週刊3Dプリンタニュース
「iPadに指で描いてつくれる!、3Dプリンター体験イベント」体験記
~出力はフルカラーの石膏で~
(2014/5/22 16:56)
今回の週刊3Dプリンタニュースは、iPadを使った3Dプリンタ体験イベントの体験記と、無料で銅像3Dデータが作れるキャンペーンについて紹介する。
指でなぞって3Dモデリングするアプリ「Sunny 3D」を利用した体験イベント
4月26日、東京都新宿区にあるオフィスコンビニ・3Dプリント店「オフィス24スタジオで、iOS向け無料3Dモデル作成アプリ「Sunny 3D」を使った、3Dプリンタ体験イベントが開催された。
この体験イベントは、オフィス24スタジオを運営する株式会社オフィス24と、Sunny 3Dの販売元である株式会社イーフロンティアが共同で開催したものであり、筆者も参加してきたので、その様子をレポートしたい。
初心者向けの3Dプリンタワークショップが開催されることも増えてきたが、その多くは、PCを使って簡単な3Dモデリングを行い、モデリングしたデータをFDM方式のパーソナル3Dプリンタで出力したものを後日受け取るといったものであり、3D CADの操作などをある程度覚える必要がある。それに対し、この体験イベントは「iPadに指で描いてつくれる!3Dプリンター体験イベント」というタイトルからもわかるように、iPadの画面を指でなぞるだけで、3DモデリングができるSunny 3Dを使用しているため、よりハードルが低い。
イベントでは、まず、オフィス24スタジオ店長である新村氏が挨拶を行い、予想以上のイベント希望者があり、第2回も開催する意向を表明した。次に、イーフロンティアの坂口氏が、Sunny 3Dの操作説明を行った。
Sunny 3Dは、Padの画面に輪郭線を描くだけで自動的に立体化されるという、ユニークな3Dモデリングソフトであり、機能もシンプルなので、初心者でもすぐに3Dモデリングに挑戦できる。思い通りにモデリングできないことも多いが、それも含めて楽しめるソフトだ。参加者は10名ほどであったが、すぐにSunny 3Dの操作方法をマスターし、夢中でモデリングを行っていた。形がある程度できたら、モデリングした物体に色を塗ることができる。
モデリング作業の合間には、オフィス24スタジオの3Dプリンタ見学会も行われた。オフィス24スタジオでは、3D Systemsの業務用3Dプリンタ「ProJet 3500 HDMax」「ProJet 660Pro」、パーソナル3Dプリンタの「Cube X」が設置されており、3Dプリントフルサービスと3Dプリントセルフサービスを利用できる。3Dプリントセルフサービス用に設置されているCube Xは実際に動作しており、興味深く見つめている参加者も多かった。
モデリングが完了したら、メールでそのデータを担当者に送り、体験イベントは終了となる。Cube Xで出力されたサンプルがいくつか、お土産として参加者に配られた。
この種の体験イベントでは、自分がモデリングしたデータを3Dプリンタで出力したものを受け取るまで、2~3週間程度かかることが多いが、本体験イベントでは、20時以降なら当日出力品を受け取れるという。ただし、今回は、当日受け取りを希望した参加者はおらず、全員が宅配での後日受け取りを選択していた(送料も無料)。
イベントから数日後、筆者のもとに、出力品が届いた。今回の体験イベントでは、オフィス24スタジオにある石膏粉末タイプの3Dプリンタ「ProJet 660Pro」を利用して出力が行われており、形だけでなく、色もフルカラーで再現されていることが特徴だ。石膏粉末を固めたものなので、落下などの衝撃には弱いが、フィギュアとして飾っておく分には問題はない。
筆者がモデリングした謎の生物も、かなり忠実に出力されていた。石膏粉末タイプの3Dプリンタでは、サポート部分が不要で、細いしっぽなど、FDM方式の3Dプリンタが苦手な部分もきちんと出力される。出力品のサイズは4~5cmほどと小さいが、自分でモデリングしたものが、そのまま現実の物体として出力されるのは嬉しい体験だ。
今回の体験イベントは、あっという間に定員に達してしまい、反響も大きかったため、5月24日に第2回のイベントを行う予定。すでに申し込みも受付中だ。
- 株式会社イーフロンティア
- http://www.e-frontier.co.jp/
- オフィス24スタジオ
- http://www.office24studio.jp/
- 「iPadに指で描いてつくれる!3Dプリンター体験イベント」申し込み
- http://www.office24studio.jp/news.php
アサヒ飲料が「自分の銅像」を作るキャンペーンを開始
アサヒ飲料株式会社は、乳性飲料「カルピスオアシス」のキャンペーンとして、4月30日に特設サイト「オアシス銅像ファクトリー」を開設した。
オアシス銅像ファクトリーは、30種類の職業を対象とした銅像3Dデータ作成サービスであり、Webブラウザ上で職業を選択し、Webカメラで顔写真を撮影するか、あらかじめ撮影しておいた顔写真をアップロードするだけで、自分だけの銅像3Dデータが簡単に作成できることが特徴だ。1枚の写真から作るにしては、わりとリアルな3Dデータが生成される。髪型やメガネ、髭などは自由に選択できる。
オアシス銅像ファクトリーで作成した銅像は、OBJ形式の3Dデータとしてダウンロードできるだけでなく、世界の風景をバックに撮った記念写真をSNSでシェアすることもできる。さらに、3Dプリント出力サービスを提供している「rinkak」と連携しており、作成した銅像3Dデータをそのまま石膏粉末タイプの3Dプリンタでフィギュアとして出力してもらうことも可能だ(出力は有料で6,000円から)。
オアシス銅像ファクトリーは6月30日までの期間限定サイトなので、自分の銅像3Dデータが欲しい人は、是非試してみてはいかがだろうか。
- オアシス銅像ファクトリー
- https://oasis.calpis.co.jp/