ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

日本のパーソナルコンピュータ史に残る名機「NEC PC-8001」

クリーム色の筐体に納められたキーボード一体型のデザインが、高級感を醸し出していました。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、NECが1979年に発売し、パーソナルコンピュータを代表する1台となった「PC-8001」です。

なぜかPC-8001の広告は、今で言う所の中二病っぽいキャッチフレーズが多いです。しかし、それがマッチして格好良いと感じていました。

 1979年はまだ、ワンボードマイコンなどが数多く発売されていましたが、前年には日立が「ベーシックマスター」を、SHARPが「MZ-80K」をリリースし、少しずつマイコンが身近になって来たこの年に登場したのが、NECの「PC-8001」でした。

 クリーム色の筐体に納められた本体とキーボード、一般的なテレビのほか専用ディスプレイにも映し出せる機能、160×100ドットのセミグラフィック、そして168,000円という、当時の他機種と比べると若干割安な価格設定のおかげで、約3年間で25万台ほどの売上を記録したのでした。

本体とキーボードが一体となった、見栄えの良いデザインです。キーボードをよく見ると、Qキーの隣がESCキーとなっており、TABキーが見あたらないのが分かります。
背面には左から電源コード、電源スイッチ、リセットに続き、カセット、白黒・カラーモニタへの出力ポート、プリンタと外部バスへの接続端子が見えます。
中を開けると、キーボードの下にメインの基板が配置されています。電源部分を見ると、開発コードである「PCX-01」という文字も見られます。

 当時の雑誌を見返すと、PC-8001に割かれるページの割合もそれなりにあり、人気があったことがうかがえます。雑誌「I/O」では、PC-8001用のゲームを芸夢狂人さんや中村光一さんなどが投稿しており、その出来映えは当時としては非常に高いクオリティでした。

 それら面白いゲームを遊ぶには、長きにわたるマシン語ダンプリストを入力する苦痛が待っていましたが、今ならOCRソフトで簡単にできてしまうので、試してみてはいかがでしょうか?
 搭載していたN-BASICは、その後に発売された「PC-8001mkII」「PC-8001mkIISR」だけでなく、「PC-8801」シリーズにも内蔵されています。

当時の雑誌には、数多くのPC-8001用ゲームプログラムリストが掲載されていました。これは、あの中村光一さんが投稿した「スクランブル」です。