i820搭載マザーボード2種類とRIMMの販売スタート
RIOWORKSとAOpenからマザーボードが発売に
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まだ流通量が充分ではないものの、ドタキャン騒動から約2ヶ月が経過してようやく製品が入手が可能になった。
●RIMMの動作保証条件は要チェック
i820正式発表直後にアキバで販売がスタートしたi820搭載マザーボードはRIOWORKS製の「PU82A」とAOpen製の「AX6C」の2種類。いずれも似通った仕様で、RIMMスロットは3本、PCIスロットは5本でISAスロットは持っていない。
2製品に共通している「RIMMスロット」と「3本」という2つのキーワードは、どうしてもi820ドタキャン騒動の原因とも言われる不具合問題を連想させるが、この問題は正確には「RIMMを3本フル実装した場合に」発生する不具合であり、また製品によって発生する場合としない場合があるとも言われていることから、結局は単純にRIMMのスロット数で判断するのではなく、メーカー側が個別の製品についてどういう保証条件をつけているかがポイントと考えたほうがいいようだ。
その意味では、ショップ側の話によるとRIOWORKSはRIMM3本フル実装を除けば動作を保証しているとのことで、また、AX6Cについてはパッケージの中に注意書きがあり、そこには、RIMMを取り付ける場合はスロット3→2→1の順番で取り付けること、容量の違うRIMMを取り付ける場合は容量の少ないRIMMをスロット3に取り付けること、RIMMを3本フル実装する場合は800MHz動作のRIMMを使用すること、といった動作保証の制約条件がはっきりと明示されている。今後出てくる製品も含め、買う側としては、まずはこうした保証されている動作条件を調べておく必要がありそうだ。
なお、単体での価格はPU82Aが22,800円~25,800円で、AX6Cは23,800円~26,800円となっている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
●価格比からするとマザーボードはRIMMのおまけ?
i820チップセット搭載マザーボードと同時にRIMMの販売もスタートしている。ただし、ほとんどはマザーボードとRIMMのセット販売という形態に限られ、単体販売は一部ショップを除けば行っている例はない。また、出回っているRIMMの種類もPC700 64MB(8MB ECC付)の1種類のみで(ショップによっては72MB RIMMと表記しているところもある)、ほかに選択肢がない。価格も高価で、およそ単体では6万円程度の値がついている。マザーボードとのセット価格が全て8万円台であることを考えれば、まるでRIMMの「おまけ」にマザーボードが付いてくるといった状態。はたして、これだけのコストをかけて元が取れるのかどうか誰もが疑問に思うはず。
そこで注目されるのは、RIOSWORKSがPU82Aと同時にオプションで発売したRIMM-DIMM変換ライザーカード「R2D」。これまでのSDRAM DIMMをRIMMスロットに挿して使うための変換カードで、1枚のカードで2枚のDIMMが使える。価格も5,000円前後と安く(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、とりあえずi820搭載マザーボードを試してみたという人には現状では必須の製品となる。ただし、この場合は当然ながらi820の真のパフォーマンスは発揮されず、FSBは133MHzで使用できてもメモリは100MHzというアンバランスな構成になってしまうデメリットもある。なお、今のところ「R2D」はPU82Aとのセット販売が前提で、単体で入手はできない。
●前途多難なデビュー
ドタキャン騒動から晴れてi820搭載のマザーボードがデビューしたとはいえ、RIMMの高価ぶりと供給不足という深刻な問題を抱え、解決する見込みすら立っていない。投入されたばかりのFSB 133MHz対応のCoppermineコアPentium IIIも、この状態ではライバルであるVIA Apollo Pro133Aチップセットの人気を高めるだけで、なかなか前途は多難だ。
もちろん、i820搭載マザーとRIMMが同時に即入手できるというだけでも、世界的に見ればこのアキバは恵まれているのだが。
□PU82A(RIOWORKS)
http://www.rioworks.com/product/Intel820/pu82a.htm
□AX6C(AOpen)
http://www.aopen.com.tw/products/mb/ax6c.htm
[撮影協力:フェイスとCUSTOMとOVERTOPとUSER'S SIDE本店とコムサテライト1号店]
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