【 1999年11月20日号 】

「Custom PC WORLD'99」に注目展示多数
メルコは開発中の改造Athlonを展示、各社から新マザーも

会場入り口ステージ
【会場入り口】【ステージ】

 JR秋葉原駅前の広場では、秋葉原電気街振興会が主催する初めての自作PCユーザー向けイベント「Custom PC WORLD'99 in 秋葉原」が開催中。会場には各社マザーボードメーカーや周辺機器メーカーなどが出展し、最新の注目製品などを多数展示している。

 特に日本AMDが特別協賛しているとあって、会場内では未発表のAthlon対応新マザーボードやEasyNow!プラットフォームの小型PC、果ては特殊冷却による1GHz動作のAthlon、製品化に向けて開発中という国産のオーバークロック改造Athlonなど、AMD関連製品の注目すべき展示が多い。このほか、イベント会場ではプレゼントも多数用意され、特設ステージ上ではパネル討論会なども行われている。

 ここでは、会場内の注目すべき目立った展示などを一部紹介することにする。なお、このイベントは21日(日)まで行われているので、実物を見たいという人は会場に足を運んでみよう。


メルコが開発中のオーバークロック改造Athlonを展示中

目指せ800MHz!MTMP-AK770-PT開発中
【目指せ800MHz!】【MTMP-AK770-PT開発中】
背面設定用DIPスイッチ
【背面】【設定用DIPスイッチ】
 メルコのブースでは、MTCブランドで発売する予定というオーバークロック仕様の改造Athlonを展示中。また、これを実際に搭載したPCのデモも実施中だ。

 800MHzで動作し、DIPスイッチによりコアの動作クロックと2次キャッシュの動作クロック倍率を任意に変更できるという。カートリッジを剥がした裸のAthlonに強力なCPUクーラーを装着し、いわゆるAthlon内部設定用「Gold Fingers」部分にDIPスイッチを設けたカスタマイズ品だ。同社によると、これはAMD側からの提案もあって製品化に向けて開発しているもので、実際に販売する予定があるそうだ。展示中のサンプル品はオーバークロック耐性に優れた選別品のAthlon 700MHzを使用しており、CPUクーラーは星野金属製のWiNDyが2つ載せられていた。

 すでに「MTMP-AK770-PT」という仮の型番もついており、パワーユーザー向けのMTCブランドで発売する計画とのこと。ただし、仕様についてはまだ確定していないので、サンプル展示の内容から一部変更される可能性があり、価格もまだ未定だそうだ。

 なお、ブースではK6-IIIを533MHz動作させたオーバークロックのデモも実施中。「オーバークロックしたAthlonを展示中でーす」という説明員の声が聞こえたら、そこがメルコのブースだ。

□Custom PC WORLD'99 in 秋葉原に出展(メルコ)
http://www.melcoinc.co.jp/event/custum_expo.html


フリーウェイが特殊冷却で1GHz動作するAthlonのPCをデモ

1GHz動作デモ中Apollo KX133マザー
【1GHz動作デモ中】【Apollo KX133マザー】
PAT-A700実働872MHz
【PAT-A700】【実働872MHz】
 フリーウェイは旭硝子のブースの中で1GHzで動作するAthlonマシンをデモしている。

 これは事前に予告されていた「Athlon対応スーパークーリングキット(仮称)」を使ったデモで、このクーリングキットで最大-20度にまで冷却することができるという。その冷却性能を活かして実際にAthlonを1GHzにオーバークロック動作させ、その実力を見せつけている。展示用パネルには「AMD Athlon 1GHz動作実現!! 最速にすら満足できないあなたへ…」「Quiet & Cool Gマシーン(仮称)」とあり、静音設計のパーツとの組み合わせも大きくアピールしている。ただし、クーリングキットの部分は黒い紙で隠されているため、一般にはどのような構造になっているかは見ることができない。

 また、Apollo KX133チップセット搭載したVIAのリファレンス仕様マザーボードも展示中。フリーウェイは早ければ年末にもApollo KX133搭載マザーボードを投入する予定があるそうだ。

 このほか、「PC雑誌推奨マシンコーナー」ではDOS/V magazine誌とDOS/V magazine CUSTOM誌が推奨しているPAT-A700というPCが「Athlon/700(1GHz)」というスペック表を掲げ、動作デモを実施中だ(ただし、実際には約872MHzでしか動作していない)。

□Custom PC World '99 in秋葉原にFREEWAY design商品出展決定(フリーウェイ)
http://www.freeway.co.jp/new/index.html


ASUSがmicroATXのAthlonマザーとK7Mリテールパッケージ公開

K7M-RMK7Mパッケージ
【K7M-RM】【K7Mパッケージ】
 ユニティのブースでは、ASUSのmicroATX Athlonマザーボードと、K7Mのリテールパッケージを公開している。

 microATXフォームファクタ採用のAthlonマザーボードは「K7M-RM」という製品で、これ自体は以前からTWO-TOP秋葉原1号店でも10月下旬から店内でサンプル展示が行われており、今週からは一部ショップで販売もスタートしている。この製品は小型の割には電源コネクタの位置がCPUからはなれた場所にあるなど、設計に細かい配慮が見られるのがパワーユーザーには嬉しいところだ。なお、展示中の製品のリビジョン番号は「1.01」だったが、ショップに販売用として出回っている製品は「1.03」だった。

 また、すでにアキバではAthlon用マザーボードとして大量に出回っている「K7M」のリテールパッケージが展示されている。K7Mは建前上「ノーブランド」品として売られているのが現状だが、いずれASUSが正式に自社ブランドの製品として販売する時期がくれば、このリテールパッケージに入れられて販売されるものと見られる。パッケージは真っ赤で、表面に「K7M」「Slot A」という大きな文字が踊っている。その色と派手さから、まるでフリーウェイの製品のように見える。

□K7M(ASUSTeK Computer)
http://www.asus.com.tw/products/motherboard/slota/k7m/


AOpenがApollo KX133搭載マザーなどを展示

KX133動作中AK72
【KX133動作中】【AK72】
軟体キーボード60倍速CD-ROM
【軟体キーボード】【60倍速CD-ROM】
 日本エイサーによるAOpenブースでもなかなか意欲的な展示が行われている。

 一番の注目は新型Athlon用マザーボード「AK72」。19日(金)に到着したばかりというVIAの最新Athlon用チップセットApollo KX133を搭載したマザーボードで、ブース内では実際に動作させてデモを行っている。ブース入り口には手書きによる「新世代CPU+チップセット KX133+Athlon 動作中!」という貼り紙を出してデモをアピール中。マザーボード上にある「THIS UNIT IS AN ENGINEERING SAMPLE」と書かれたシールがなんとも生々しい。デモ中のPCは誰でも操作することができるので、その安定性やスピードなどを自分で確認することができる。

 また、このAK72を搭載したPCにはCOMDEX /Fall '99でも展示された60倍速CD-ROMドライブや、自由に折り曲げることができるフィルム上の日本語キーボードもつながっており、一見の価値がある。

□日本エイサー
http://www.acer.co.jp/


BIOSTARはEasyNow!仕様のPCと新Athlonマザーを展示中

EasyNow! PC全5色ディスプレイも同色
【EasyNow! PC全5色】【ディスプレイも同色】
背面コネクタ部M7MKB
【背面コネクタ部】【M7MKB】
 BIOSTARのブースでは、発表されたばかりのEasyNow!仕様の小型PCと、microATXのApollo KX133搭載Athlon対応マザーボードを展示している。

 EasyNow!はAMDが提唱した操作性などを追及したPCデザインで、その製品第一号となるのがBIOSTARの小型PC。とにかく形が異様で、背面から前面に向かってラッパ状に膨らんでいるケースを採用し、正面にある上下開閉式の丸型カバーを開けると、直付けのCD-ROMドライブが現れる仕組みになっている。CD-ROMは地面と垂直になるように設置するデザインで、この部分は昔のFM-TOWNSと似ているといえば似ている。正面から見ると、まるで剣道の面かサーチライトのようにも見え、人目をひくことは確か。なお、色はスケルトンの全5色で、同色のスピーカーとディスプレイをセットにして展示中だ。

 また、マザーボードではmicroATXフォームファクタ採用の「M7MKB」が展示されている。このマザーボードはApollo KX133チップセットを搭載した製品で、展示されているマザーボードには「0.90」というリビジョン番号が印刷されていた。

□BIOSTAR
http://www.biostar.com.tw/English02/default.htm


MicrostarからもmicroATX対応のAthlonマザー

MS-6191MS-5194
【MS-6191】【MS-5194】
 Microstarの新型マザーボードも展示されている。展示しているのは同社の代理店であるトライコーポレーションのブースで、microATXのAthlon対応マザーボードとFlexATXのSocket 7マザーボードを展示している。

 「MS-6191」はmicroATXのAthlon対応マザーボードで、ブースの中では実際に動作デモを実施中。特に大きく新型であることをアピールしているわけではないが、さりげなくブースの壁にはスペックの書かれたパネルが展示されている。チップセットはAMD 750。また、「PC雑誌推奨マシンコーナー」では、このマザーボードを採用したDOS/V POWER REPORT誌推奨のPCが展示されている。このPCは実際に販売される予定になっているが、まだ販売ショップは決まっていない。

 また、FlexATXフォームファクタを採用したSocket 7マザーボード「MS-5194」も展示中。これはMVP4チップセットを搭載した製品で、拡張スロットはPCIが2本とAMRスロットが1本のみとシンプル。これも壁にスペック表の書かれたパネルが用意されている。

□トライコーポレーション
http://www.justy.co.jp/
□Micro-Star International
http://www.msi.com.tw/


SOYO初のAthlon対応マザーボードが展示中

SY-K7AIASOYO人形?
【SY-K7AIA】【SOYO人形?】
 ソーヨーコンピューターのブースでは、SOYO初のAthlon対応マザーボードが展示されている。

 型番は「SY-K7AIA」。AMD 750チップセットを採用したATXマザーボードで、見た目はAMDのリファレンスに近い。配布中のパンフレットに掲載されている製品写真では、基板は黄土色でSY-K7AIAというシルク印刷が入っているが、展示中のマザーボードは緑色の基板で型番のシルク印刷は入っていなかった。このマザーボードも実際に動作させたデモを実施中だ。なお、このマザーボードは会場での抽選会に5枚がプレゼント用として用意されているので、一番早く入手するにはこの抽選会が狙い目(イベント協賛ショップで買い物をしてチケットをもらう必要あり)。

 なお、ブースにはSOYOのマスコットキャラクターをかたどった人形も「出品」されている。まるでデフォルメしたゴレンジャーのようなデザインで、なんともユニーク。SOYOのブースを目指す場合にはこれがいい目印になる。

□ソーヨーコンピューター
http://www.soyo.co.jp/


ATIはAGP 4x対応ビデオカードRAGE FURY PROを展示

RAGE FURY PROパネル
【RAGE FURY PRO】【パネル】
 ATIテクノロジーズジャパンは、AGP 4xに対応したRAGE 128 PROビデオチップ搭載ビデオカード「RAGE FURY PRO」を展示している。

 このカードはATIの最新ビデオチップRAGE 128 PROを搭載した製品で、AGP 4xなどに対応しているほか、描画スピードも従来モデルよりも高速化されている。ATI Rage Theaterチップが載っており、これによりビデオキャプチャとビデオ出力が可能。同社によると、OEM用とリテールパッケージ品の仕様は異なり、ブースで展示中のカードはリテールパッケージ用の製品とのこと。メモリは32MB。出荷は来年になる見込みだそうだ。

 また、ブースでは最近人気のMPEG2キャプチャが可能なTVチューナー付きAll-in-Wonder 128のデモなども展開している。

□RAGE FURY PRO発表(ATIテクノロジーズジャパン)
http://www.atitech.co.jp/furypro.html


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