2017年2月7日 08:05
ファミコンの『いたスト』に出会うと徹夜でプレイするほどに熱狂した忍者増田氏。そこまでハマった『いたスト』の魅力は一体何だったのか?
『いただきストリート ~私のお店によってって~』編 |
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・ 壱ノ巻 今宵も徹夜で対人プレイ! 『いたスト』に忍者増田がハマったワケ |
強烈な個性を持ったコンピューターキャラが『いたスト』を盛り上げる
普通、対人プレイには当然、人が必要になるわけですが、4人を集めるというのもそこそこ大変です。しかしそこはコンピューターゲーム。『いたスト』はプレイヤーが4人に満たない場合、残りをコンピュータキャラクターが受け持ってくれるのがありがたかった。しかも、用意されているキャラがそれぞれ、顔はもちろん、プレイのスタイルや台詞が異なっているのです。きちんと全員に個性付けがされているのが、当時としては画期的でござった。
いつも憎々しい台詞を吐く「たかゆき」や、生意気そうなイケイケねーちゃんの「けいこ」をやりこめたときは快感でしたね。コンピューターキャラに対しては、こちらも遠慮なく非情なことができるのがメリットでした。プレイする友達がそれぞれ、なぜか苦手キャラが違ってくるのも面白かったです。拙者はなんとなく「しょうた」と相性が悪かったなあ。
マスターすると抜群に面白いオリジナル要素「株」
そして、『いたスト』といえば「株」! これは『モノポリー』や『バンカース』にはない要素。『いたスト』では、株をうまく運用して資産を増やすことができるのでござる。例えば、Aエリアの株を買っておいてからAエリアの店を増資すると、相手がその店に止まったときの支払い額が上がるのはもちろん、同時に株価も上がってより資産が増えるという一石二鳥。MAX増資して株価がグーンと上がるのはマジ快感です。
『いたスト』での主な収入源は、マップを一周して得る「サラリー」や、相手が自分の店に止まることで得る「買い物料」の他に、この「株」の上昇がありました。相手の店のあるエリアの株を買うこともできるので、うまくいけば相手の増資だけで株価が上がり、自分では費用をかけず資産を増やせるのも『いたスト』の面白さでした。
拙者はよく、まだやったことのない人に『いたスト』を説明するときに、「『モノポリー』に株の要素がプラスされたゲームだよ」と言っていました。株の要素は、一度覚えてしまえば楽しいのですが、人によってはすぐに飲み込めず、大きなハードルになることもありましたね。そういうときは、「とりあえず最初は株は覚えなくてもいいからやってみ」と先にプレイを促し、徐々に理解させていきました。
ただ、株のことを考えなくてもプレイはできるけど、株をうまく使って勝つと気持ちいいんだよなあ。今回、久しぶりに初代『いたスト』のマップ、「アメリカ大陸」と「右半球」をプレイしたのでござるが、拙者が株での儲け額が圧倒的にトップで2戦とも優勝しました。エッヘン。
『いたスト』は個性的なキャラクター達によって、ひとりでも、友達とでも楽しめるボードゲームに仕上がっていた。さらに「株」という要素によって奥が深くなったゲーム性。次回はプレイを振り返って『いたスト』を分析、そして初代ファミコン版への思いを告白します。お楽しみに!
※次回掲載は2月14日(火)を予定しています。
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※2017年1月調べ |
注釈
- たかゆき(さたけ たかゆき)
20歳男性で大学生。赤ぶちのメガネで赤のジャケットを着こなすインテリ君というイメージでしょうか。「勝つためなら手段を選ばない」という性格であり、設定的には嫌われキャラっぽいプロフィール。ただ、趣味が「パソコン通信」とあるので、人とコミュニケーションをとることは嫌いではないのかも。 - けいこ(みずさわ けいこ)
21歳女性で職業はコンパニオン。各人プロフィールが設定されているのだが、けいこの場合は性格「目立ちたがりで派手好き」、趣味「ディスコで踊ること」。つまり「イケイケなワンレンボディコンのジュリアナ系(死語)」なのでしょう。人生楽しく過ごしていそうで羨ましい限りです。 - しょうた(さんぼんまつ しょうた)
13歳中学生の男の子。グリグリっとした目が特徴で、「ひょうきんもので軽はずみ」というのも納得の愛嬌がある顔立ち。きっとクラスでは人気者だろう。ただし、どちらかというと男子受けするタイプのはず。趣味は「切手集め」。切手収集って、昔みんなやってましたよね。 - 株
エリアごとに設定されており、銀行などで購入することができる。お店への増資などで変動するので、序盤の安いときにある程度買っておくのがセオリー。ただし、一度に買えるのはひとつのエリアの株のみで最大99株までとなっている。ファミコン版では株購入時に手数料も必要だったりします。 - 増資
自分が所有する店(マス)に止まった際にできる行動。増資で自分のお店にお金をつぎ込んで店を大きくすることができる。元々値段が高いお店ほど増資できる額は大きい。また、同一エリアに自分が所有するお店が多いほど増資できる額が大きくなる。 - MAX増資
『いたスト』では、一度に増資できる金額が999Gと決まっている。店を大きくできる上限も決まっていて、その上限は1エリアを独占するとさらに大きくなる。 - マップを一周(マーク)
マップを一周した証拠として、オリエンテーリングのチェックポイントのようなものがある。スペード・ハート・クローバー・ダイヤの4種類のマークがあり、それらのマークを揃えないと銀行からサラリーがもらえないので注意。
増田厚(ペンネーム:忍者増田)
茨城県生まれ。漫画『ゲームセンターあらし』や『マイコン電児ラン』の影響を受け、中学2年生のときにパソコンをいじり始める。東京の大学入学と同時に、パソコンゲーム誌『ログイン』にバイトとして採用され、6年間在籍。忍者装束を着て誌面に出る編集者として認知度が高まる。その後、家庭用ゲーム雑誌『週刊ファミ通』に3年在籍したあと、フリーライターとなる。現在はおもに、雑誌やWeb、攻略本などでゲームのレビュー記事や攻略記事を執筆しつつ、ゲーム以外のライティングも。得意なゲームは、『ポケモン』、『ウィザードリィ』、『サカつく』など。