1999年4月17日号 |
自作PCケースにもスケルトンデザインが流行する兆しあり
新たに3種類のスケルトンケースが登場
【CTC-600GW/BK】 | 【MT-PRO2000/S】 |
【オールスケルトン】 | 【発売はGW前後】 |
●はやくも売り切れ
PCの世界でスケルトンデザインの製品と言えば、これまでにもUSB HUBやキーボードなど周辺機器では多くの実績があるが、PC用ケースではiMacに影響を受けたスケルトンデザインの製品は皆無だった。ケースの場合は大量ロットでの製造が基本のため、確実に売れるデザイン以外で発売されることはまずなく、PC用ケースでは事務的な遊びのないものばかり、というのがこれまでの現状だった。それが、先週になってフロントパネルを全面スケルトンデザインにした韓国KANAM ELECTRONICS製ケース「KN820T」が突然登場したのを皮切りに、今週はまた韓国メーカーから2種類の製品と国産のケースまで登場している。
新登場のスケルトンデザイン韓国製ケースは、COMTEC KOREA製「CTC600GW」と「CTC600BK(BW)」の2種類。価格は13,000円程度(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。これはフロントパネルの一部がスケルトンになっているケースで、色は緑半透明(GW型番)と茶黒半透明(BK/BW型番)。フロントパネルの形状は韓国メーカー独特の起伏のあるユニークなもので、正面から見て8割程度のスペースを占める盛り上がった部分が全てスケルトンの独立した別パーツとしてつくられている。さらに、2段のドライブベイ(5インチ×1、3.5インチ×1)部分を覆うかたちで同色の横開き式カバーもあり、色違いとなる一般的なホワイトベゼルのドライブを設置した場合でも、これで違和感がないようにある程度カムフラージュできるようになっている。これを扱っているショップの一つであるツクモパソコン本店IIでは、入荷直後の値札を貼る前の状態から購入希望者が現れ、結局同店では緑半透明のモデルが入荷後すぐに完売してしまったという。
●国産はオールアルミ+スケルトン
国産の製品はオールアルミ製ケースで一躍有名になった星野金属製の製品で、型番はMT-PRO2000S。型番からわかるように、基本的に初代オールアルミケースMT-PRO2000の設計のまま、カラーリングを変更した新タイプ。フロントパネル全体が半透明になったほか、ケース全体を覆うアルミカバーがすべてクリア塗装に変更されている。MT-PRO2000ではアルミカバーをホワイトで塗装したうえ、フロントパネルの色も一般的なホワイトだったため、外見的にはアルミ採用ケースであることがほとんどわからない地味なデザインだったが、今回のモデルはいかにも金属質であることを前面にアピールする趣向性の高いデザインになっている。中の構造(骨組み)が透けて見えるという本来の意味でのスケルトンとは違うが、アルミという使用材質の金属質感を外に出すためにわざわざクリア塗装と半透明フロントパネルを使ったという意味で、発想は似たようなものだ。MT-PRO2000は、発売当初から「せっかくのアルミの金属感を隠しているのは損、色は塗らないほうがいいのではないか」という声もあったほどで、ある意味で現実のニーズに応えた製品であり、マニア層を中心に売れることは確実なようだ。在庫店は多数で、価格は36,800円程度(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
●そし全面スケルトンのケースも
そして、このあとにはフロントパネル以外にも側面や底、天井部分も含めて全てのプラスチック部分が完全にスケルトンデザインで統一されたケースも登場する予定になっている。準備を進めているのはサプライ品やケースなどの代理店である(有)バリューウエーブで、ゴールデンウィーク前後に複数の全面スケルトンデザインモデルを発売する予定だという。価格は未定だが、これも本格的なスケルトンケースという意味で注目株だ。
これから暖かくなる時期でもあり、涼しげな透け透けスケルトンケースがちょっとしたブームを呼ぶ可能性は高い。ようやく、自作PC用のケースも色で「選べる」時代になった、ということもできそうだ。
□COMTEC KOREA
http://www.comteckorea.com/
□(有)バリューウエーブ
http://www.valuewave.co.jp/
【'99/4/10】フロントパネルがスケルトンのATXケース
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/990410/etc.html#kn820t
[撮影協力:ツクモパソコン本店IIとFlip-Flapとバリューウェーブ]