パワレポ連動企画
最新のメモリ事情 ~メモリ再入門~
【自作PC再入門(11)】
(2016/4/4 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年5月号」の総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」を掲載する。
第11回目ではSkylakeの登場により世代交代が起こったメモリについて解説する。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年5月号は全国書店、ネット通販にて3月29日(火)に発売。総力特集のほか、コストパフォーマンスに優れたCPUクーラー定番のブランドを比較「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」、ここの予算を抑えて別のパーツに回したいのが人情「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」、サービス内容を確認して用途に合ったものを選ぼう「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は2大小冊子。そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!!「即戦力・自作PC作例集」と便利な資料、豆知識、自作カレンダーなどをいつも手元に「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」だ。
-もう一度、PCをイチから作る。-
メモリ流用の可否はCPUに大きく依存~メモリ再入門~
速度と容量のバランスがキモ
メモリ流用の可否はCPUに大きく依存
メモリ再入門 Skylakeの登場を機にメモリ市場の覇権はDDR4へ
現行のメモリは大きく分けるとDDR4とDDR3がある。最新のSkylake世代のCPUは、DDR4とDDR3L(DDR3の低電圧版)をサポートするが、ミドルレンジ以上のマザーボードはほぼDDR4のみの対応だ。DDR4の需要が高まって流通量も増え、メモリ市場の主役はDDR4へ移った。現在ではDDR4のほうが安くなっており、Skylakeに合わせて新たに購入するならば、DDR4以外を選ぶ理由はないだろう。ただし、低価格帯ではDDR3/DDR3Lが使えるマザーボードも多く、まだDDR3もまだ活躍の場がある。
ちなみに、DDR3が主流になったのは2010年頃であり、それ以前のDDR2はさすがに現在では出番がない。
最新パーツは旧パーツとココが違う!
メモリの標準仕様はJEDECという組織で決められている。この10年の間に規格はDDR2からDDR3に、そしてDDR4へと移り変わった。それぞれの中でも複数の速度(転送レート)のグレードが存在し、途中から標準仕様に追加されることがある。規格を変更するのは、データをより高速に転送できるよう仕組を大きく改良しているためで、現在の主力であるDDR4-2133は、DDR2最高のDDR2-800に比べてデータ転送レート、帯域ともに約2.7倍に向上している。新しい規格ほど駆動電圧も下がっているが、転送レートが高速になれば相対的に消費電力も上がり、省電力効果という点は期待薄である。
DDR2/DDR3/DDR4の間には互換性がなく、DDR3のスロットにDDR4のモジュールを挿したり、その逆ができないようにモジュールとスロットの切り欠きの位置を変えている。
メモリ容量のスタンダードは8GB
PCのシステムでは、2枚のメモリに同時アクセスして転送速度を高速化するデュアルチャンネルに対応しているため、モジュールを2枚1組で利用することが基本だ。10年前のIntel CPUではチップセットに内蔵されていたメモリコントローラは、現在はCPUに内蔵されている。
モジュール1枚あたりの容量トレンドはメモリチップの製造技術やモジュール価格が反映される。DDR2では2GB、DDR3では4GBが主流。DDR4では現状でも4GBより8GBのほうが割安感があり、今後8GBが主流になりそうだ。一方、性能面から見ると一般用途では8GB(4GB×2)あれば十分で、それ以上は使い方しだいと言える。
【PCMark 8実行時の検証環境】
CPU:Intel Core i5-4690(3.5GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z97-A/USB 3.1(Intel Z97)
メモリ:Corsair Dominator CMP16GX3M2A1600C10(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2)、Corsair Vengeance CMZ16GX3M4A1600C10(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×4 ※2枚のみ使用)、Corsair Dominator CMP4GX3M2A1600C8(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×2)、Kingston KHX1600D3K3/3GX(PC3-12800 DDR3 SDRAM 1GB×3 ※2枚のみ使用)
グラフィックス機能:Core i5-4690内蔵(Intel HD Graphics 4600)
SSD:Micron Crucial BX100 CT250BX100SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、250GB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
メモリが高速だと内蔵グラフィックス性能に有利
一般的にCPU内蔵GPUは専用のビデオメモリを持っておらず、メインメモリをフレームバッファとして利用するためメインメモリの性能がグラフィックス性能に影響する。GPU自体が高速であればあるほど影響は大きい。
とくに、シングルチャンネルアクセスでは性能が大きくスポイルされる。
【3DMark実行時の検証環境】
CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASRock B150M Combo-G(Intel B150)、ASRock Fatal1ty Z170 GamingITX/ac(IntelZ170)、ASUSTeK Z97-A/USB 3.1(Intel Z97)
メモリ:CFD 販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-8G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、CFD 販売 CFD Panram W4U2133PS-8G(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×1 ※1枚のみ使用)、Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×2 ※2枚のみ使用)、CFD販売 CFD Panram PUD43000C154G4NJW(PC4-24000 DDR4 SDRAM 4GB×2 ※2枚のみ使用)
SSD:Samsung 840 PRO MZ-7PD256B/IT(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
高速メモリはUEFIで設定して性能を出す
メモリ市場には、JEDECの仕様に準拠した定格メモリのほかに、メモリチップを独自にオーバークロック(OC)利用することで高速動作を実現したXMP(eXtreme Memory Profile)対応のOCメモリも多数ある。
こうしたXMPメモリの性能を正しく発揮させるためには、マザーボードのUEFIセットアップで「XMPプロファイルのロード」を行なう必要がある。プロファイルには、メモリのクロックや動作電圧、レイテンシ情報などがまとめて記録されている。メモリによっては複数のプロファイルを持っており、複数の設定で使えるものがある。
【Sandra 2016の検証環境】
CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASRock Fatal1ty Z170 Gaming-ITX/ac(Intel Z170)
メモリ:CFD販売 CFD Panram PUD43000C154G4NJW(PC4-24000 DDR4 SDRAM 8GB×4 ※2枚のみ使用)
SSD:Samsung 840 PRO MZ-7PD256B/IT(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
[Text by 鈴木雅暢]
【DOS/V POWER REPORT 2016年5月号は3月29日(火)発売】
★総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」
★特別企画「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」
★連載「最新自作計画 ~ガラスとLEDで“内部を見せる”マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!! 即戦力・自作PC作例集」「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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