ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち
日本を代表するパソコン「PC-9801」シリーズの前期モデルと、高クオリティの移植度を実現した「マイコンソフト」
~永久保存版 80年代マイコン大百科~
2017年9月4日 00:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、懐かしのマイコンたち!!編から「NEC PC-9800シリーズ PART1」と、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から「マイコンソフト」。
なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。
- 懐かしのマイコンたち!! NEC「PC-9800シリーズ PART1」 -
ホビー用途として大ヒット! 機種も数多く発売される
1981年にPC-8801が発売された翌年、CPUに16ビットを採用し、ハードウェア面ではPC-8800シリーズやPC-8000シリーズと似た構成を採用した新機種・PC-9801を登場させた。ここに1997年までの15年間に及ぶ、PC-9800シリーズの歴史が幕を開ける。なお、PC-98XLなどの機種は除いた解説文となっていることをご了承頂きたい。
翌83年にはPC-9801からスペックアップし、クロック8MHzのCPUとJIS第1水準の漢字ROM、5インチ2DDドライブを標準搭載したPC-9801Fシリーズが登場。同時期にはPC-9801Fから内蔵ドライブと漢字ROMを省いたとも言えるPC-9801Eを、215,000円という攻めの価格でリリースしている。(※1)
そして1985年、CPUにV30を採用し、シリーズ初の3.5インチ2DDを内蔵のPC-9801U2が誕生。
ただし、搭載したVRAMの容量からグラフィックが1画面しか持っていなかったが、これは86年に出荷されたPC-9801UV2にて改善されることに。
しかも、PC-9801UV2はシリーズ初のサウンドボードを搭載した機種であり、NECが3.5インチモデルをホビーユースと位置づけていることをアピールしていた。
なお、1985年には5インチ2DDを搭載したPC-9801VFシリーズと、5インチ2HDを搭載したPC-9801VMシリーズも登場している。特にVMシリーズは、CPUがV30でアナログ2画面、さらには2HDドライブを内蔵するという、以降のPC-98シリーズの標準的な構成を確立。以後ほとんどのソフトが「VM/UV以降に対応」と表記することとなる。
(※1) 記事初出時、本文に一部誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
- ボクたちを虜にしたソフトハウス編 マイコンソフト -
“信頼の電波移植”と言われた、高クオリティの移植度を実現
電波新聞社のソフトウェア開発室を前身として誕生。
ナムコのタイトルを発売するまでは、『三次元カーレース』『三次元ゴルフ』『ぽんこつ船サバイバル』などのオリジナルソフトを作っていた。
1983年、『ギャラクシアン』『パックマン』『ディグダグ』などを皮切りに、次々とナムコのアーケードゲームタイトルを移植していく。その移植度は非常に高く、また機種ごとの特性を活かした作りになっており、ユーザからの評判も高かった。
特に、全機種に先駆けて発売されたPC-6001対応版『タイニーゼビウス』は、ハードの限界を超えた完成度で驚きを持って迎えられている。
ほかにも完成度が高かったX1版・MZ-2500版・X68000版『ゼビウス』や、キャラクターしか表示できないことを逆手に取り、文字で盗品を表したMZ-700版『MAPPY』などもあった(PCGを使えば、かわいらしいキャラクター表示ができた)。
以後、ナムコのゲームにくわえてオリジナルタイトル『デーモン・クリスタル』を作ったり、使いやすいオリジナルジョイスティックの製作・販売も行っている。ちなみに、キャッチコピーも何度か変わり、「夢中! 熱中! 本物のおもしろさ」「遊気凛凛」「興味深新」などが使われた。