ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち
日本のマイコン文化発展に大きく貢献した「PC-8001」と、ハイドライドなどが大ヒットした「T&E SOFT」
~永久保存版 80年代マイコン大百科~
2017年5月1日 00:00
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、懐かしのマイコンたち!!編から「NEC PC-8000シリーズ」と、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から「T&E SOFT」。
なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。
(編集部)
- 懐かしのマイコンたち!! -NEC「PC-8000シリーズ」- -
日本のマイコン文化発展に大きく貢献した名機
NECは、TK-80が起こしたマイコンブームに手応えを感じ、キットではなく完成品としてのマイコンを作ることを目指していた。そうして登場したのが、同社初の完成品パソコンPC-8001だ。
それまでは、マイクロコンピュータの略称で“マイコン”と呼ばれていた一連のハードを、8001では頭に“PC”と付けることでパーソナルコンピュータ・略称パソコンという愛称に変更することに成功する。ちなみに、国産初の筐体型パソコンは日立のベーシックマスターが先だ。
そんなPC-8001の後継機として発売されたのがPC-8001mkIIだが、中途半端なパワーアップだったため、位置づけとしては微妙なままフェードアウトしてしまう。筆者が最初に購入したパソコンがPC-8001mkIIだったのだが、PC-6001と比べると音はBEEP音のみ、グラフィックは他機種と比較すると肌色が酷いなど、当時は非常に悔しい思いをしたものだ。
そして、世の中がPC-8000シリーズからPC-8800シリーズへと移り変わった頃、最後のPC-8000シリーズとなるPC-8001mkIISRが登場する。FM音源を搭載し、グラフィック画面も320×200の8色を2画面重ね合わせられるモードを持つなど、PC-8001mkIIの存在を忘れるほどに機能強化されていた。スペック的にも非常にバランスの取れたハードだったが、市場の主流はPC-8800シリーズになっていたこともあり、それほど台数が出ないまま消えるという悲劇の最後を迎える。
- ボクたちを虜にしたソフトハウス 「T&E SOFT」編-
T&E SOFT-「スターアーサー伝説」シリーズと「ハイドライド」が大ヒット
創業者の兄・横山俊朗氏と弟の横山英二氏の名前から付けられたT&ESOFT。最初は『I/O』誌にプログラムリストを投稿し、そのパッケージを販売していた。初期はPC-6001向けのタイトルが多く、『ピラミッド』『リンシューター』などが挙げられる。翌1983年、『3Dゴルフシミュレーション』を発売。表示が遅かったものの、3Dでボールが飛んでいくリアルさが好評を博した。
同年、全3部作となる「スターアーサー伝説」シリーズ1作目『惑星メフィウス』が登場。同社としては初の本格派コマンド入力アドベンチャーゲームで、壮大なストーリーとフルカラーグラフィックが特徴だった。ちなみに、3部作すべてが発売されたのは、PC-6001mkII対応版とFM-7対応版のみ。PC-8800シリーズとX1シリーズが入っていないのは、ビッグタイトルにしては珍しかった。
このシリーズが発売された同社の人気が高まっていく中、1984年末に登場したのは『ハイドライド』。日本ファルコムの『ドラゴンスレイヤー』と発売日も近く、またRPGという同じジャンルでアリながら違う方向性を見せたタイトルということもあり、これ以後、RPG2大タイトルを生み出すクリエーターとして、“東の木屋・西の内藤”などというキャッチフレーズが雑誌に載ることも。
【お知らせ:レトロゲームイベントを5月4日に開催します】
レトロゲームのトークショー『レトロゲーム・リアルトーク#01』を5月4日(木・祝)に新橋のツクモデジタル.ライフ館にて開催します。入場は無料。
エメラルドドラゴンの木村明広氏のトークショーやログイン編集部OB会、そして“ゴチャキャラシリーズ”の呉ソフトウェア工房社長の呉英二氏と、テグザーの続編“ファイアーホーク”(ゲームアーツ、1989年)のプログラマである大畑和幸氏の対談、そして実機展示などを行います。イベントの詳細はこちらを参照のこと。
【お知らせ:レトロゲームイベントを5月4日に開催します】
レトロゲームのトークショー『レトロゲーム・リアルトーク#01』を5月4日(木・祝)に新橋のツクモデジタル.ライフ館にて開催します。入場は無料。
エメラルドドラゴンの木村明広氏のトークショーやログイン編集部OB会、そして“ゴチャキャラシリーズ”の呉ソフトウェア工房社長の呉英二氏と、テグザーの続編“ファイアーホーク”(ゲームアーツ、1989年)のプログラマである大畑和幸氏の対談、そして実機展示などを行います。イベントの詳細はこちらを参照のこと。