ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

“ボンドソフト”の名前を一躍有名にした名作「タイムシークレット」

パッケージは、MZ-700版はカセットテープケースとほぼ同じ大きさですが、PC-8001mkII版やPC-8801版、X1版などはA5サイズより一回り小さいビニールパッケージ入りとなっています。当時としても珍しい、パッケージを縦ではなく横位置で使用したイラストが描かれているのが印象的でした。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回紹介するのは1983年にボンドソフトから発売された「タイムシークレット」。アドベンチャーゲーム全盛期に登場した珠玉の名作です。

タイムシークレットは、1983年の8~9月にかけてリリースされたようです。最初にMZ-700版、次にPC-8801版が発売されました。最初から「連作」と付いていたり、サブタイトルに「第一話・ファラス星の危機」とあるなど、シリーズ化を打ち出していましたが……。なお、この時代のボンドソフトは、ゲームだけでなくビジネスソフトも発売していたのがわかります。

 1983年と言えば、アドベンチャーゲームが盛り上がりを見せていた時代ですが、その年に発売された名作が「タイムシークレット」です。この当時、各ソフトハウスが力を入れていたのがアドベンチャーゲームでしたが、脈絡のないコマンドを入力させたり難解な動詞を使うなど、単語探しで苦労させていたタイトルが多かった時期でもありました。

 そんな時代に発売された「タイムシークレット」は、壮大な物語に納得のいくストーリーと謎解き、ロールプレイング風味な戦闘シーンの採用、ストレスのない描画の早さなどが秀逸で、非常に良く出来たアドベンチャーゲームです。変に捻った単語しか受け付けない、ということもなく、素直にプレイ出来たのも良いポイントでした。

描画範囲は狭いですが、代わりに速度が非常に速いので、快適にプレイ出来ます。ただし、画面はPC-8001mkII版なので、色数や解像度が少ないため寂しく見えますが……。

 タイムマシンを利用して地球の各時代へとワープし、行く先々でヒントを探り、ダナーク星人の弱点を見つけるというのが大まかなストーリーですが、テープで提供されたゲームにもかかわらず、100画面を自由に行き来できるのも驚異です。

 なお、MZ-700版のみグラフィックが他機種と違いますが、初めて見たときは表現の上手さに、感嘆のため息しか出なかったほど感心した記憶があります。

敵が登場したときは、実力行使で排除します。このときは、プレイヤーと敵のヒットポイントが表示され、互いに攻撃するターン制のRPG風味で進行します。