パワレポ連動企画

マザーボード100選 2015(2)
~ウルトラハイエンド部門~

DOS/V POWER REPORT 2015年1月号

 このコーナーでは、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌2015年1月号の特集記事「マザーボード100選 2015」をほぼまるごと掲載する。

 特集記事では、市場に流通しているマザーボード製品から5カテゴリー、100製品を選び、それぞれの推奨製品をDOS/V POWER REPORT編集部と執筆陣の投票で決定する。

 第二回目の今回は、30,000円以上するウルトラハイエンド部門のマザーボードを紹介、ノミネートされた19製品を解説する。

 なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年1月号は、絶賛発売中。1月号では今回の特集のほか、“即戦力”になるフリーソフト特集、次期OS「Windows 10」Technical Preview使用レポート、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事が載っている。また、特別付録として「マザーボード&ベアボーン超図鑑 2015」と題した小冊子が付いてくるなど、盛りだくさんの内容だ。


- DOS/V POWER REPORT 2015年1月号 Special Edition -


30,000円以上のウルトラハイエンド部門

 このクラスには、全部入りのプレミアムモデルから、専門性の高い超特化型モデルまで、最強クラスの製品がひしめき合う。長く付き合える1枚がきっと見付かるはずだ。

自分のやりたいことを極めるための1枚がここにある

 もっとも価格帯の高いウルトラハイエンド部門ともなると、実装部品の品質や拡張性の高さはどの製品もトップレベルで、不足している機能を探すのが難しいほどだ。どの製品も基本性能が高いだけあり、さまざまな用途を高次元でこなすことができる懐の深さを備えているのだ。しかし、なかには特定の分野向けの機能を備える「超特化型」の製品もある。ゲームやオーバークロック(OC)向けの製品がその代表格で、使いこなすにはそれなりの知識とスキルが必要だ。そういった事情を踏まえた上で製品を選ばないと、機能を持て余し、宝の持ち腐れになる可能性があることには注意がいる。ただ、こういった製品は所有しているだけでもかなりの満足感が得られるので、己の欲求に任せて選ぶのも大いにありだ。

 今年のウルトラハイエンド部門にノミネートされたのは19製品。そのうちの13枚がX99マザーであることから、Haswell-Eの勢いがうかがえる。Z97マザーは6枚がノミネート。HaswellやDevil's Canyonのシングルスレッド性能の高さがマルチスレッド対応度の低いアプリでは有利に働くため、ゲーマー向けモデルが多めだ。

 チップセットの割合だけでなく、今年はマザーのタイプにも変化が見られた。これまでは、拡張機能特化型、ゲーミング特化型、OC特化型の3種類の製品が多かったが、今年は新たなジャンルとして高耐久型の製品が仲間入りした。GIGA-BYTEのBlack Editionシリーズがそれで、通常は1年のところ5年間保証を受けることができる。これまでにない付加価値の付け方であり今後が楽しみだ。

【この部門はココに注目!】

ポイント1 LGA2011-v3対応マザーが集結

 今年の注目は何と言ってもLGA2011-v3対応マザーだ。8コア/16スレッドのCore i7やDDR4メモリへの対応など、新しいことづくめだが、インターフェース面の充実も見逃せない。X99チップセットがネイティブで10基のSerial ATA 3.0ポートをサポートしているため、どのマザーも10基前後のポートを備えているし、M.2スロットにも対応している。また、CPUの持つPCI Expressレーンが最大で40レーン(搭載CPUに依存)あるので、マルチGPU環境にも強い。

LGA2011-v3版Core i7
フラグシップのCore i7-5960Xは8コア/ 16スレッドを擁するモンスターCPU。驚愕のマルチスレッド性能を誇る
ビデオカード4枚挿しも
拡張スロットを多数備える製品が多く、4枚挿しに対応したものもめずらしくない。ただしCore i7-5820Kを搭載した場合はPCI Expressのレーン数が最大28レーンにとどまる
LGA2011-v3の特徴

ポイント2 ゲーマー・OC向けの特別な装備

 ゲーマー向けマザーの場合は、サウンド機能が豪華なのが特徴。高品質なオーディオプロセッサやコンデンサを採用していたり、オペアンプ交換に対応していたりと、サウンドカード並みの実装が施されている製品がある。OC向けのマザーの場合は、結露対策に絶縁塗料でコーティングが施されていたり、殻割りCPUの保護パーツが付属していたりと、かなり専門的な実装や付属品が見られる。

殻割りダイ・ガード
殻割りしたCPUのダイを保護するためのカバー。活用にはかなりのスキルを要するが、限界まで攻めたいときには有効
結露防止加工
極冷時の冷気による結露から基板を守るために絶縁塗料でコーティングを施した製品も(画像右のモデル)。水冷マシンとも相性抜群
メーカー毎の装備の例

コンセプトの明確なモデルがレコメンドを獲得

 並み居る強豪を抑えて、今年のゴールドレコメンドを受賞したのはASUSTeKのRAMPAGE V EXTREMEだ。去年はASRockのZ87 OC Formulaにゴールドレコメンドの座を明け渡してしまったが、今年はROGマザーが見事に奪還に成功した。CPUの隠し接点を利用できる独自ソケットの採用や、OC用のオンボードボタンの追加で、高いOC耐性とコントロールのしやすさを両立しているのが評価につながった。

 シルバーレコメンドを受賞したのはASRockのFatal1ty X99M KillerとASUSTeKのMAXIMUS VII FORMULAの2製品。Fatal1ty X99M KillerはウルトラハイエンドクラスではめずらしいmicroATXマザーだ。この製品はコンパクトな高性能マシンを組みたいというユーザーにとって唯一の選択肢と言える。MAXIMUS VII FORMULAはROGシリーズのゲーミング特化モデル。Z97世代ではOC特化型のEXTREMEがラインナップされていないため、FORMULAがMAXIMUSシリーズの最上位だ。先代から大きな変更点はないが、UEFIの刷新やサウンド機能の強化で、より完成度を高めてきているのが特徴だ。

得票のあった製品

オレはこんな基準で評価した!

・ITライター 清水貴裕
審査にあたって重視したのは昨年と同じくOC耐性の高さだ。このクラスになると、実装部品の品質やVRMの作りがよいのは当たり前なので、UEFIの完成度やツールの使いやすさも含めて総合的にOC耐性の評価を行なった。そういう事情もあって、カタログページのOC耐性の5段階評価はやや辛口になってしまった。どの製品が五つ星を獲得したのかを見てほしい。

・ITライター 石川ひさよし
ウルトラハイエンドマザーなら、最新機能やトレンドの独自機能はどれも搭載しているものだ。主にOCやゲーミングということになるが、実用性は十分に押さえた上で、まわりとは違った一つ「トンガッた」PCを組めることを重要視し、そうした製品に投票している。その点、価格面はあまり重要視しなかったので、やや高価格帯寄りであるのはご了承いただきたい。

・ITライター 鈴木雅暢
見た瞬間にテンションが上がるような色気、感性を刺激する製品であることが第一条件。もちろん、見た目だけではない、高品質、高信頼性、長期耐久性などの裏付けも必要だ。OC耐性やOC向けの機能にしても、ゲーミング向けのこだわりにしても、それを品質などへの説得力として活かし、製品としてのトータルな魅力につなげられているかどうかが重要だ。

[Text by 清水貴裕]


マザーボード100選 2015
ウルトラハイエンド部門 ノミネート製品解説

ASUSTeK Computer RAMPAGE V EXTREME(実売価格:60,000円前後)

圧倒的OC耐性を誇るX99マザーの王者
LGA2011-v3/Intel X99/ExtendedATX

 X99チップセットを搭載した、ROGブランドのフラグシップマザーがこのRAMPAGE V EXTREMEだ。ソケットには、ASUSTeKが独自にピンを追加したという「OC Socket」を採用。追加されたピンがCPU側の隠し接点に電源を供給することにより、CPUコアだけでなく、リングバスやメモリのOC耐性が向上しているのが特徴だ。なかでも特筆すべきはリングバスのOC耐性の高さで、一般的なX99マザーの限界が3,800MHz付近にあるのに対し、OC Socketを搭載する本製品は4,500MHzを軽く超えてくるのだがら驚きだ。VRMの完成度の高さも特徴の一つで、OC向けに厳選されたMOSFETやチョークコイルの採用により、高負荷状態でも安定した電源供給が可能だ。さらに、VRMのヒートシンクにはヒートパイプが電源回路に触れるDirectCU構造が採用されているので、放熱もバッチリだ。

 OC向けの機能満載のフラグシップモデルということもあり、上級者向けのとがった製品に見えるが、挙動はとても素直で扱いやすい。OC時の起動不良が起こりにくいため、実は初心者でも簡単に扱うことができるという一面もある。X99マザーで限界に挑戦したい人にとって強力な武器になること間違いなしの1枚だ。([Text by 清水貴裕])

CPU電圧の安定化でOC耐性が向上
CPU側の隠し接点を利用するために、ASUSTeKが独自にピン数を増やしたのがOC Socketだ。LGA2011-v3との互換性は確保されている
競技用の再起動ボタンが新たに追加
定格設定で再起動させるSafe Bootボタンと同じ設定で再起動させるReTryボタンを搭載。電源やリセットボタンが効かなくなった際に重宝する
I/Oパネル部

その他ITライターによる評価

・石川ひさよし
【オーバークロッカーの要求を網羅した究極のOCマザー】
OCでもっとも重要なのは温度と冷却の監視だろう。付属の「OC Panel」は温度センサー用端子や追加ファンコネクタを装備し、それを手元、あるいは5インチベイで監視ができる。価格はウルトラハイエンドの中でも突出しているが、その機能を求めていたなら納得できる。

・鈴木雅暢
【公道も走れるスーパーカー】
VRMの高効率化、VRMヒートシンクのDirectCU化に加え、OC作業に便利な「Safe Boot」、「ReTry」の2ボタンを追加するなど着実に機能を強化。いずれもOCのレベルを問わず有効だ。5インチベイに入れて使える「OC Panel」はOC競技に必須の道具であると同時に、ガジェットとしても楽しい。

【Specification】

対応CPU:Core i7、メモリスロット:PC4-26400 DDR4 SDRAM×8(最大64GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×4(x16/x16/- /-、x16/x8/x8/x8などで動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×1、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、SATA Express×2、SATA 3.0×8、USB 3.0×14、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0

ASRock Fatal1ty X99M Killer(実売価格:36,000円前後)

超高級microATXゲーミングマザー
LGA2011-v3/Intel X99/microATX

 X99チップセットを搭載するmicroATXゲーミングマザー。メモリスロットが4本しかない点が唯一残念だが、microATXサイズの基板に上位モデルと同じ12フェーズ構成のVRMが収まっているのだから驚きだ。IntelとQualcomm AtherosのデュアルLAN仕様な上に、ゲーマー向けのサウンド機能が搭載されているので、ゲーミングマザーとしての完成度は高い。([Text by 清水貴裕])

I/Oパネル部

その他ITライターによる評価

・石川ひさよし
ウルトラハイエンドをコンパクトに、といったニーズをくみ取る現在唯一の製品。microATXなりの制限はあるものの、SLIをサポートしCPU直結のM.2スロットや高音質オーディオ回路も搭載する。

・鈴木雅暢
microATXの限りあるスペースに実装したLGA2011-v3の大きなソケットと12連の60Aパワーチョーク、そしてタンタルコンデンサがインパクト抜群。自作欲をビンビン刺激してくる。

【Specification】

対応CPU:Core i7、Xeon、メモリスロット:PC4-24000 DDR4 SDRAM×4(最大64GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、SATA 3.0×10、eSATA(SATA 3.0)×1、USB 3.0×6、USB 2.0×8、LAN:1000BASE-T×2

ASUSTeK Computer MAXIMUS VII FORMULA(実売価格:45,000円前後)

ゲーミング超特化型のROGマザー
LGA1150/Intel Z97/ATX

 ビデオカードの熱から基板を守るための「ROG Armor」をまとったLGA1150対応ROGシリーズのハイエンドゲーミングマザー。8フェーズ構成のVRMを冷却するヒートシンクは、水冷化にも対応している。S/N比120dBを達成した高音質なサウンド機能「SupremeFX Formula 2014」には、600Ω対応の高性能ヘッドホンアンプが搭載されている。([Text by 清水貴裕])

I/Oパネル部

その他ITライターによる評価

・石川ひさよし
基板の表裏を「ROG Armor」でカバーした外観はインパクト大。ややチートくさいが敵の位置をレーダーサイト上に表示する「Sonic Radar II」やキーボードマクロといったソフトウェア機能も備えている。

・鈴木雅暢
目新しさには欠けるが、先代がそれだけ完成度が高かったことの証でもある。VRMヒートシンクの強化とFan Xpert 3で鉄板度はさらにアップ。高負荷高耐久、長期常用マザーとして王者の座は揺るがない。

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron、メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)、ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×3、PCI-E Mini Card×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、SATA Express×2、SATA 3.0×6、USB 3.0×8、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0

ASRock X99 OC Formula(実売価格:48,000円前後)

進化した自動OC機能がウリ
LGA2011-v3/Intel X99/ExtendedATX

 UEFIに搭載されている、Nick Shih氏監修の自動OC機能が大幅に進化したのが特徴。プロファイルを選ぶだけで、CPUやメモリの設定をすべて行なってくれるから楽チン。([Text by 清水貴裕])

 絶縁保護コーティングでおなじみのOC Formulaの最新作。4-way SLI対応や高音質サウンド回路も備え、ゲーミングPCにも向く。保証も5年あり、用途を選ばない万能型だ。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、Xeon、メモリスロット:PC4-27200 DDR4 SDRAM×8(最大128GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×5(x16/x16/- / - / -、x8/x8/x16/- / -、x8/x8/x8/x8/-などで動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x4接続)×1、SATA 3.0×10、USB 3.0×11、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×2

ASRock Fatal1ty X99 Professional(実売価格:49,000円前後)

伝説のプロゲーマー監修の最高級モデル
LGA2011-v3/Intel X99/ExtendedATX

 ゲーマー向けのサウンド機能やゲーミングマウス向けの高速なUSBポートを備えるスペシャルな1枚。1,300Wまで対応のVRMを搭載しているのでOCもなんなくこなす。([Text by 清水貴裕])

 X99 OC FormulaとそっくりだがこちらはKiller E2200チップを採用し、オンラインゲームのトラフィックを優先的に処理する。プレイ動画配信ソフトのライセンスも付属。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、Xeon、メモリスロット:PC4-27200 DDR4 SDRAM×8(最大128GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×5(x16/x16/- /- /-、x8/x8/x16/- / -、x8/x8/x8/x8/-などで動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x4接続)×1、SATA 3.0×10、USB 3.0×11、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×2

ASRock X99 WS(実売価格:44,000円前後)

信頼性がウリのワークステーションマザー
LGA2011-v3/Intel X99/ExtendedATX

 高品質コンポーネントの採用と、サーバーグレードの回路設計が織りなす信頼性の高さが魅力的な1枚。安定性重視のタフなマザーを探している人にオススメだ。([Text by 清水貴裕])

 チップセットが備えるインターフェースをシンプルに実装した製品。欲しい機能は自分で吟味した拡張カードで追加していきたい、というユーザーに向いている。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、Xeon、メモリスロット:PC4-25600 DDR4 SDRAM×8(最大128GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×5(x16/x16/- / - / -、x8/x8/x16/- /-、x8/x8/x8/x8/-などで動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、主なインターフェース:M.2(Socket3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、SATA 3.0×10、eSATA(SATA 3.0)×1、USB 3.0×6、USB 2.0×8、LAN:1000BASE-T×2

ASRock X99 Extreme6(実売価格:38,000円前後)

実用性の高いスタンダードモデル
LGA2011-v3/Intel X99/ATX

 ウルトラハイエンドクラスの中ではめずらしい、汎用性の高いスタンダードタイプの製品。拡張スロットや各種ポート類の数も十分なので、さまざまな用途に対応できそうだ。([Text by 清水貴裕])

 スタンダードなATXマザーボード。拡張カードはビデオカードぐらい、CPUのマルチスレッド性能を活用したいというユーザー向け。搭載部品の質もよく、比較的安価だ。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、Xeon、メモリスロット:PC4-25600 DDR4 SDRAM×8(最大128GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×5(x16/x16/- / - / -、x8/x8/x16/- /-、x8/x8/x8/x8/-などで動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、主なインターフェース:M.2(Socket3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、SATA 3.0×10、eSATA(SATA 3.0)×1、USB 3.0×6、USB 2.0×8、LAN:1000BASE-T×2

ASUSTeK Computer X99-DELUXE(実売価格:46,000円前後)

ゴージャスな全部入りモデル
LGA2011-v3/Intel X99/ATX

 DELUXEの名が示すとおり、実装や機能が充実しているのでどんな用途にもマッチする。基本性能が高いので、ゲームやOCまでもこなせるポテンシャルを秘めている。([Text by 清水貴裕])

 Web投票3位と人気を集めた理由はやはり全部入りの安心感からだろう。最大1,300Mbpsの無線LANアンテナが付属するなど、実用性の高い機能が豊富なのはよい。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、メモリスロット:PC4-25600 DDR4 SDRAM×8(最大64GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×5(x16/x16/x8/ - / -、x8/x8/x16/x8/ -、x8/x8/x8/x8/x8などで動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x4×1、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4)×1、SATA Express ×2、SATA 3.0×8、USB 3.0×14、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×2、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0、M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)インターフェースカード×1

ASUSTeK Computer X99-PRO(実売価格:42,000円前後)

機能を絞ったスタンダードマザー
LGA2011-v3/Intel X99/ATX

 実装や機能などが充実していてよいマザーなのだが、上位のX99 DELUXEとの価格差が4,000円と小さいため立ち位置が微妙な印象。もう少し安ければ……。([Text by 清水貴裕])

 DELUXEからちょこちょこと機能が削られているがそれでも十分高機能。PCI Express 3.0 x4接続のM.2インターフェースカードが付属し、高速なM.2 SSDを2台使える。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、メモリスロット:PC4-26400 DDR4 SDRAM×8(最大64GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×3(x16/x16/x8などで動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×2、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×8、USB 3.0×10、USB 2.0×8、 LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0、M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)インターフェースカード×1

GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-X99-SOC Force(rev. 1.0)(実売価格:50,000円前後)

オンボードのOC向けボタンを多数実装
LGA2011-v3/Intel X99/ExtendedATX

 ところ狭しと実装された、OC設定用のオンボードボタンが特徴的。空冷や水冷では便利な機能だが、極冷では24ピン付近が凍ってしまうのでもう少しシンプルにしてほしい。([Text by 清水貴裕])

 OC向けをうたった製品だが、バックパネルやVRMなどに内蔵されたLEDがオーディオ出力に合わせて点滅するギミックを備える。4-way SLI対応なのでゲームPCにも。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、メモリスロット:PC4-24000 DDR4 SDRAM×8(最大64GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×4(x16/x16/x8/ -、x8/x16/x8/x8で動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x1×3、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x4接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×8、USB 3.0×10、USB 2.0×8、LAN:1000BASE-T×1

GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-X99-Gaming G1 WIFI(rev. 1.0)(実売価格:53,000円前後)

高音質サウンド機能搭載のゲーミングモデル
LGA2011-v3/Intel X99/ExtendedATX

 Creative製のSound Core3Dを搭載したサウンド回路は、ニチコン製のオーディオ向けコンデンサや、600Ω対応の高性能ヘッドホンアンプを搭載した妥協のない作り。([Text by 清水貴裕])

 40レーンの広帯域を活かし、4-way SLIにも対応するハイエンドゲーミングマザー。作り込まれたサウンド回路が特徴的で、オペアンプの交換なども楽しめる。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、メモリスロット:PC4-24000 DDR4 SDRAM×8(最大64GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×4(x16/x16/x8/ -、x8/x16/x8/x8で動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x1×3、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、M.2(Socket 1、PCI-E 2.0x1接続)×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)、SATA Express×1、SATA 3.0×8、USB 3.0×12、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×2、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0

GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-X99-UD7 WIFI(rev. 1.0)(実売価格:43,000円前後)

万能さが光る正統派ウルトラハイエンドマザー
LGA2011-v3/Intel X99/ExtendedATX

 スタンダード系マザーではあるが、4GPUに対応可能なスロット配置を採用しているのは好印象。光るバックパネルは好みが分かれる部分だが、個人的にはアリ。([Text by 清水貴裕])

 OCやゲーミング向けモデルに比べるとサウンド回路やLANチップのグレードは落ちるのだが、十分豪華なレベル。コストパフォーマンスはかなりよい。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、メモリスロット:PC4-24000 DDR4 SDRAM×8(最大64GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×4(x16/x16/x8/ -、x8/x16/x8/x8で動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x1×3、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、M.2(Socket 1、PCI-E 2.0x1接続)×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)、SATA Express×1、SATA 3.0×8、USB 3.0×12、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×2、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0

Micro-Star International X99S XPOWER AC(実売価格:48,000円前後)

競技向けの実装が光る
LGA2011-v3/Intel X99/ExtendedATX

 OCの世界大会を毎年開催しているメーカーが作るOCマザーだけあり実戦的で使いやすさを重視した基板のレイアウトが好印象。基板が大きいのでケースとの相性がシビアか。([Text by 清水貴裕])

 「殻割りダイ・ガード」が付属するなど本格的なOC向け機能が豊富。それでいながら無線LANを備えるなど使い勝手にも配慮されている。高耐久マザーとして選ぶ手も。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、メモリスロット:PC4-26600 DDR4 SDRAM×8(最大128GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×5(x16/- /- /x16/x8、x8/x8/- /x16/x8などで動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x1×1、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、SATA Expres s×1、SATA 3.0×8、USB 3.0×14、USB 2.0×7、LAN:1000BASE-T×2、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0

Micro-Star International X99S GAMING 7(実売価格:32,000円前後)

完成度の高いX99ゲーミングマザー
LGA2011-v3/Intel X99/ATX

 高級ゲーミングマザーとしては標準的な実装でハデさはない。USBポートなどのバックパネル部分のカラーリングが赤と黒で統一されているのが個人的にグッときた。([Text by 清水貴裕])

 高価な製品が目立つLGA2011-v3対応マザーの中にあって、コストパフォーマンスのよさはかなりのもの。フルレーンの2-wayマルチGPUを構築したいなら狙い目だ。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7、メモリスロット:PC4-26600 DDR4 SDRAM×8(最大128GB)、ディスプレイ:-、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×4(x16/x16/- /x8などで動作 ※40レーンCPU使用時)、PCI-E 2.0 x1×2、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×8、USB 3.0×12、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×1

ASRock Z97 OC Formula(実売価格:31,000円前後)

競技で勝つための実装が凝縮された1枚
LGA1150/Intel Z97/ATX

 DDR3メモリのOCに長けたZ97マザー。高クロック動作よりもアクセスタイミングを詰めた設定が得意で、多くのトップオーバークロッカーが競技で使用している。([Text by 清水貴裕])

 競技OC仕様ということは耐久性や機能の実効性に定評があるということであり、少しでもCPUパワーが必要なら検討する価値はある。耐久性の点でも多いに期待できる。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron、Xeon、メモリスロット:PC3-27200 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)、ディスプレイ:HDMI×1、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×3(x16/- /-、x8/x8/-、x8/x4/x4で動作)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×2、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×6、USB 3.0×8、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×1

ASUSTeK Computer Z97-DELUXE(実売価格:34,000円前後)

正統派ウルトラハイエンドマザー
LGA1150/Intel Z97/ATX

 16フェーズ構成のVRMは安定性重視の味付けで発熱が小さい。インターフェースも充実しているし、ウルトラハイエンドクラスの中では手に取りやすい価格なのもよい。([Text by 清水貴裕])

 すべての機能が高いレベルにある、これぞウルトラハイエンドという存在。ただ、この価格帯では高品質、多機能に加えてもう一つウリが欲しいというのが最近の流れか。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron、メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)、ディスプレイ:DisplayPort×1、Mini DisplayPort×1、HDMI×1、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×4、主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、SATA Express×2、SATA 3.0×6、USB 3.0×10、USB 2.0×8、 LAN:1000BASE-T×2、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0

GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z97X-Gaming G1 WIFI-BK(rev. 1.0)(実売価格:48,000円前後)

最強レベルのゲーミングマザー
LGA1150/Intel Z97/ATX

 Z97ゲーミングマザーでは知る限り唯一の16レーン×2のマルチGPUに対応したモデル。灰色をアクセントに入れたことでカラーリングの統一感がなくなっている点が残念([Text by 清水貴裕])

 ストレステストをパスした個体のみ出荷される「Black Edition」モデル。高価だが、数あるZ97マザーの中でも1、2を争う高機能に加え、5年保証の安心感を評価。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron、メモリスロット:PC3-25600 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)、ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I×1、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×4(x16/x16/- /-、x8/x8/x8/x8などで動作)、PCI-E 2.0 x1×3、主なインターフェース:SATA Express×1、SATA 3.0×8、USB 3.0×8、USB 2.0×8、LAN:1000BASE-T×2、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0

Micro-Star International Z97 XPOWER AC(実売価格:50,000円前後)

殻割りOCに対応したプロ仕様
LGA1150/Intel Z97/ExtendedATX

 殻割りしたCPUをそのまま取り付けるための殻割りダイ・ガードが付属。かなりリスキーなアイテムだが、極限までOCしたい人は試してみる価値のある製品だ。([Text by 清水貴裕])

 Z97を搭載したマザーボードでは唯一のExtended ATX対応モデル。そのサイズを活かして巨大なヒートシンクやファンスタンド、オンボードボタンなどを豊富に備える。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron、メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)、ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×5(x16/x16/-/-/-、x8/-/x8/x8/x8などで動作)、PCI-E 2.0 x1×2、主なインターフェース:M.2(Socket3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、SATA 3.0×10、USB 3.0×12、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0

Micro-Star International Z97 GAMING 9 AC(実売価格:39,000円前後)

高品質サウンド機能搭載のゲーミングマザー
LGA1150/Intel Z97/ATX

 ゲーム用のサウンド機能とは別に、S/N125dBの高音質なサウンド機能を搭載しているのがおもしろい。こういったほかの製品にはない実装は心にグッとくるものがある。([Text by 清水貴裕])

 ゲーミングマザーを流行させたMSIだけに、ハイエンドクラスの実装には他をリードする部分が散見される。本機も実用面だけでなく、デザイン的にも優れているのが特徴だ。([Text by 遠山健太郎(パワレポ編集部)])

I/Oパネル部

【Specification】

対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron、メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)、ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×5(x16/x16/-/-/-、x8/-/x8/x8/x8などで動作)、PCI-E 2.0 x1×2、主なインターフェース:M.2(Socket3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、SATA 3.0×10、USB 3.0×12、USB 2.0×6、LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n、そのほか:Bluetooth v4.0



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(AKIBA PC Hotline!編集部)