パワレポ連動企画

【小型PC徹底紹介(4)】Antec ISK110とFractal Design NODE 304編

~VESA対応やHDD×6台搭載可能な変わり種~

DOS/V POWER REPORT 6月号

 自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新6月号の特集記事、「小型PCの正解はどっち? Mini-ITX vs microATX」をまるごと掲載する当企画の4回目は、VESAマウントに対応したAntecのケース「ISK110 VESA」とHDD×6台搭載可能なFractal Designのケース「NODE 304」の紹介編。

 VESA対応で液晶一体型PCも作れるモデルと、多数のHDDを搭載するサーバー用途に最適な実力派モデルを徹底検証。

 なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 6月号は現在発売中。40ページにもわたる今特集に加え、「Windows XPからの正しい引っ越し手順」の特集などが組まれているほか、Windows 8.1対応ストアアプリ対応辞典が特別付録小冊子として用意されている。


- DOS/V POWER REPORT 2014年6月号 Special Edition -


Antec ISK110 VESA

【Specification】

規格:Mini-ITX●カラー:ブラック●付属電源:90W ACアダプタ●ベイ:2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:なし●追加搭載可能ファン:なし●本体サイズ(W×D×H):78×212×222mm●重量:約0.99kg

VESAマウント対応で液晶一体型のPCも作れる
組立難易度:上級

Antec ISK110 VESA
実売価格:9,000円前後

 奥行きと高さがMini-ITXマザーより一回り大きい程度の超コンパクトケースだ。机の上に置いてもジャマにならず、縦置き用のスタンドも同梱する。さらに標準でVESAマウンタも同梱しており、VESA規格対応のディスプレイやテレビの背面に取り付けられる。

 左側面は大部分がメッシュ。熱気が内部にこもりにくく、CPUの温度を低く保てる。右側面側には2.5インチドライブを2基搭載できるため、SSD+HDDで速度と容量を両立するよくばりなストレージ構成も可能だ。

側面画像
奥行き21.2cm、高さ22.2cm
背面画像
幅7.8cm

 一方、小型サイズだけに組み込み難易度は非常に高い。マザーボードのレイアウトによって難易度はさらに跳ね上がる。かなりクセのあるケースなので、Mini-ITXに慣れたユーザーでないと苦戦するだろう。

[Text by 竹内亮介]

【製品のポイント】
90WのACアダプタを同梱
ATX電源は物理的に入らないので、付属のACアダプタ(90W)を使う。マザーボードに接続する電源ケーブルが太く、取り回しにくかった
左側板はほぼ全域メッシュ構造
左側板はメッシュ構造で、外気をCPUクーラーのファンで取り込みやすくしている。マザーボードの部品が発する熱も発散しやすいのだ
2.5インチデバイスを2基まで
右側板を開けると、2.5インチデバイスを2基装着できるマウンタがある。各種ケーブルはマザーボードベースの穴を使ってマザー側から通す
液晶ディスプレイ背面に設置可能
VESAマウンタを同梱する。マウンタにネジ止めすることで、落下を防止する仕組を取り入れている

動作検証

 下記の環境で動作チェックをしたところ、各部の温度・動作音は右の結果のようになった。

【検証環境】

CPU:Intel Core i5-4670K(3.4GHz)、マザーボード:ASUSTeK H87I-PLUS(Intel H87)、メモリ:センチュリーマイクロ CAK8GX2-D3U1600(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2)、グラフィックス機能:Intel Core i5-4670K内蔵(Intel HD Graphics HD 4600)、SSD:Intel Solid-State Drive 520 SSDSC2CW240A3(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、電源:付属のACアダプタ、CPUクーラー:Intel Core i5-4670K付属クーラー、OS:Windows 8.1 Pro 64bit版、室温:22℃、暗騒音:30dB以下、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:トゥームレイダーのベンチマークモードを実行して15分後の値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.24でCPUはCPU TemperaturesのPackage、GPUはGPUのTemperaturesの値、動作音測定距離:PCケースの正面から10cm、ファンの設定:Fan Xpertでファンをキャリブレーション後、Turboモードに設定して計測

Fractal Design NODE 304

【Specification】

規格:Mini-ITX●カラー:ブラック、ホワイト●付属電源:なし●ベイ:3.5/2.5インチシャドー×6●標準搭載ファン:9cm角×2(前面)、14cm角×1(背面)●追加搭載可能ファン:なし●本体サイズ:(W×D×H):250×374×210mm●重量:4.9kg

HDDを6台積めるサーバーに最適な実力派
組立難易度:初級

Fractal Design NODE 304
実売価格:10,000円前後

 「NODE 304」はMini-ITXに対応したキューブタイプのPCケースだ。5インチベイを排し、代わりにHDDを最大6台搭載できる割り切った構造を採用。三つあるドライブのケージは着脱可能で、一つのケージに3.5/2.5インチベイを二つ備えている。拡張スロット側のケージを外せば、31cmまでのビデオカードを搭載可能だ。標準で前面に9cm角ファンを2基、背面に14cm角ファンを1基搭載し、3チャンネルのファンコントローラも搭載している。

側面画像
奥行き37.4cm(ケース内31cm)、高さ21cm
背面画像
幅25cm

 CPUクーラーは高さが16.5cmのものまで搭載が可能だ。余裕はあるが、ケーブルや背面ファンとの干渉には考慮したい。奥行き16cmまでのATX電源に対応している。

[Text by 清宮信志]

【製品のポイント】
三つのケージを標準搭載
6台のHDDやSSDを搭載可能。ディスクの搭載数に合わせてケージを外せば、ケーブルの取り回しなども楽になるだろう
31cmまでのビデオカードに対応
拡張スロット側にあるケージを一つ取り外せば、31cmまでの長さのビデオカードも搭載できる
CPUクーラーは干渉に注意
ケース内の高さには余裕があるが、ケージやドライブに接続するケーブル、背面のファンなどとの干渉には注意したい
長めの電源ユニットにも対応
電源は本体前寄りの位置に延長ケーブル経由で接続する。奥行き16cmまでのATX電源に対応。電源スペース底面のフィルタは取り外し可能だ

動作検証

 下記の環境で動作チェックをしたところ、各部の温度・動作音は右の結果のようになった。

【検証環境】

CPU:Intel Core i5-4670K(3.4GHz)、マザーボード:ASUSTeK H87I-PLUS(Intel H87)、メモリ:センチュリーマイクロ CAK8GX2-D3U1600(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2)、ビデオカード:エルザ ジャパン GeForce GTX 750 Ti 2GB S.A.C(NVIDIA GeForce GTX 750 Ti)、SSD:Intel Solid-State Drive 520 SSDSC2CW240A3(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、電源:サイズ 剛力短2プラグイン(500W、80PLUS Bronze)、CPUクーラー:Intel Core i5-4670K付属クーラー、OS:Windows 8.1 Pro 64bit版、室温:22℃、暗騒音:30dB以下、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:トゥームレイダーのベンチマークモードを実行して15分後の値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.24でCPUはCPU TemperaturesのPackage、GPUはGPUのTemperaturesの値、動作音測定距離:PCケースの正面から10cm、ファンの設定:ケースファンの制御にケースのハードウェアファンコントロール機能を利用



DOS/V POWER REPORT 6月号発売中】

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(AKIBA PC Hotline!編集部)