パワレポ連動企画

自作マニアは音で分かる? この音がしたらココを疑え!

【保存版 自作PC「トラブル」の原因と対策(11)】

DOS/V POWER REPORT 2015年7月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年7月号」の第一特集「“動かない・不安定・遅くなった”を解消せよ!保存版 自作PC トラブルの原因と対策」を掲載する。

 第11回目の今回は、PCから発生する「音」でトラブルを判別できる、という事例を紹介。最近のPCは静音化しているため異音が発生するとかなりわかりやすくなった反面、トラブルが発生しても音がしない機器も増えてきた。なかなか判断が難しいものもあるが、とりあえず普段とは違う音がしている場合は内部を確認しよう。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年7月号は全国書店、ネット通販にて5月29日(金)に発売。自作トラブル解決に必見の第一特集のほか、OSはSSDだけど、データ入れるならやっぱりこちら!異なる用途に最適な選択をアドバイスする第二特集「目的でキメる最新HDD」、0.1しか違わないのに2倍以上速い最新インターフェースを搭載!「USB 3.1対応マザーボード全員集合」、HDMIに挿すだけでテレビがパソコンに早変わり!「テレビ1台あればいい! 今知りたいスティックPC」、自分の健康にも投資するべき!の第二弾は財布にも優しいアイテム大集合!「PC疲れが楽になるお手軽健康グッズ29」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、パーツ選びから動作中のトラブルまで、PC自作にまつわる「?」を一冊にまとめた「PC自作Q&A事典 2015」。CPUスペックの見方から、どこでパーツを買えばいいのか分からない、といった疑問にも困ったにも対応します!


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自作マニアは音で分かる?
この音がしたらココを疑え!

まずは動作音の発生源と種類を確認

PC全体が省電力、低発熱化した結果、動作音の発生源となるパーツの静音化も進み、正常な動作音と異音を聞き分けやすくなった

 一般的なパーツ構成のPCであれば、動作音の主な発生源は、CPUクーラーやケース、電源ユニットなどに搭載された冷却ファンと、HDDや光学ドライブ、水冷クーラーのポンプに搭載されているモーター、そして基板上に搭載された電子部品といったところ。これらのパーツからいつもと違う音が聞こえてきたら要注意。異音を発しているパーツが正常時とは異なる状態で動作しているサインだ。その原因はパーツの故障、設定ミスなどさまざま。ここではトラブルと関連のある異音と、その対処法をまとめてみた。


何かをこすっているような音がする

ケースを開けるとケーブルの位置が変わり、ファンと触れる箇所が分からなくなることがある。ケーブルがファンに触れないようにしっかりまとめよう

対処法
 PC内部のケーブルが、ケースファンやCPUクーラーのファンに接触していると発生する。放置するとケーブルの断線など故障の原因となるので、ファンに接触しているケーブルを特定し、接触しないように配線し直したり、ケーブルバンドなどで固定したりする。


ケースが振動して不快な音が発生

振動音(ビビリ音)は、パネルが正しくかみ合っていなかったり、パーツがしっかり固定されていなかったりすると発生しやすい

対処法
 ケースをしっかり閉じていなかったり、ファンやHDDなどとケースが共振したりすると発生する。とくに剛性の低いPCケースで起きやすい。ケースのパネルがしっかりかみ合っているか、パーツ固定のネジが緩んでいないかを確認。制振シートを貼ったりすると収まることもある。


HDDのシーク音が煩わしい

HDDを静音化するケースに入れることでシーク音を緩和することができる。写真はサイズ 氷室(実売価格:2,000円前後)

対処法
 PC全体の静音性が高まることで、HDDにデータを読み書きするときに発生する「シーク音」が相対的に目立ってしまうことがある。その場合はHDD静音ケースを使って音を封じ込めるか、外付けケースを使って音が気にならない距離まで移動させる。


HDDから異音がする

基本的にはHDDの故障で発生。大事なデータは常にバックアップを取っておこう

対処法
 この音がした時点でデータの読み出しができなくなっている可能性が高いが、読み出せるならすぐに別のデバイスにデータを退避させよう。読み出せない場合、個人レベルでデータを救出することは難しい。いずれにしてもHDDは交換が必須。


ファンが以前よりもうるさくなった

パーツにホコリがたまることで冷却性能が低下し、ファンが高回転になってしまうことがある。1年に1回は清掃しよう

対処法
 ファンからガリガリと異音がするなら、ファンの故障。以前より風切り音がうるさくなったと感じる場合は、冷却能力不足によるファン回転数の上昇が考えられる。ケースファンが停止していないか、各パーツが異常発熱していないかを確認。


高周波の耳障りな音が聞こえてくる

写真上にある黒色で四角い部品がチョークコイル。ビデオカードならフレームレートを制限することで抑えられることがある

対処法
 マザーボードやビデオカード、電源ユニットなどに搭載された「チョークコイル」の振動が原因。最近はとくに高性能ビデオカードで、高フレームレートでゲームをプレイしているときに起こりやすい。故障などにつながるものではないが、対策は難しい。


光学ドライブから大きな回転音が

偏芯したディスクが回転することで、大きな回転音が発生することがある

対処法
 偏芯したディスクを使うと起こることがある。ディスク側の問題なので、データが読み出せるのであれば一時的にガマンして使おう。


普段していた音がしなくなった

どのパーツから音がしなくなったのかを突き止める。パーツ破損の可能性が高いので対処は迅速に行なおう

対処法
 各パーツのファンが動作しているかを、必ず目視で確認。まずはファンやHDDの電源コネクタが抜けていないか確認する。電源が入っていて動かないファンは故障の可能性が高いので交換する。HDDはUEFIやWindows上で正しく認識できているか確認しよう。


音と言えば……音質をウリにしたマザーなのに音が悪い気がする

ASUSTeK MAXIMUS Ⅶ HEROなどに搭載されている高音質オーディオ「SupremeFX」は、フロント側のみ高音質で出力される

 トラブルにつながる音とは無関係だが、音つながりということでネタを一つ。

 最近は音質にもこだわったマザーボードが登場しているが、実際にヘッドホンをつなげてみたら思ったほど音質がよくないような?といった声を聞くことがある。

 これは、接続しているコネクタが間違っていることが原因かもしれない。マザーボードによっては、リアもしくはフロントパネル側の音声出力コネクタのみ高音質回路に接続されている製品がある。この場合、それ以外のコネクタにヘッドホンをつないでも高音質化の恩恵を受けられないのだ。

 高音質な出力に期待するなら、使いやすい場所にあるからと言って接続するコネクタを安易に決めず、マニュアルなどで高音質な音声出力コネクタを確認してから接続しよう。


[Text by 目黒廣道]


DOS/V POWER REPORT 2015年7月号は2015年5月29日(金)発売】

★第1特集「保存版 自作PCトラブルの原因と対策」
★第2特集「目的でキメる最新HDD」
★特別企画「USB 3.1対応マザーボード全員集合」「今知りたいスティックPC」「PC疲れが楽になるお手軽健康グッズ29」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 特別付録小冊子「疑問にも困ったにも対応します! PC自作Q&A事典 2015」(紙版のみ別途付録、電子版では本誌末尾に収録)
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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(AKIBA PC Hotline!編集部)