【 1999年11月13日号 】

FC-PGA版Pentium IIIのリテールパッケージが登場
Dualサポートの記述なし、変換アダプタも登場

リテールパッケージFlip Chip PGAの文字
【リテールパッケージ】【Flip Chip PGAの文字】
パッケージの中身Pentium III 500E MHz
【パッケージの中身】【Pentium III 500E MHz】
新旧CPUクーラー500E/550E MHz入荷
【新旧CPUクーラー】【500E/550E MHz入荷】
C-TuneC-Tuneリテールパッケージ
【C-Tune】【C-Tuneリテールパッケージ】

 SECC2版のPentium IIIに続き、FC-PGA版Pentium IIIのリテールパッケージもアキバに出回り始めた。製品はPentium III 500E MHz(100MHz×5)と550E MHz(100MHz×5.5)の2種類で、実売価格は前者が41,200円~52,800円、後者が27,800円~35,000円となっている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 また、SOLTEKからはFC-PGA対応のSlot 1マザーボード用Slot 1→Socket 370変換アダプタ「SL-02A+ C-Tune」も発売され、リテールパッケージ同梱のFC-PGA対応CPUクーラーと合わせ、これでようやくFC-PGA版Pentium IIIを動作させる最低限のパーツが出揃った。

リテールパッケージに微妙な変化

 FC-PGA版Pentium IIIはこれまでのPentium IIIと違い、Slot 1ではなくSocket 370で利用する新仕様のCPUであるため、リテールパッケージは従来のSECC2版と区別がつくように若干デザインが変更されている。パッケージ正面からみて右下の位置にはFC-PGA版であることを示す「Flip Chip PGA」という文字が加えられ、側面にあるシールにも「FC-PGA370---System Bus: 100-MHz」との記述があり、仕様が簡単に確認できるようになっている。同一クロックのSECC2版と混同しないように、Intelとしてはこれらの文字で識別してほしいということのようだ。

 なお、FC-PGA版のリテールパッケージ裏面にあるProduct Featuresリストを確認したところ、SECC2版に存在している「Supports Dual Processing」の項目が存在していないことがわかった。つまり、FC-PGA版Pentium IIIはDual CPU動作(SMP)をサポートしていないということになる。

SOLTEKからFC-PGA対応変換アダプタ登場

 FC-PGA版Pentium IIIはこれまで、CPU単体のバルク品は入手可能だったものの、肝心な対応CPUクーラーやマザーボードが手に入らなかったことから、例えCPUを手に入れても動作させる方法がないという状況だった。Celeronと同じSocket 370を使うとはいえ、ピンアサインが完全互換ではないため、これまでのSocket 370対応マザーボード上では動作せず、さらにCPUが物理的に薄くなっているため、これまでのSocket 370用CPUクーラーを使うとZIFソケットの一部にヒートシンクが接触してしまい、うまくCPUと接着しないという問題があった。それが今回のリテールパッケージの登場によって、同梱されている対応CPUクーラーで一つは解決、そして、ほぼ同時にSOLTEKからFC-PGA対応のSlot 1マザーボード用Slot 1→Socket 370変換アダプタ「SL-02A+ C-Tune」が発売されたことで、ようやく既存のSlot 1マザーボードでFC-PGA版Pentium IIIを動かすことができるようになった。

 SOLTEKの「SL-02A+ C-Tune」は従来の「SL-02A」に改良を加え、FC-PGAに対応した新型変換アダプタ。これとFC-PGA版Pentium IIIを組み合わせれば、既存のSlot 1マザーボードで使用できるようになる。リテールパッケージには目立つように「Support Intel FC-PGA Coppermine processor」「FC-PGA & PPGA CPU ADAPTER」などと書かれている。基板上にはFC-PGA用の設定ジャンパが用意され、電圧設定は1.3V~3.5Vまで可変、FSBは66MHz(AUTO)~133MHzまで設定可能になっている。実売価格は2,480円~3,980円で(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、PCiN秋葉原ではバルク品のFC-PGA版Pentium IIIと「SL-02A+ C-Tune」をセットにし、価格据え置きで販売している。

このあとにも変換アダプタが続々登場

 変換アダプタはこの後にもIwillやMicrostarなどから続々と登場する見込み。また、対応CPUクーラーや対応マザーボードも含めて、これからFC-PGA対応をうたったアイテムが徐々に増えていくことにりなりそう。

 Socket対応CPUへと変身した新しいPentium IIIがこれからどう発展していくのか。今はまだ第一のハードルを越えたばかり。

□Package Form Factors(Intel)
http://support.intel.com/support/processors/procid/ptype.htm
□SL-02A+ C-Tune(SOLTEK)
http://www.soltek.com.tw/English/products/02A+.htm

[撮影協力:ツクモパソコン本店IIコムサテライト1号店PCiN秋葉原]


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