【 1999年10月23日号 】

PowerVR2アーキテクチャの最新ビデオカード「Neon 250」発売

Neon 250Neon 250
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 マニアックなユーザー層で以前から注目度の高かったビデオカード「VideoLogic Neon 250」が突如としてアキバに上陸した。ソフトアイランド秋葉原店が輸入品のリテールパッケージを22,800円で販売中だ。

 Neon 250はNECとVideoLogicが共同開発した3Dグラフィックス技術PowerVRの第2世代アーキテクチャ「PowerVR2」を採用した製品で、PowerVR2の採用例としてはセガの家庭用ゲーム機Dreamcastが第一号として知られている。'98年5月の製品化表明から約1年半が経過して、やっとPC用の製品が姿を現した格好だ。

 PowerVR2アーキテクチャ採用のビデオチップ「PowerVR 256」を搭載したNeon 250は、AGP 2x対応の2D+3D兼用のビデオカードで、さまざまな改良や新機能の追加により300万ポリゴン/秒、2億ピクセル/秒という処理性能を持つ。また、テクスチャデータ圧縮技術の採用、BumpMappingとModifier Volume機能などの採用で3Dの表示品質が大幅に向上しているという。ただし、PowerVRシリーズの伝統とも言える製品としての動作条件の厳しさは相変わらずのようで、ソフトアイランド秋葉原店がNeon 250をチェックしたところでは、VIA製チップセットを搭載したマザーボードでは正常に動作しなかったり、日本語のDOSモードの画面表示が正常に行われず、一部アプリケーションではDirect3D対応のモードが640×480ドットに固定されていたり、ドライバのインストールでエラーが発生したりと、輸入品特有の日本語環境での動作問題も含め、かなり動作条件はシビアだという。購入を検討している人は、まずはこうした状況を参考にし、このあたりの問題を「PowerVRの伝統」と割り切れるのかどうかを判断するのが先決だ。なお、パッケージにはこれらの調査結果を詳細に記したメモが同梱されている。

 PowerVR採用の製品は'96年12月にDiamond Monster 3D(Voodoo)と競うようなかたちで初代チップ搭載の「NEC PC 3DEngine」が発売され、その後、改良版のPowerVR PCX2/PX2を搭載した製品がVoodoo2と競う格好で'97年11月に「Matrox m3D」「NEC PC 3DEngine2」などの製品として登場。いずれも2Dの処理機能を持たない3D専用処理のカードだったが、VoodooシリーズのネイティブAPIであるGlideが支持される一方、PowerVRネイティブのAPIであるPowerSGL Directをサポートするゲームが少なく、また、いわゆる「相性問題」による動作条件が厳しいなどの理由から、ほとんど泣かず飛ばずで終わってしまったという過去がある。今度のNeon 250は、2Dの処理機能も盛り込んでAGP対応のビデオカードとして登場してきたことから、ちょうど時期と性能面でもVoodoo3らと競争することになる。

 遅れに遅れて登場したPowerVR2採用のNeon 250。ドライバなどの改良はこのあとに期待するとして、現状は「人柱」志願の人向けのビデオカードと言えそう。GeForce 256とは違う選択肢を探しているという人にも、一つの有力候補になるかも知れない。

□Neon250(Videologic)
http://www.videologic.com/ProductInfo/Neon250.htm
□PowerVR Technology
http://www.powervr.com/

[撮影協力:ソフトアイランド秋葉原店]


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