【 1999年12月18日号 】

AMDから0.18μm版「Athlon 750MHz」がデビュー
国内正規ルートからも流通し、価格は9万円前後

いきなり9万円割れ製造は第49週
【いきなり9万円割れ】【製造は第49週】
Athlon 750MHz表Athlon 750MHz裏
【Athlon 750MHz表】【Athlon 750MHz裏】
Athlon 750MHz内部入荷しました!!
【Athlon 750MHz内部】【入荷しました!!】
世界最速CPU最速CPUが遂に新入荷
【世界最速CPU】【最速CPUが遂に新入荷】

 Intelに続いてAMDからも0.18μm技術を使ったCPUとして「Athlon 750MHz」が発売された。アキバでは週始めに並行輸入品が先行販売された後、国内正規代理店ルートからも流通が始まり、現在9万円前後で販売されている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。なお、現在出回っているのは、例によってバルク品のみ。

 これでAthlonは再び動作クロックでPentium IIIを抜き返し、x86系CPU最速の座に返り咲いた。

x86系CPU最速の座を奪還

 Athlon 750MHzはAMDが初めて0.18μm技術を使って製造した最新のCPU。Intelはすでに11月初めにCoppermineコアと呼ばれる0.18μm版のPentium IIIを投入しており、AMDはそれから約1ヶ月遅れで追いついたことになる。

 動作クロックの点でみると、これまで最速だったPentium III 733MHzを僅か17MHz上回り、Athlon 750MHzが世界最速のx86系CPUとなったことになる。ただし、最速の座を独占したまま'99年を逃げ切れるかどうかはIntelの動き次第。海外では週明けにもPentium III 750MHzと800MHzが急遽発表されるという話も出ており、これがすぐにでもショップに並ぶようだと、同着もしくはIntelの再逆転という格好になる。

0.25μm版と0.18μm版の見分け方

 新しい0.18μm版Athlonと従来の0.25μm版を比較してみると、外見からではこれといって大きな違いは見られない。形状に大きな変化はなく、違っているのは唯一カバー表面にレーザーマーキングされたDynamic Marketing Product IDのみ。

 このIDは、これまでのAthlon 500MHz~700MHzでは「AMD-K7xxxMTR51B C」(xxxはクロック数)というパターンで記述されていたが、Athlon 750MHzでは「AMD-K7750MTR52B A」と若干異なったパターンで記述されている。異なっている項目を具体的に挙げると、左から14桁目の「Cache Divisor」の欄が1であるのか2であるのかという点と、最終桁の「Random Character」がCであるのかAであるのかという違い。データシートによると、14桁目の「Cache Divisor」は2次キャッシュ動作クロックのコアクロック対比率を表し、1は1/2、2は1/2.5の意味を持つ。また、最終桁の「Random Character」はAMDがマーケティング用に使用する文字で、データシートを確認する限りでは、現時点で0.25μm版はC、0.18μm版はAと使い分けられている(少なくとも現時点では、そう解釈できる)。

 今後、0.18μm版の製品は750MHz以上の製品として出てくるのはもちろん、徐々に生産ラインが切り替わって下位モデルも出てくるかたちになる(データシートには0.18μm版の製品として550MHz~750MHzまで列記されている)。もし、750MHz以下の製品で0.18μmか0.25μmかを外見から見分ける場合は、このDynamic Marketing Product IDの最終桁が判断のキーになるというわけだ。

 なお、確認できた限りでは、現在出回っているAthlon 750MHzはいずれも'99第49週の製造品だった。

マザーボードの対応に注意

 最速のAthlonが手に入るようになったとはいえ、内部の仕様が若干変わっているということもあり、購入する場合には、まず使用する予定のマザーボードがAthlon 750MHzをサポートしているかどうか、きちんとチェックしておいたほうが良さそうだ。

 18日(土)時点のAMD公式Recommended Motherboardsリストには、Athlon 750MHzをサポートするマザーボードとして「Microstar MS-6167 Revision 1.0b」「BIOSTAR M7MKA Revision 1.1」の2種類のみが記載されている。

'99年最速CPUの座はAMDか?Intelか?

 これで、土壇場でIntelのウルトラCが出ない限り、アキバで実際に売られたx86系CPUとしてはAthlon 750MHzが'99年最速の製品ということになりそうだ。これはAMDの快挙と言えるかもしれない。

 そして、'99年はこれで1月のPentium II 450MHzから12月のAthlon 750MHzまで、CPUの動作クロック数が300MHzのアップを記録したことになる('98年は150MHzのアップだった)。新しいGHz時代への突入まで、あと250MHzとなった。

□プレスリリース(日本AMD)
http://www.amd.com/japan/news/prodpr/nr99121.html
□AMD Athlon Processor Recommended Motherboards(AMD)
http://www1.amd.com/athlon/mbl

[撮影協力:WAVE EYE秋葉原店ツクモパソコン本店IIコムサテライト2号店PCiN秋葉原OAシステムプラザ東京本店BLESS]


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