パワレポ連動企画

ITライターが作るゲームPC ~その2~

【金と銀のPC自作プラン(4)】

DOS/V POWER REPORT 11月号

 このコーナーでは、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌11月号の特集記事「対決!金と銀のPC自作プラン」をほぼまるごと掲載する。

 今特集では、DOS/V POWER REPORTが掲示した4つのテーマについて、それぞれ2名のライターが独自の解釈でPCを作成、そのポイントを解説する。

 第四回目の今回は、予算16万円で製作する「ゲーム向けマシン その2」を紹介する。ITライター「ディーン英務」氏が構成パーツをAMD製品で固めたこだわりの一品だ。なお、記事の末尾で読者投票を実施しているので、このPCが気に入った人はぜひ投票をして頂きたい。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 11月号は、絶賛発売中。11月号では今回の特集のほか、8月末に発売されたHaswell-Eの解説記事や、最新ビデオカードの特集、セミファンレス電源カタログ、新世代ベアボーンPC特集、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事が載っている。また、PCケースを約160種集めた「PCケース パーフェクトコレクション 160」が小冊子として付いてくるなど、盛りだくさんの内容だ。


- DOS/V POWER REPORT 2014年11月号 Special Edition -


予算16万円で作るゲームマシン その2
オールAMDでキメる! RED TEAMゲームPC

製作者:ディーン英務

AMDをこよなく愛し、日本におけるAMD不足を憂う年齢不詳の自作er(AMDer)。AMDのよさを書きまくるためにのみ、たまにライターとなる。

CPUもGPUもAMDでキメる、これでRED TEAM入りだ!

 よう諸君、帰ってきたぜ!

 久しぶり過ぎてAMDについて書きたいことが山ほどあるが、諸般の事情で早速PCの構成を紹介するぜ! 今回のテーマはズバリ「RED TEAM」だ。AMDファンなら当然知っていると思うが、昨年から今年にかけてAMDが展開した「RED TEAMに入ろう」キャンペーンから命名した。REDと言えば、Radeonのイメージカラーであることはもちろんだが、アメリカで「RED TEAM」と言えば、米軍が自軍の強化のために自軍を攻略する相手役として組織した独立部隊に由来し、「敵チーム」、「相手チーム」というイメージもあると言う。聞けば、アメリカ国内の戦争シミュレーションゲームでは、ほぼ常に自軍は青、敵軍は赤で表現されると言うではないか。奇しくもIntelのイメージカラーは青……おもしろい!

PC内部の様子とベンチマーク・消費電力の結果。PCMark 8-Homeのスコアは3,488、3DMark-Fire Strikeのスコアは4,836、消費電力はアイドル時が55.5W、高負荷時が255W

 世界平和ならぬPC市場の健全化のためにあえて敵役、憎まれ役を買って出ようということか、実にAMDらしい発想ではないだろうか(※筆者個人の感想です)。悪役だと自らを卑下する必要はない。巨悪の情報操作により、悪だと思い込んでいた存在が実は正義だったという話はよくある。「BLOODTYPE:BLUE」が世界を破壊しまくる某アニメだってある。正義は常にAMDにあるのである!(※筆者個人の感想……もとい妄想です)

 さて、RED TEAMマシンの構成はご覧のとおりだ。CPU、GPUはもちろん、メモリ、SSDまでAMDブランドで固めた精鋭部隊。カラーリングもバッチリだ。えっ? USB 3.0のインナーケーブルだけ青だって? 何を言っているんだ! ワタシには何も見えないぞ! うん、見えない!

このPCのポイント
カテゴリー製品名実売価格
CPUAMD A10-7800(3.5GHz)18,000円前後
マザーボードMSI A88X-G45 GAMING(AMD A88X)15,000円前後
メモリAMD Radeon R9 2400 Gamer R938G2130U1K
(PC3-17000 DDR3 SDRAM 4GB×2)
14,000円前後
ビデオカードMSI R9 270X Twin Frozr 4S OC
(AMD Radeon R9 270X)
24,000円前後
SSDOCZ Radeon R7 2.5" 240GB
(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)
22,000円前後
PCケースSHARKOON BD28 SHA-BD28-R(ATX)8,500円前後
電源ユニットSHARKOON WPM Bronze SHA-WPM500W-BR
(500W、80PLUS Bronze)
9,000円前後
CPUクーラーDeepcool MAELSTROM 120(簡易水冷、12cm角×1)5,000円前後
合計115,500円前後

ポイント1 AMD! AMD! AMD!これが精鋭隊員の顔ぶれだ

スレッド数よりもシングルスレッド性能が重要

CPUはA10-7800を選択。Kaveriは、CPUとGPUのメモリ空間を統合し、シームレスな連係を実現した革新的なCPUだ。HSAの元祖たる画期的なAPUとして後世に名を残すに違いない! なかでもA10-7800はバランスのよいモデルだ。

 前線の主力部隊は、AMDブランドを中心に編成した。APUは当然Kaveri。HSAへの大きな一歩を踏み出した革新的なAPUだと言うのに、日本市場での扱いの何と地味なことか……嘆かわしい限りではあるが、まぁ本当の革新、本当の天才というのはそういうものである。

メモリはRadeon R9 2400 Gamer R938G2130U1Kを選択。AMDのCPU/APUにはAMDメモリ、これジョーシキ! AMD、Radeonロゴをフィーチャーしたヒートスプレッダのデザインも最高にイカすぜ!
SSDはOCZ Radeon R7 2.5" 240GBを選択。こういうコラボは大歓迎、ドシドシやってもらいたい。ロゴはボディにシールが貼ってあるだけなのは絶対に内緒だ。

 メモリやSSDなどのコラボモデルは、囲い込みが得意な某メーカーと違い、常にオープンな姿勢で業界パートナーと歩調を合わせて成長してきたAMDならではと言えるかもしれない。

マザーボードはMSI A88X-G45 GAMINGを選択。赤と黒で統一した基板とカッコいいドラゴンがRED TEAMのイメージにピッタリ! 付属のビッグエンブレムをケースに貼ってニヤニヤしようぜ。
ビデオカードはMSI R9 270X Twin Frozr 4S OCを選択。AMDのCPU/APUにはAMDのビデオカード、これもジョーシキ! マザーと同様、赤と黒で統一したカラーとドラゴンが最高にカッコイイ。

 各社マザーボードメーカーのゲーミングモデルは、どれもAMD/RED TEAMに合わせたかのような赤と黒の配色で迷ったところだが、ビデオカードと同一ブランドで統一できることに加えて、MSIのドラゴンエンブレムが独立部隊っぽくてチョーカッコイイので同社のGAMINGシリーズを任命した。

ポイント2 後方支援も抜かりなし! 精鋭ぞろいの副隊員たち

入隊資格は赤と黒! TEAMのイメージを優先

PCケースはSHARKOON BD28(SHA-BD28-R)、CPUクーラーはDeepcool MAELSTROM 120を選択

 AMD関連で統一できない隊員は、わがRED TEAMの入隊資格を満たした者を招集した。その条件とは、RED TEAMのイメージにピッタリな赤と黒を基調にしたカラーリングであることだ。

 PCケースのBD28(SHA-BD28-R)は、まさにRED TEAMのために生まれてきたような存在だ。インパクト抜群の赤いインナーシャーシに加えて、前後に赤色LEDで光るクリアファンを装備し、サイドパネルにはクリアウィンドウを備えており、組んだ後も中身を見て楽しめる。

 CPUクーラーは簡易水冷クーラーのMAELSTORM 120だ。無論、赤いブレードを備えたラジエータファンが選択の決め手だ……ったのだが、ラジエータをケース天板に取り付けようとするとファンがマザーボードのヒートシンクと干渉して、背面にしか装着できない。そこにはケース付属のファンがすでにあるので、クーラーの付属ファンをそのまま使うか、クーラーの付属ファンをケース付属ファンに交換するかの二択になった。両方を見比べ、実利用時の目立ち具合からケース付属ファンを採用し交換した。ポンプ一体型の水冷ヘッドのシンボルは白く光るが、それも赤と黒で統一した中ではアクセントとしてとてもイイ感じだ。

 交換してしまうならクーラーは何でもいいじゃないかと考えるかもしれない。しかし、ワタシの考えは違う。後方支援とはいえ、ともに戦う戦友ならば、チームに対する忠誠心を見せてもらわなくては困る。「デフォルトが赤」であることは譲れない条件なのである。

電源ユニットはSHARKOON WPM Bronze(SHA-WPM500W-BR)

 電源ユニットは、赤をフィーチャーした製品がなかなかなかったが、ようやく見付けたのがPCケースと同じSHARKOONの製品だ。ほとんど黒だが、電源コネクタが赤色で統一されているのがポイント。意外と完成後も目立つ部分だけに正解だった。

ポイント3 作戦前に摸擬戦を実施、その実力を最終確認!

これがRED TEAMの実力! Mantleでワンランク上も

抜群の迫力、ゲームプレイに支障なし。そしてこれがMantleの実力だ!

 編成した部隊の実力はどんなものだろうか。3DMarkの結果は冒頭に掲載したが、イマドキのゲームを普通にプレイするには十分な性能だ。より実戦に即した摸擬線の結果も掲載しておこう。バトルフィールド 4では画質設定:高(1,920×1,080ドット)で平均72.6fps、最低37fpsと快適にプレイできるであろうフレームレートが出た。さらに、われわれは、「Mantle」という強力な秘密兵器も手にしている。MantleはAMDが独自に開発した、GCNアーキテクチャに最適化したグラフィックスAPIであり、APIのオーバーヘッドが少なく(CPU負荷が少なく)、グラフィックスメモリが効率的に利用できるなどのメリットがある。右のグラフを見てもMantle環境では高負荷がかかったときの落ち込みが少ないことが確認できており、画質設定をワンランク上げても十分戦えそうである。

 どうだろうか、このコストでこの性能、圧倒的ではないか、わが部隊は? オールIntelシステムでは絶対にマネはできないだろう! 一つ言っておくが、これでもわれわれは大いに手加減をしている。Radeon R9シリーズには280、280X、285、290Xとまだまだ上があり、いくらでも戦力増強が可能なことも忘れないでもらいたい。

Mantle対応ゲーム続々開発中! AMDの真価はこれから!

プレイステーション 4やXbox OneにAMDのプロセッサが採用されていることもあって、Mantle対応タイトルの開発におけるベンダーの負担は大きくないと言う。AMDによればすでに50以上の開発者がMantle対応のタイトルを開発中ということだ。現行のMantle対応タイトルとしては、バトルフィールド 4、Thiefが有名だが、EAが11月に発売を予定している「Dragon Age: Inquisition」、そして「Plants vs. Zombies Garden Warfare」、「Battlefield Hardline」の対応が明らかになっている。

Mantleの時代がやってくる!

 このPCの構成が良いと思ったら、以下のボタンを押して投票してください(一人1回まで)。

 投票は本ページと、DOS/V POWER REPORT 2014年11月号の読者アンケート(同誌購入者のみ投票可能)で行なっています。
 DOS/V POWER REPORTの読者アンケートから投票された方には、抽選で3名様に「Intel Pentium G3258」をプレゼントいたします。

 投票結果はDOS/V POWER REPORT 2015年1月号(11月29日発売)にて発表する予定です。

DOS/V POWER REPORT 2014年11月号 読者アンケート


受付は2014年10月25日(土) 23:59までとなります



DOS/V POWER REPORT 11月号は9月29日(月)発売】

★第1特集「対決!金と銀のPC自作プラン」はもちろん、8月末に発売された「Haswell-E」の解説や、最新ビデオカードの特集、セミファンレス電源カタログ、新世代ベアボーンPC特集、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事を掲載

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 紙版は小冊子「PCケース パーフェクトコレクション 160」付き

★ 電子版は割安な税別926円、一部ショップでは税別700円の期間限定セールが9月29日(月)より実施
★ 電子版では小冊子の電子版も完全収録

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(AKIBA PC Hotline!編集部)