パワレポ連動企画

【小型PC徹底紹介(3)】CORSAIR Obsidian 250D編

~高い収容能力、そして干渉は最小限~

DOS/V POWER REPORT 6月号

 自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新6月号の特集記事、「小型PCの正解はどっち? Mini-ITX vs microATX」をまるごと掲載する当企画の3回目は、CORSAIRの小型PCケース「Obsidian 205D」の紹介編。

 干渉を最小限に抑えて高い収容能力を確保したという本製品を徹底検証。

 なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 6月号は現在発売中。40ページにもわたる今特集に加え、「Windows XPからの正しい引っ越し手順」の特集などが組まれているほか、Windows 8.1対応ストアアプリ対応辞典が特別付録小冊子として用意されている。


- DOS/V POWER REPORT 2014年6月号 Special Edition -


CORSAIR Obsidian 250D

【Specification】

規格:Mini-ITX●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:5インチ×1、3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:14cm径×1(前面)、12cm径×1(側面)●追加搭載可能ファン:20cm径/12cm角×1(前面、14cm径と排他)、8cm角×2(背面)、12cm角×1(側面)●本体サイズ(W×D×H):277×351×290mm●重量:約4.3kg

干渉を最小限に抑えて高い収容能力を確保

CORSAIR Obsidian 250D
実売価格:12,000円前後

 「Obsidian 250D」は通気性とパーツ収容能力、そしてメンテナンス性を高い次元で成立させた製品だ。ATXケースなどでおなじみ“Obsidian”シリーズで蓄積されたノウハウが随所に活かされている。

側面画像
奥行き35.1cm(ケース内29cm)、高さ29cm
背面画像
幅27.7cm

 ケース内部を見ると、まず前面の吸気ファンの大きさ(最大20cm径を搭載可能)に目が行くが、そのファンの風がCPU、マザー、ビデオカード、電源、そしてストレージという重要パーツをムダなく冷却できるよう巧妙に配置されている。Mini-ITXケースでは組木細工のようにパーツを組み込むものもあるが、本製品はそれぞれの設置箇所の分離が徹底しており、パーツを組み込む手順を試行錯誤することはほとんどない。さらに5インチベイを犠牲にすることなく全長24cmクラスの大型水冷用ラジエータを搭載できるなど、パーツ構成の縛りが非常に少ない。通気性が高いため静音性に難はあるが、パワフルなパーツを集めて組みたい人には、理想的なPCケースと言える。

[Text by 加藤勝明]

【大口径ファンで吸気はバッチリ】
大口径14cm径ファンで吸気
本体前面部分の面積の大半が、吸気用14cm径ファンで占められている。このファン1基だけでケース全体に効率よく外気を当てる設計。そして、前面カバーにはダストフィルタを装着済みだ
20cm径ファンにも対応
前面の吸気ファンは20cm径ファン(別売り)に交換できる。標準のネジ穴よりもさらに外側にあるネジ穴が用意されているのはこのため

組み立てやすさをチェック(組み立て難易度:初級)

【ここは注意点】

●通気性重視なので静音性は期待できない
●空冷CPUクーラーは高さ130mmまで

 高さ145mm と比較的小型のThermaltake「TrueSpirit 120M」でも、組み込むとフタが閉まらない。CPUクーラーの高さは130mm以下に抑える必要がある

Obsidian 250Dはこんなパーツと使いたい!

【空冷で使うのはナンセンス、簡易水冷がベスト】

Corsair Components Hydro H100i Extreme Performance CPU Cooler
実売価格:13,000円前後

 メンテナンス性とパーツ収容能力に秀でた製品だが、唯一空冷CPUクーラーだけは大きな制限を受ける。CPUクーラーの高さは130mm以下に抑える必要があるが、このサイズでは冷却力も静音性もやや低めになってしまう。最近のCPUは発熱が小さいので定格使用では大きな問題とはならないが、OCや高度な静音化を狙うのであれば「Hydro H100i」のような大型簡易水冷クーラーと組み合わせるのがベストだ。

動作検証

 下記の環境で動作チェックをしたところ、各部の温度・動作音は右の結果のようになった。

【検証環境】

CPU:Intel Core i5-4670K(3.4GHz)、マザーボード:ASUSTeK H87I-PLUS(Intel H87)、メモリ:センチュリーマイクロ CAK8GX2-D3U1600(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2)、ビデオカード:エルザ ジャパン GeForce GTX 750 Ti 2GB S.A.C(NVIDIA GeForce GTX 750 Ti)、SSD:Intel Solid-State Drive 520 SSDSC2CW240A3(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、電源:サイズ 剛力短2プラグイン(500W、80PLUS Bronze)、CPUクーラー:Intel Core i5-4670K付属クーラー、OS:Windows 8.1 Pro 64bit版、室温:22℃、暗騒音:30dB以下、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:トゥームレイダーのベンチマークモードを実行して15分後の値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.24でCPUはCPU TemperaturesのPackage、GPUはGPUのTemperaturesの値、動作音測定距離:PCケースの正面から10cm、ファンの設定:Fan Xpertでファンをキャリブレーション後、Turboモードに設定して計測



DOS/V POWER REPORT 6月号発売中】

★特集「小型PCの正解はどちらだ!? Mini-ITX vs microATX」はもちろん、サポートが終了したWindows XPからの正しい引っ越し手順など、多数の記事を掲載

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(AKIBA PC Hotline!編集部)