パワレポ連動企画

電源の出力表の見方や消費電力を知る方法など、“電源のギモン” 3点を解決

【パワレポ連動:解決策はココにあり! 自作のギモン大究明(12)】

DOS/V POWER REPORT 2016年12月号

 このコーナーではこだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT 2016年12月号」の総力特集「解決策はココにあり! 自作のギモン大究明」の内容を一部抜粋して掲載する。

 最終回となる今回は、「電源のギモン」編。PCの消費電力を知る方法や出力表の見方、出力の選び方の目安についての回答を紹介する。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年12月号は全国書店、ネット通販にて10月28日(金)に発売。特別企画は、あなたのPCに煌めくイルミネーションを「基本パーツ&便利アイテムで大変身!! 光の演出で自作マシンを鮮やかに飾る」、キャリアから解き放たれたあなたは自由「ポケモンGOも、VRアプリも楽しみたい! 今すぐ買える最新SIMフリースマホ20選」、出張の多いサラリーマンは知っておきたい「PCマニアのあなたも便利に使えます ネットプリント&コンビニプリント 知っておきたい基礎知識」を掲載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録小冊子は、聞こえれば良いとは言うけれど、どうせならいい音で聴きたい「サウンドカード、ハイレゾ対応USB DAC、ゲーマー必携のヘッドセットなど盛りだくさん!! サウンドデバイス大全 2016」。


-解決策はココにあり! 自作のギモン大究明-
PCの消費電力を確認したい/出力表はどこを見る?/出力を選ぶ目安は?


電源のギモン

 電源は、機能はシンプルだが、PCの安定性に大きくかかわる重要なパーツだ。また、電力を供給するパーツなので、間違った使い方はほかのパーツの故障にもつながる。

 正しい選び方や使い方を一つ一つ確認していこう。


Q.PCの消費電力を確認する方法はありますか?

A.市販の電力計を使いましよう

 PCの消費電力は、電力計を使うことで計測できます。電力計は、昨今のエコブームに乗って各社から手頃な価格で登場しており、壁コンセントとPCの電源ケーブルの間に設置することで、内蔵ディスプレイで消費電力を確認できます。

 高機能な電力計であれば、PCやスマートホンとの連係機能なども備えています。目視が難しい環境で利用する際はここをポイントにしましょう。ログ機能については測定値の記録間隔が1~10分程度取られていることが多いのですが、PCの負荷は短時間で大きく変動するため、この間隔ではピークが測定できない可能性がある点には注意が必要です。このほか、電力計には消費電力以外にも、電気代やCO2排出量を計算したり、使用時間や使用電力が分かる積算時間、積算電力量、積算電気代を測ったりする機能が搭載されているものもあります。上手に活用してPC自作に役立てましょう。

 ちなみに、一部のハイエンド電源では、デジタル回路を搭載しソフトウェアから電源を制御できるものがあります。そうした製品では、電源とPCを専用ケーブルで接続し、ユーティリティから消費電力のほか電源内部の温度や電源ファンの回転数、さらには変換効率や電気代などをリアルタイムに確認することが可能です。

PCの消費電力は市販の電力計で計測できる
サンワサプライ
ワットモニター(2P・1個口・ホワイト)TAP-TST8N
実売価格:3,500円前後

コンセント直結、1口の電力計。消費電力に加え、積算電力量や積算電気代、積算時間、CO2排出量の5種類の情報を、大型画面に同時に二つ表示可能だ
消費電力のほかにも電気代など5種類の情報を表示

【そのほかの製品】

朝日電器
ELPA 簡易型電力量表示器 エコキーパー EC-03EB
実売価格:3,000円前後

本体にスイッチを搭載し、接続した機器のON/OFFもできる電力計。上記の5種類の情報に加え、1時間あたりの電気料金を計算する機能も備えている

サンワサプライ
ワットモニターUSB(2P・1個口・ホワイト)TAP-TST10
実売価格:10,000円前後

本体ディスプレイに表示できる情報などはTAP-TST8Nに準じているが、microUSB端子を備え、PC上から各種の情報を閲覧することができる。また、ログの取得も可能

ラトックシステム
Bluetoothワットチェッカー REX-BTWATTCH1
実売価格:7,000円前後

Bluetoothに対応しており、PCやスマートホンとも連係することが可能なほか、ログ機能も備えている。表示できる情報は、上記の5種類に、電圧や電流を加えた7項目


Q.電源の出力表のどこに注目したらいいですか?

A.+12Vのレール数や最大電流量をチェック

 電源ユニットに書かれている出力表には、3.3/5/12V各系統の最大電流量(A)が記載されています。+12Vが何系統あるのか、それぞれ何Wまでの出力が可能なのかが把握できます。注目したいのはまず+12Vが何系統あるのかです。+12Vが一つのものはシングルレール、+12V1、+12V2……と複数あるものはマルチレールです。現在のトレンドはシングルレールで、ビデオカードを複数枚搭載する場合でも、何も考えずに1系統にすべてを接続できます。一方でマルチレールの場合は、各+12V系統の最大電力量内に配分する必要があります。そうした手間はかかりますが、たとえば負荷が大きく変動する場合でも別系統に影響がおよばず、安定した電力供給ができるといったメリットがあります。

 なお、各系統の最大出力を合計していくと、電源本体の定格出力と異なる場合があります。全体としては定格出力が550Wなのに、+3.3/5Vが合計100W、これとは別に+12Vが504Wといった具合です。各系統で出力をシェアしている際に生じますが、あくまでも出力の上限は合計550Wです。

出力表の読み方
3.3/5/12Vの最大出力と、出力のシェア、+12Vのレール数に注意

Q.出力を選ぶ目安は?

A.高負荷時のシステム全体の消費電力の2倍がキホン

 電源の出力は、システム全体の消費電力の2倍を選ぶというのがセオリーです。実際にはかなり余裕のある値ですが、負荷率が50%のときに変換効率がもっともよいことや、将来のアップグレードを見越して、余裕を見るのがベターとされています。

 また、消費電力を見積もる際には、CPUやビデオカード上のGPUなどで公表される「TDP」が目安となるほか、ビデオカードによっては、システムの要求出力という形で出力の目安が記載されている場合があります。

主なビデオカードを搭載したPCの消費電力と電源の適正出力
400W以下の電源は選択肢が少ないので、実際の製品選択では450~500Wクラスを選ぶのがよい

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:MSI Z170A XPOWER GAMING TITANIUM EDITION(Intel Z170)
メモリ:CFD販売 CFD Panram Ninja-V DDR4 W4U2400PSN-4G(PC4-19200 DDR4 SDRAM 4GB×2)
ビデオカード:MSI GeForce GTX 1060 GAMING X 6G(NVIDIA GeForce GTX 1060)、MSI GeForce GTX 1070 GAMING X 8G(NVIDIA GeForce GTX 1070)、MSI GeForce GTX 1080 GAMING X 8G(NVIDIA GeForce GTX 1080)
SSD:Micron Crucial BX200 CT480BX200SSD1(Serial ATA 3.0、TLC、480GB)
電源:Corsair RMx Series RM650x(80PLUS Gold、650W)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
高負荷時:3DMark- Fire Strike実行中の最大値
電力計:Electronic Educational Devices Watt's Up? PRO


【問い合わせ先】

サンワサプライ:03-5763-0011/086-223-3311 /http://www.sanwa.co.jp/
朝日電器:042-473-0159/072-871-1166 /http://www.elpa.co.jp/
ラトックシステム:03-5207-6410/06-6633-0190 /http://www.ratocsystems.com/


[Text by 石川 ひさよし]


DOS/V POWER REPORT 2016年12月号は10月28日(金)発売】

★総力特集「解決策はココにあり! 自作のギモン大究明」
★特別企画「基本パーツ&便利アイテムで大変身!! 光の演出で自作マシンを鮮やかに飾る」「ポケモンGOも、VRアプリも楽しみたい! 今すぐ買える最新SIMフリースマホ20選」「PCマニアのあなたも便利に使えます ネットプリント&コンビニプリント 知っておきたい基礎知識」
★連載「最新自作計画 ~静かでハイパワーの本格ゲームマシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録小冊子「サウンドカード、ハイレゾ対応USB DAC、ゲーマー必携のヘッドセットなど盛りだくさん!! サウンドデバイス大全 2016」(雑誌のみ別途付録、電子版は巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-10-22-0000.php

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