。価格がバルクとさして変わらないため、今ならリテールパッケージのほうがお得なようだ。
M II-333GPとリテールパッケージの登場で、Cyrix人気にまた火がつきますかどうか。価格がだいぶ下がってきたこともあり、余ったSocket 7マザーボードなどと組み合わせてサブマシンを作製するというのも面白そうだが。
[撮影協力:ツクモパソコン本店II]