パワレポ連動企画

ちょっと拝見! ITライターとパワレポ編集部員のマシン

【金と銀のPC自作プラン(5)】

DOS/V POWER REPORT 11月号

 このコーナーでは、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌11月号の特集記事「対決!金と銀のPC自作プラン」をほぼまるごと掲載する。

 第五回目の今回は、番外編としてITライターとパワレポ編集部員が現在使用しているPCを紹介する。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 11月号は、絶賛発売中。11月号では今回の特集のほか、8月末に発売されたHaswell-Eの解説記事や、最新ビデオカードの特集、セミファンレス電源カタログ、新世代ベアボーンPC特集、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事が載っている。また、PCケースを約160種集めた「PCケース パーフェクトコレクション 160」が小冊子として付いてくるなど、盛りだくさんの内容だ。


- DOS/V POWER REPORT 2014年11月号 Special Edition -


ちょっと拝見! 現在使用中の俺のマシン

 もっと作例を!という要望に応え、ここでは玄人たちが実際に使っているマシン4台をご紹介。各自の好みや事情でまったく違うPCができるのが自作のおもしろいところだ。

ライター 清水貴裕の「極冷メインマシン」

常用は完全無視のレーシングマシン

極冷用ポットの温度を測るための温度計と、マザーボードやビデオカードの電圧を測定するためのマルチメーターを装備。液体窒素の冷気による結露を防ぐために、ケースファンで冷気を吹き飛ばす工夫もしている

 一見PCとは思えないこのマシンが筆者の愛用する現在のメインマシンだ。搭載するクーラーは銅製の冷却ポットで、CPUだけでなくメモリとビデオカードにも装着している。冷気による結露から守るために、すべてのパーツはペーパータオルやタオルで完全防護している。標準で絶縁コーティングがなされているマザーボードだけでなく、ビデオカードやメモリにも絶縁塗料でコーティングを施してあるので、不慮の事故でクラムチャウダーをこぼしても安心だ。

 今、気になっている用途は3DMark系のベンチマーク。ビデオカードだけで消費電力が1,000W近くまで上がることがあるので、電源は1,200Wクラスのものを2台つなげて使うこともある。ベンチマークを開始した瞬間に部屋の蛍光灯が暗くなるので、次は家の電源の強化を画策している。

カテゴリー製品名備考
CPUIntel Core i7-4770K(3.5GHz)検証も兼ねて常に最新モデルを
マザーボードASRock Z97 OC Formula(Intel Z97)
メモリG.Skill TridentX F3-2666C11D-8GTXD
(PC3-21300 DDR3 SDRAM 4GB×2)
ビデオカードASUSTeK ROG MATRIX-GTX780TI-P-3GD5
(NVIDIA GeForce GTX 780 Ti)
極冷OC中は1,000W近くも電力を消費する
SSDOCZ Agility3 AGT3-25SAT3-60G(Serial ATA 3.0、MLC、60GB)
PCケースベンチ台
電源ユニットAntec HCP-1300 Platinum(1,300W、80PLUS Platinum)
クーラー極冷用ポット×3(CPU、メモリ、ビデオカード)

ライター 滝 伸次の「遊び用メインマシン」

何でもござれのハイスペックマシン

最新パーツで揃えたため、検証のために抜き取られることもしばしばで、現在も写真に撮れない状況だったりする。いちいちバックアップするのはめんどうという性格なので、データドライブをRAID1にすることでHDDクラッシュからのデータ保護を図っている。これは過去にクラッシュで大量の音楽データを失って以来の自分の中での決まりごとだ

 原稿の執筆などを行なう仕事用とは別の遊び用メインマシン。主に動画や音楽の視聴、編集、リッピングなどを行なっているが、マシンの基本コンセプトは何にでも対応できること。そのためCPUにはそのときどきのメインストリームの最上位モデルを使用するようにしている。音楽を聞くマシンでもあるので、静音性にもこだわっており、PCケースに静音性の高いFractal Design Define R4、CPUクーラーにファンの回転数を落としても十分な冷却性能を持つCRYORIG R1 UNIVERSALを選択。さらにASUSTeK Z97-PROに付属するユーティリティ「Fan Xpert」で各ファンの回転数を落とすことで静音化を実現している。

 なお、何にでも対応というわりにはビデオカードの性能が低いと思う人もいると思うが、これはゲームをあまりプレイしないためだ。

カテゴリー製品名備考
CPUIntel Core i7-4790K(4GHz)検証も兼ねて常に最新モデルを
マザーボードASUSTeK Z97-PRO(Intel Z97)
メモリCorsair Components Vengeance Pro CMY16GX3M2A1600C9
(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2)
ビデオカードASUSTeK GTX750TI-PH-2GD5
(NVIDIA GeForce GTX 750 Ti)
SSDCFD販売 S6TNHG5Q CSSD-S6T256NHG5Q
(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)
HDD(RAID 1)Western Digital WD Green WD30EZRX-1TBP(Serial ATA 3.0、5,900rpm、3TB)×2HDDもずいぶん安くなったのでRAID 1で使用
PCケースFractal Design Define R4 Black Peal(ATX)
電源ユニットCorsair Components RM450(450W、80PLUS Gold)
CPUクーラーCRYORIG R1 UNIVERSAL
光学ドライブパイオニア BDR-S08J

ライター 竹内亮介の「テレビサイドマシン」

探せば何でもあるのが秋葉原のいいところ

まさかCore i3に付属するスリムなCPUクーラーすら装着できないとは予想だにしなかった超薄型ケース(W×D×H:185×200×40mm)。これのために全高21mmの超薄型クーラーをようやく見付け出した

 小型PCの愛好者は「PCケースから入る」傾向がある。このPCも、テレビの側に置くという方針自体は先に決めていたものの、実際のパーツ構成はまったく未定の状態だった。しかし秋葉原のパソコンハウス東映で、この超小型&薄型ケース「GA6201iBK」が5,000円以下と非常に安くなっていたのを見て、「これだ!」と直感したのが運の尽き。

 最初はmSATA対応SSDとCPUクーラーのみで簡単に組み上がる、と考えた。しかしあまりに薄過ぎて、Core i3-3220T付属の薄型CPUクーラーですら天板方向にはみ出してしまう。そこで秋葉原中を探しに探して高さ21mmの超Low ProfileなCPUクーラー「AK-CC7129EP01」を見付け、ようやくPCケースの天板を閉めて運用できるようになった。薄型、小型PCの奥深さ、そして秋葉原の懐の深さを知った作例の一つである。

カテゴリー製品名備考
CPUIntel Core i3-3220T(2.8GHz)
マザーボードIntel DQ77KB(Intel Q77、Thin Mini-ITX)
メモリCFD販売 CFD ELIXIR W3N1600Q-4G
(PC3-12800 DDR3 SDRAM SO-DIMM 4GB×2)
SSDMicron Crucial m4 CT128M4SSD3
(mSATA[Serial ATA 3.0]、MLC、128GB)
2.5インチHDDWestern Digital WD Blue WD5000LPVT
(Serial ATA 2.5、5,400rpm、500GB)
PCケースG-Alantic GA6201iBK(Thin Mini-ITX)安売りに飛びついて大変な目に
電源ユニットバッファロー BSACA01DL19(90W ACアダプタ、19.5V)
CPUクーラーアイネックス AK-CC7129EP01ようやく見付けた超薄クーラー

編集部 遠山健太郎の「世を忍ぶ仮のマシン」

10年前から見た目は一緒

CD-Rドライブと記録型DVDドライブ、さらに3.5インチFDDを拡張ベイカバーとして使用。ケースと色が揃っていない辺りに使用者の人柄が現われている。当時のPCケースには前面インターフェースなどないのが普通だったが、それでは不便なのでバックパネルからUSBをハブで引き出して使っている

 魅力的なマシンを提案する特集でこんなPCをお見せするのはちょっと心苦しいのだが、これもリアルな自作PCということでご紹介しよう。自宅で使っているPCケース「OWL-103-SLT(BK)」は2002年11月頃発売。中のマザーボードは2012年8月発売だから、ATX規格は永遠に不滅だという意見を信じてもよい気分になる。シンプルなスチール製ケースで気に入っているが、大人の男には家庭の事情というものがあり、気軽に買い換えるわけにはいかないのだ。とはいえやはり新しいパーツを追いかけたい。ならば中身だけ密かに換装すれば……というのを体現したのがこのPCである。

 予算も限られるため特価品を1年かけてコツコツ買い集めた構成で、自慢できる高級パーツはないが、ケースのベイカバーを紛失したために光学ドライブとFDDを取り外せないというのは「自作あるある」ではなかろうか。

カテゴリー製品名備考
CPUIntel Core i3-3225(3.3GHz)
マザーボードGIGA-BYTE GA-Z77MX-D3H(rev. 1.0)(Intel Z77)チップセットは最上位が好き
メモリサンマックス・テクノロジーズ SMD-8G68CP-16KL-D-BK
(PC3L-12800 DDR3L SDRAM 4GB×2)
SSDSamsung SSD 840 MZ-7TD120B/IT
(Serial ATA 3.0、MLC、120GB)
HDD250GB ~ 2TBまで計3台
PCケースオウルテック OWL-103-SLT(BK)(ATX)当時はめずらしかった静音タイプのPCケース
電源ユニットSea Sonic Electronics M12 SS-600HM(600W)
CPUクーラーCPU付属
光学ドライブ拡張ベイをふさぐ用途(そもそもIDEコネクタがないので接続できない)
FDD拡張ベイをふさぐ用途(そもそもFDDコネクタがないので接続できない

(10/15 1:00更新)記事初出時、PCケース(オウルテック OWL-602-Silent)の型番に誤りがありました。正しくは「オウルテック OWL-103-SLT(BK)」となります。お詫びして訂正させていただきます。



DOS/V POWER REPORT 11月号は9月29日(月)発売】

★第1特集「対決!金と銀のPC自作プラン」はもちろん、8月末に発売された「Haswell-E」の解説や、最新ビデオカードの特集、セミファンレス電源カタログ、新世代ベアボーンPC特集、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事を掲載

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 紙版は小冊子「PCケース パーフェクトコレクション 160」付き

★ 電子版は割安な税別926円
★ 電子版では小冊子の電子版も完全収録

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(AKIBA PC Hotline!編集部)