パワレポ連動企画

ゲーミングマザー対決その1 ~Z170搭載ハイエンド/アッパーミドル編

【PCパーツ無差別級対決(10)】

DOS/V POWER REPORT 2016年6月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年6月号」の総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」を掲載する。

 現在の市場では各メーカーのゲーミングモデルが幅広くラインナップされており、高額なハイエンドから他のマザーボードと変わらない低価格なものまで多くのモデルが販売されている。第10回目からは価格の違いでどの程度の機能差があるのかを比較する。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(木)に発売。総力特集のほか、ARMプロセッサを搭載した電子基板をノートPCへ!「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」、PCに足りない機能をガチャンと追加「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」」、使いやすさは健康にも影響する「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録小冊子は新旧のインターフェース規格を解説した「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」。懐かしいものから現在主流の規格、マザーボードには搭載されているのにデバイスが登場しないものまで一挙掲載だ。


-PCパーツ無差別級対決-
ゲーミングマザー対決 part1 MSI Z170A GAMING M9 ACK / ASUSTeK Z170 PRO GAMING~マザーボード編 その5~


第2部
マザーボード編

 マザーボード編では、グレードの違うZ170とH170マザー対決、主要4メーカーの小型マザーボード対決、ゲーミングマザーボード対決を決行。もっともあなたのメガネにかなうものはどれだろうか。

Part3 リアルゲーマーが斬る! ゲーミングマザー対決

この対決の見どころ リアルゲーマーへの最適解はどれか?

■Z170搭載ハイエンドモデル代表 MSI Z170A GAMING M9 ACK

■Z170搭載アッパーミドルモデル代表 ASUSTeK Z170 PRO GAMING

■H170搭載ミドルレンジモデル代表 ASRock Fatal1ty H170 Performance

■B150搭載ローエンドモデル代表 GIGA-BYTE G1.Sniper B7(rev.1.0)

 現在、ゲーミング対応をうたうマザーボードは高価なものから低価格のものまで多種多様の製品が発売されている。

 ここでは、ハイエンドからローエンドまで、さらに各社の特徴が出ている製品を集め、リアルゲーマーの視点で評価を行なう。

リアルゲーマーが斬る! ゲーミングマザー対決 その1
メーカーのこだわりをすべて解き明かせるか?

Micro-Star International
Z170A GAMING M9 ACK

実売価格:52,000円前後

Specification
●フォームファクター:ATX●CPUソケット:LGA1151●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●チップセット:Intel Z170●メモリスロット:PC4-28800 DDR4 SDRAM×4(最大64GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCI-E 3.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 3.0 x1×3●主なインターフェース:M.2(PCI-E 3.0 x4接続またはSATA 3.0接続)×2、SATA Express×2、SATA 3.0×2、USB 3.1(Type-A)×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0×6、USB 2.0×5● LAN:1000BASE-T×1、無線LAN(IEEE802.11a/ac/b/g/n)●そのほか:Bluetooth v4.1
※PCI-E= PCI Express、SATA=Serial ATA、USBポートの数はピンヘッダ含む、USBコネクタ形状を明記していないものはType-Aまたはピンヘッダ、SATA Express×1はSerial ATA×2としても使用可能

OC機能や光りモノだけがハイエンドの条件にあらず

スタジオ級の音質を実現
D/Aコンバータとヘッドホン用DACにはESS製のチップを採用。周辺のチップや部材もハイエンド機らしい豪華な構成だ

 “Killer Doubleshot Pro”対応の有線&無線LANと、スタジオ級音質のサウンド機能を備えたハイエンドマザーだ。ゲームに無線は害悪と嫌うユーザーも多いが、本製品ではゲームは有線で遊びつつ、動画配信やダウンロードなどは無線に振り分けることで帯域を食い合わないよう配慮している。ゲームも動画配信の時代では、ネットワークに強くてこそ真のハイエンドと言える。もちろん、ダイヤル選択で5GHz(Core i7-6700Kの場合)まで挑戦できる簡易OC機能やVRMの水冷対応など従来のハイエンド機らしい要素もある。

 さらに3スロット厚のビデオカードでSLI構成にする場合でも、1スロット分の空きができるようPCH直結のx16(x4接続)スロットを中段に配置するなど細部にいたるまでこだわりのかたまり。CPUより高い価格がネックだが、こだわりの意味を一つ一つ検証しながら組むだけで十分楽しめる。(加藤勝明)

ビデオカードもMSIで固めておくとお得!
簡易OCツール「Gaming App」ではCPUの簡易OCができるが、同社製のビデオカードがあるとGPUも同時にOCされる。MSIで全部固めるとなにかと便利なのだ
ゲームに特化した有線LAN
有線LANの中核は「Killer E2400」(左)だが、さらに通信安定性向上とサージ保護も兼ねる独自チップ「KILLER SHIELD」(右)も搭載する
有線と無線を同時利用
ゲームとそれ以外の通信を分ける
802.11acにも対応した無線LANモジュールも搭載。ゲームに無線はNGでは?と思うかもしれないが、有線と無線の同時使用を想定したもの
「Killer Network Manager」で最優先にした通信が有線LANで、優先度を下げると無線で通信するようになる。気休め程度だがあると有利な機能だ

【編集部の判定】

 ゲーミングマザー流行のきっかけを作ったメーカーの一つがMSIだ。そんなMSIが考えた最上級の製品がこれ。

 仕様の一つ一つに説得力があるのはさすがで、価格は高いが、本気のゲームPCのベースとして不足はない。

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
メモリ:Micron Crucial BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
SSD:Micron Crucial MX200 CT1000MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、1TB)
ビデオカード:MSI GTX 980Ti GAMING 6G(NVIDIA GeForceGTX 980 Ti)
NVIDIA GeForce GTX 980 Ti リファレンスカード
OS:Windows 10 Pro 64bit版

リアルゲーマーが斬る! ゲーミングマザー対決 その2
初心者から上級者まで広くカバーする手堅い1枚

ASUSTeK Computer
Z170 PRO GAMING

実売価格:23,000円前後

Specification
●フォームファクター:ATX●CPUソケット:LGA1151●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium●チップセット:Intel Z170●メモリスロット:PC4-27200 DDR4 SDRAM×4(最大64GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCI-E 3.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 3.0 x1×3●主なインターフェース:M.2(PCI-E 3.0 x4接続またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×4、USB 3.1(Type-A)×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0×6、USB 2.0×8●LAN:1000BASE-T×1
※PCI-E= PCI Express、SATA=Serial ATA、USBポートの数はピンヘッダ含む、USBコネクタ形状を明記していないものはType-Aまたはピンヘッダ、SATA Express×1はSerial ATA×2としても使用可能

基本設計が確かだからこそゲーミングでも活躍できる

CPUのポロリを未然に防ぐ
樹脂製のCPU装着補助器具を利用すると、着脱時にCPUをソケット上に落としてマザーを損傷させるリスクが激減。保険としてしっかり活用したい

 “OCができないゲーミングマザーはゲーミングを名乗るべきでない”と考えている人のベストバイは、ASUSTeKの人気モデル「Z170 PRO GAMING」だ。OCの安定性を上げるクロックジェネレータ“PRO Clock”を含め、ベーシックな部分は同社の「Z170-A」とほぼ共通。だが、サウンドは同社のR.O.G.シリーズ由来の「SupremeFX」を導入している。音質のキレもさることながら、ASUSTeK独自の「Sonic Rader II」を経由しゲーム画面上に“音の来る方向”を表示するというユニークな機能も利用可能だ。

 基本機能を高品質で実装したZ170マザーにゲーミング要素(サウンドや発光機能)を追加した製品ゆえ、サウンド以外に“コレだ”という機能はない。だが熱対策のしやすいM.2スロットの位置やCPU装着補助器具など、初心者から上級者まで使い込んでいけるバランスのよい製品なのだ。(加藤勝明)

BCLKを0.025MHzきざみで設定できる理由がコレ
OC制御の中核は「TPU」(右)で行なうが、精密なBCLK制御を可能にするためにIDT製のクロックジェネレータを利用した「PRO Clock」(左)を搭載する
“M.2は基板端”がベストポジション
ゲーミングなら光らないと……
M.2スロットはマザーの一番端に寄せてあるためビデオカードの熱の影響を受けにくい。M.2にNVMe SSDを組み込むつもりなら、こうしたマザーを選ぶべき
x16スロット上のLEDとサウンドのデジタル-アナログ分離部はスタンバイ電源だけで光る。サウンドの分離ラインを光が流れるような表現も可能

【編集部の判定】

 ASUSTeKの主力マザーの一角だけに機能のまとまりがよく、万人にお勧めできる。

 ただし“これぞゲーミング”という機能はなく、一芸のためだけに買うという吸引力までは持ち合わせていない。価格も含めたバランスがよい印象だ。

【問い合わせ先】

Micro-Star International:web-jp@msi.com(エムエスアイコンピュータージャパン)/http://jp.msi.com/
ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/http://www.asus.com/jp/


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年6月号は4月28日(木)発売】

★総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」
★特別企画「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」
★連載「最新自作計画 ~最新AMD CPUで作るお手頃メインPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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(AKIBA PC Hotline!編集部)