パワレポ連動企画

SSDの"安さ"と"速さ"は次の段階へ

【SSDの買い方指南(1)】

DOS/V POWER REPORT 10月号

 このコーナーでは、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌10月号の特集記事「損しないSSDの買い方」をほぼまるごと掲載する。

 今号では、昨今のSSD事情を徹底解説。主要SSD 18製品の性能をベンチマークで比較した後に最新モデルの基本をおさらいし、SSDの使いこなし術やSSD導入時の悩みを解決していく。

 第一回目の今回は、“安さ”と“速さ”の観点からSSDの現状を解説する。

 なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 10月号は絶賛発売中。10月号では今回の特集のほか、売れ筋電源12モデルを比較・検証する「電源オールスターバトル」や、ドライブベイ用お役立ちアイテム 20選、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事が載っている。また、最新&定番のビデオカードを掲載した「最新&定番ビデオカード 140」が小冊子として付いてくるなど、盛りだくさんの内容だ。


- DOS/V POWER REPORT 2014年10月号 Special Edition -


SSDの“安さ”と“速さ”は次の段階へ

Micron Crucial MX100とSAMSUNG 840 EVOが安さで人気爆発

 250GBクラスと500GBクラスのSSDが、急激に安くなった。低価格化の起爆剤になったのは、6月に発売されたMicron TechnologyのCrucial MX100である。

 Crucial MX100は、それまでプライスリーダーとして市場を牽引してきたSamsung Electronics 840 EVOと比較して、256GBモデルが実売価格で2,000円ほど安価な1万3,000円前後、512GBモデルにいたっては3,000円近く安い2万3,000円前後という破格の値付けで登場。瞬く間に大ヒットを記録した。これを受けて、各社のSSDも低価格化が進行している。

現在、SSDのプライスリーダーとなっているMicron Crucai MX100とSamsung 840 EVO

 とくに7月に入ってからは、ほぼすべてのメーカーのSSDの実売価格が下がり、2014年春の水準と比べて、250GBクラスで最大5,000円前後、500GBクラスで最大8,000円前後安くなったものもある。Silicon-PowerComputer & CommunicationsのSlim S55/S60シリーズやTranscend InformationのSSD 370シリーズのように、Crucial MX100に迫る価格を実現した製品も登場している。

 また、少し前まで羨望の的だった500GBクラスが、低価格が進んだことで一気に身近な存在なったことにも注目したい。特売などでは2万円以下で購入できることもある。500GBクラスの大容量SSDが、少し前の250GBクラスの価格で購入できるようになったことを考えると、SSDの価格は明らかに次の段階に進んでいると言ってよいだろう。

低価格SSD 500/250GBクラスの平均価格推移
実売3万円以下の500GBクラスモデル

最新コントローラはマルチコアで小容量でも速い

Indilinx Barefoot3 M10 - OCZオリジナルの自社開発コントローラ

Indilinx Barefoot3 M10

 Serial ATAのインターフェース制御とNANDメモリの制御に別々のコアを割り当てるデュアルコア構成の高性能コントローラ。ARM Cortex-A9をCPUコアに採用し、400MHz駆動で利用することで、高い処理能力を実現している。

Intel PC29AS21CA0 - Intel純正のエンタープライズ向け

Intel PC29AS21CA0

 Intelが自社開発したSerial ATA 3.0対応のコントローラ。同社のエンタープライズ向けの製品でも採用されており、信頼性の高さが特徴だ。コンシューマ向けのSSD730では、通常400MHz動作のところを600MHzで利用している。

LSI SandForce SF-228x - 3年以上第一線で活躍するロングセラーモデル

LSI SandForce SF-228x

 リビジョンを重ね、登場から3年以上が経過してもなお現役で活躍を続けているロングセラーモデル。最新リビジョンでは、省電力機能「Device Sleep」(DEVSLP)にも対応。データ圧縮機能を搭載している点が特徴。

Marvell 88SS918x - サーバーグレードをうたう高性能コントローラ

Marvell 88SS918x

 Serial ATA接続用、PCI Express接続用などさまざまな製品を展開しているコントローラ。制御用のCPUは、ARMベースの自社開発のデュアルコアを採用する。サーバー向けとしても利用できる信頼性の高さが特徴だ。

PHISON PS3108-S8-I - バリューモデルで採用、増加中のロングセラーモデル

PHISON PS3108-S8-I

 登場から2年以上が経過しているロングセラーモデル。これまでは採用製品が少なかったが、ここに来てバリューモデルで採用が急増。8チャンネル接続のスタンダードな製品で、最大1TBモデルの設計をサポートしている。

Samsung S4LN045X01-8030 - トリプルコアを採用したSamsungオリジナル

Samsung S4LN045X01-8030

 Serial ATAの制御用に一つのコアを割り当て、NANDメモリの制御用に二つのコアを割り当てるトリプルコアを採用した高性能コントローラ。CPUコアは、ARM Cortex-R4ベースで、処理能力の高さは現役トップクラスだ。

Silicon Motion SM2246EN - 4チャンネル接続のバリューモデル向け

Silicon Motion SM2246EN

 産業用SSD向けとして定評があるSilocon Motion製コントローラ。物理チャンネルは、4チャンネルと少なめだが、最大32並列アクセスをサポートし、最新の1y/1z世代のMLC/TLCのNANDメモリに対応する。

東芝 TC358790XBG - 自社技術を盛り込んだMarvellとの協業製品

東芝 TC358790XBG

 設計自体はMarvellが担当しているが、東芝の要望を数多く盛り込んだ事実上の東芝自社コントローラ。擬似SLCモードを積極的に活用するのが特徴で、同社のエンタープライズ向けのSSDの一部でも採用されている。

【NANDメモリの現在】

 現在のNANDメモリは、19nm前後のプロセスから1y/1z世代と呼ばれる16nm前後のプロセスへと移行中だ。この世代は、MLCチップのダイあたりの容量が19nmの64Gbitから128Gbitへと増加する。これによってさらなる低価格化が見込まれている。

 また、Samsung Electronicsは、3D構造を採用した次世代NANDメモリ「V-NAND」を量産中だ。V-NANDは、現状高価だが、最大書き換え回数が1桁増え、書き込み速度も高速化されるというメリットがある。

[Text by 北川達也]


DOS/V POWER REPORT 10月号は8月29日(金)発売】

★巻頭特集「損しないSSDの買い方」はもちろん、売れ筋電源を計12モデル比較する「電源オールスターバトル」、ドライブ用お役立ちアイテム 20選、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事を掲載

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能

★ 紙版は小冊子「最新&定番ビデオカード 140」付き

★ 電子版は割安な税別926円、一部ショップでは税別700円の期間限定セールが8月29日(金)より実施

★ 電子版では小冊子の電子版も完全収録

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(AKIBA PC Hotline!編集部)