Radeon最高性能の製品だが、長さ300mm超という巨大カードである点や、最大消費電力が375Wと高い点には注意が必要だ。
●Radeon HD 6970×2に近い構成
「OCスイッチ」も搭載
Radeon HD 6990はRadeon HD 6000シリーズ初のデュアルGPUカード。
基本構成は、シングルGPUのRadeon HD 6970を2基搭載した状態に近いが、コア/メモリクロックはRadeon HD 6970よりも低く、動作クロックはRadeon HD 6970のコア880MHz/メモリ5.5GHzからコア830MHz/メモリ5GHzに下げられている。
主なスペックはSP数3,072(1,536×2)、テクスチャユニット数192(96×2)、ROPユニット数64(32×2)、搭載メモリがGDDR5 4GB(2GB×2)、クロックはコア830MHz/メモリ5,000MHz。消費電力はピーク時375W。演算能力は5.1TFlops。
また、コアクロックを上昇できる「オーバークロックスイッチ」が基板上にあるのも特徴。これは、CrossFire用コネクタ付近についており、スイッチを切り替えるとコア電圧が1.12Vから1.175Vに上昇、コアクロックが(Radeon HD 6970と同じ)880MHzになる。オーバークロック時の最大消費電力は450Wと非常に高くなり、しかも使用後は保証がなくなるが、なかなか興味深いギミックといえる。なお、なお、スイッチには封印シールが貼られている。
今回確認したSAPPHIREの製品は、リファレンス品と同じデザインのもの。
2スロット分の厚さの冷却システムのほか、8ピン×2の外部電源端子を基備えている。搭載している映像端子はDVI(1基)とMini DisplayPort(4基)で、Mini DisplayPort - DVI変換アダプタ/Mini DisplayPort - DisplayPort変換アダプタ/Mini DisplayPort - HDMI変換アダプタなどが付属している。
最速クラスの「シングルカード」ではあるが、長さが300mmを超える巨大サイズである点や、消費電力が375W(オーバークロック時450W)と高い点を考慮すると、組み合わせるPCケースや電源ユニットの選択には注意が必要だろう。