パワレポ連動企画

【10年使えるATXケース徹底紹介(7)】
~Corsair Carbide SPEC-02 / Fractal Design Core 3300 / In Win IW-BWR146W編~

DOS/V POWER REPORT 2015年3月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集記事をほぼまるごと紹介するこのコーナー、今回は「10年使えるATXケース徹底特集」の第7回目としてCorsair Componentsの「Carbide SPEC-02 Blue LED」とFractal Designの「Core 3300」、In Win Developmentの「703」の検証記事を掲載する。

 側面がクリアーパネルになっているケースは点灯ギミックを持つマザーボードやファンと組み合わせることで光のデコレーションやそれに照らされる内部パーツを楽しむことができるが、クリヤーパネルは当然ながら内部の埃や汚れも目に付く。クリヤーパネル採用ケースの場合はファンフィルターの有無や清掃のしやすさにも注目だ。

 もちろん中が見えないケースでも定期的な清掃は必須。今の時期は気温が低いため多少冷却性能が下がっていても問題は出にくいが、気温が高くなるにつれトラブルの原因となる場合がある。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年3月号は全国書店、ネット通販にて絶賛発売中。3月号では本特集のほか、今話題の低価格タブレットPCを筆頭にその魅力に迫る「2万円からのフル機能激安PC選び」、用途・予算に合わせて選ぶ「低価格CPU大全」、髙橋敏也氏による連載記事「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」など、多数の記事を掲載。

 今号の特別付録は「使えるPC小物&周辺機器大カタログ」。ちょっと欲しい!今すぐ欲しい!がいっぱい!!の内容だ。


- ATXケースの選び方 2015年版 -
10年使えるATXケース徹底紹介


扱いやすい軽いボディにブルーLEDの前面ファン

Corsair Components
Carbide SPEC-02 Blue LED Mid-Tower Gaming Case

メンテナンス性 ★★★★☆
冷却拡張性   ★★★★★
剛性      ★★★☆☆

 「Carbide SPEC-02 Blue LED」は、5kgという片手でも持てる扱いやすい軽量ボディに最大6基の冷却ファンを搭載可能と冷却を重視した作りが特徴のミドルタワーケースだ。

 3.5インチ、2.5インチどちらのドライブもシャドーベイに挿し込むだけで固定でき、5インチベイもツールレスでドライブをロック可能、裏面配線にも対応とメンテナンス性にも優れている。比較的コンパクトなボディながら内部は広めで、パーツも組み込みやすい。

 このほか、同社の水冷ユニットであるH80i/H75/H60/H55の取り付けもサポート。ビデオカードは最大42cmのものを搭載可能と、ハイエンドのGPUも余裕で活用できる。また、左側面はアクリルパネルを採用しており、前面のブルーに光る冷却ファンの様子をいつでも楽しめる。ちなみに、ブルーの光は前面からも見ることが可能だ。

 前面と底面にはホコリの侵入を防ぐフィルタが備わっているが、取り外しにくいため、清掃は少しやりにくい。軽い分、剛性やファンによる共振対策には多少不安があるものの、低価格ながら、高い冷却性と拡張性を備えている。

【Specification】

規格:ATX●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:5インチ×2、3.5インチシャドー×3、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:12cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)●追加搭載可能ファン:14/12cm角×1(前面)、14cm角×1(前面、12cm角×1と排他)、12cm角×2(天板)、12cm角×1(底面)●本体サイズ(W× D× H):215×493×426mm●重量:5kg●実売価格:7,500円前後

前面ファンにはLEDを内蔵
前面の冷却ファンにブルーLEDを内蔵し、電源ONで青く光る。また、前面には14/12c m角のファンを追加が可能だ
ツールレスでドライブを固定
5インチベイ、3.5インチシャドーベイ、2.5インチシャドーベイは、いずれも挿し込むだけでドライブを固定できる
組み込みやすい広い内部
小型のボディながら、奥行きは広く確保されており、パーツを組み込みやすい。ビデオカードは最大42c mのものの取り付けが可能だ
前面と底面にはフィルタを搭載
前面と底面にはホコリ対策のフィルタが搭載されている。ただ、取り外しはしにくく、清掃は少少やりにくい

ローコストで高い拡張性を実現

Fractal Design Core 3300

メンテナンス性 ★★★★☆
冷却拡張性   ★★★★★
剛性      ★★★☆☆

 ExtendedATXにも対応できるゆとりある内部スペースを持つミドルタワーケース。冷却ファンは前面、側面、天板、底面のそれぞれに追加可能で、最大7基も搭載できるため、冷却にこだわるゲーマーやオーバークロッカーにもオススメだ。水冷のラジエータも、天板、前面、背面にそれぞれ取り付けられる。

 ストレージの固定方法はユニークで、左側面にある取り外し可能なトレイへと垂直に固定する。このトレイには、内側に3.5インチドライブを3台、外側に2.5インチインチを3台取り付け可能だ。さらに、マザーボードベースの裏面に2.5インチドライブを2台取り付けられるのがおもしろい。トレイは簡単に外せるので、パーツを組み込むための作業スペースが確保しやすく、ビデオカードは最大43cmのものを搭載可能と内部スペースも非常に広い。それだけにサイズも大きめではあるが、メンテナンス性は優れている。

 また、底面にはホコリの侵入を防ぐフィルタが用意されているが、背面側に引けばすぐに出せるので汚れがたまっても清掃しやすい。

【Specification】

規格:ExtendedATX●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:5インチ×2、3.5/2.5インチシャドー×3、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:14cm角×1(前面)、14cm角×1(背面)●追加搭載可能ファン:14/12cm角×1(前面)、12cm角×1(前面、14cm角×1と排他)、14/12cm角×1(側面)、14/12cm角×2(天板)、14/12cm角×1(底面)●本体サイズ(W×D× H):233×517×451mm●重量:7.8kg●実売価格:11,000円前後

多くのファンを追加可能
天板に14cm角を2基追加できるのをはじめ、底面や側面など合計で7基までファンを搭載できる。冷却力を求める人向けのケースだ
ラジエータも搭載できる
天板、前面、背面のそれぞれにラジエータを装着できるスペースが確保されている。とくに前面は28c mのサイズまで搭載が可能だ
ストレージは垂直に固定する
小型のボディながら、奥行きは広く確保されており、パーツを組み込みやすい。ビデオカードは最大42c mのものの取り付けが可能だ
裏面にも2.5インチドライブを搭載
マザーボードベースの背面にも2.5インチシャドーベイが用意されており、2台までドライブを取り付けできる

スマートなデザインと使いやすい内部構造

In Win Development 703(IW-BWR146W)

メンテナンス性 ★★★★☆
冷却拡張性   ★★★☆☆
剛性      ★★★☆☆

 In Winの「703」は、シルバーを基調としたスマートなデザインと左側面の大型アクリルパネルが目を引くが、内部は非常にオーソドックスな作りでクセがなく扱いやすいミドルタワーケースだ。デザイン性に優れながらも、1万円以下という価格を実現しているのも特徴と言える。

 ちなみに、見た目はアルミのようだが、使われている素材は0.6mm厚のスチールだ。4基のシャドーベイは、3.5インチと2.5インチの両方に対応。専用のトレイにストレージを固定して挿し込むタイプだ。3.5インチドライブはトレイにツールフリーで固定できるが、2.5インチはネジによる固定が必要だ。また、2基の2.5インチシャドーベイは、ドライブをケースの内部に直接固定する方式を採用している。

 ビデオカードは最大40cmのものを搭載可能とハイエンドのGPUにも十分対応できるスペースが確保されている。左側面のアクリルパネルは透明度が高いので、発光タイプのケースファンを追加するのもよいだろう。裏面配線にも対応している。低価格で使いやすいため、自作初心者にもオススメしやすい1台だ。

【Specification】

規格:ATX●カラー:ホワイト●付属電源:なし●ベイ:5インチ×1、5インチシャドー×2、3.5/2.5インチシャドー×4、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:12cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)●追加搭載可能ファン:12cm角×1(前面)、12cm角×1(底面)●本体サイズ(W×D×H):210×477×432mm●重量:5.4kg●実売価格:8,000円前後
AKIBA PC Hotline!掲載記事:今週見つけた新製品 IN WIN 703(IW-BWR146W) (2014/12/24)

シンプルなフロント
オープンタイプの5インチベイを1基だけにすることで、ホワイトを基調としたインテリア性の高いデザインに仕上がっている
ストレージは専用トレイを使用
3.5インチと2.5インチに両対応するシャドーベイは4基ある。専用のトレイにドライブを固定して挿し込む方式だ
大型のアクリルパネルを採用
左側面には大型のアクリルパネルを採用。透明度も高く、中の動作状況が分かりやすい。光るパーツを組み込むのもアリだ
裏面配線にも対応
裏面配線用のホールが用意されている。フロントパネルのケーブル類は最初から、このホールを通して配線されている

[Text by 芹澤正芳]


DOS/V POWER REPORT 2015年3月号は2015年1月29日(木)発売】

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(AKIBA PC Hotline!編集部)