パワレポ連動企画

自作PCを“オススメ”する理由

【保存版 PC自作マニュアル 2015(1)】

DOS/V POWER REPORT 2015年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、今回より「2015年5月号」の総力特集「保存版 PC自作マニュアル 2015」を掲載する。なお、5月号は3月28日(土)発売予定で、今回は一足早くお届けする。

 Windows95の登場以降、大きく広がりを見せた自作PC。その後のOSの進化とともに一時代を築いてきた自作PCも、昨今安価なメーカー製PCやPCショップのBTOパソコンの登場により価格的なメリットを失いつつある。

 第一回目の今回は、いくつかのポイントでメーカー製PCやBTOパソコンと比較し、PCを自作するメリットについて考察する。なぜ自作PCなのか?「そこにパーツがあるから」とか、「PC自作こそマイライフワーク」というような理由不要な読者の方々もぜひお付き合いいただきたい。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年5月号は全国書店、ネット通販にて3月28日(土)に発売予定。58ページの大ボリュームで送る総力特集「保存版 PC自作マニュアル 2015」のほか、キャリアメールが必要ないならこれでいいんじゃないか?「知らなきゃ損するMVNO! 六つの格安SIMを比較する」、802.11nが普及してきたと思ったら、時代はすでに11ac?最新の通信事情に対応したネットワークアイテムを紹介する「有線・無線LANをもっとスマートに ネットワークまわりの便利アイテム大集合!」、やっぱりソフトウェアキーボードより使いやすい!「PCでもスマホ&タブレットでも大活躍! Bluetoothキーボードオールスターズ」など、特別企画も盛り沢山。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、Windowsをもっと便利に、さらに快適にするテクニックが満載の「自作PC がよくなるWindows設定集」。Windows7とは勝手が違うWindows8で困ったときに役立つ本だ。


- 保存版 PC自作マニュアル 2015 -
自作PCを“オススメ”する理由


PCは自作が当たり前……じゃないの!?
自作PCをオススメする理由

 価格的なメリットが薄れて久しいのに、今も昔もPCは自作するのが当然というユーザーは多い。それはなぜだろうか? PCを自作するメリットを考えてみた。

すべてを自分で決めたPCは満足感が違う

 PCを自作するメリットを考えてみると、まず構成が自由に決められることが挙がる。PCと一口に言っても、求めるスペックは多様化している。BTOによるカスタマイズはそれに対応したものだが、ハイエンドとローエンドパーツを混在させたようなシステムは選べないことが多い。仮にそれができたとしても、全然もの足りない。

 というのも、PCを自作してPCパーツに対する理解が進むと、それぞれのパーツに求める条件も増えてくる。たとえば、ビデオカードなら、GPUとビデオメモリ容量だけでなく、電源回路、クーラーの冷却性能と静音性、デザインなど、さまざまな要素を検討してこだわって選ぶようになる。パーツへの理解に裏付けられたこだわりは、当然使用感にも直結する。その満足感は、既製品の比では
ない。
 価格メリットがないということも、既製品のもっとも割安な構成を、同じ価格では再現することが難しいというだけだ。重要なのは、欲しい構成の価格であり、自作PCならではのメリハリのある構成であれば価格面のメリットも十分ある。そもそも、価格以前に自作PC以外では同じ構成を再現できないことがほとんどだろう。

 もっと言えば、自作PCは汎用規格のパーツで組むわけだから、後からのパーツの追加や交換が容易だ。一度組み立ててしまえば、次からは一部のパーツを流用することでコストを削減できる。一部のパーツを入れ換えていくだけで、常に一流の性能、機能をキープすることができるのだ。むしろトータルで考えれば、格安だろう。


スペックを比較
自作なら定番からニッチまで自由自在

 自作PCなら低価格CPUでもストレージは大容量に、ビデオカードはハイエンドを、といったようにパーツ構成が自由自在。ショップ系PCもそれなりに自由が利くものの、変更できない部分があったりする。メーカー製PCはコストや生産効率の関係から売れ筋のみにフォーカスする傾向があり、カバー範囲が狭い。

大手PCメーカー製PCへの不満
・高性能な選択肢がほとんどない
・カスタマイズできても自由度が低く、好みの構成にできない

ショップブランド・BTO系への不満※1
・低価格CPUと高速SSDの組み合わせなど、メリハリのある構成にしにくい
・静音性や耐久性、品質面など細かいこだわりまでは反映させられない

自作PCならスペックは思いのまま

※1 記事初出時、「大手PCメーカー製PCへの不満」の項が2重で掲載されておりました。お詫びして訂正致します。


価格を比較
構成によって強いゾーンが異なる

自作ならではの自由度を活かしてメリハリを付ければ、低コストで満足感の高いPCが作れる

 絶対的な安さなら、生産規模を活かして大量購入でパーツを安く仕入れられる大手メーカー製PCが有利。ミドルレンジクラス以上のシンプルな構成なら、ショップ系PCもかなり割安だ。

 自作PCはそれらのゾーンから外れた、ある意味アンバランスな構成でこそコストパフォーマンスが高まる。

安さではメーカー製PCが有利

デザインを比較
自作なら内部にまでこだわれる

限定カラーのビデオカードや発光機能付きのファンやメモリなど、「見せる」ことを意識したパーツが増えており、中身も含めたコーディネイトを楽しめる

 最近のPCケースは外観のデザインだけでなく、中のパーツを見せることを意識した製品もある。そのため、本来は見えないはずのPCパーツでも限定カラーモデルや発光機能の搭載など、デザイン性を意識した製品が増えている。

 中身の見た目までこだわってコーディネイトできるという楽しみは、自作PCだからこそできるものだ。

自由なパーツ構成は自作PCの醍醐味

拡張・交換のしやすさを比較
自作ならば追加も交換も思いのまま

自由にパーツの交換や拡張を行なえるのが、自作PC最大の強みと言える

 メンテナンスしやすいPCケースや拡張性の高いマザーボードの選択など、これこそ自作PCの本領をフルに発揮できる点だ。

 ショップ系PCも自作PCに近いが、自由度の点では劣る。メーカー製PCはそもそも拡張性がなかったり、独自規格を採用していたりして、パーツの拡張や交換が困難なことがある。

 さらにパーツを交換することにより、メーカー保証を受けられなくなる可能性がある点にも注意。

拡張性の高さは自作PCならではのメリット

サポートを比較
自作PCはパーツ単位の保証のみ

ツクモのように、うまく動作しなかったり性能に満足できなかったりした場合などに、パーツを交換できる独自の保証サービスを提供しているショップもある

 一般的に、大手メーカーのPCはサポート体制が充実している。サポート人員も多く確保され、電話によるサポート受け付け時間も長い傾向がある。

 ショップ系にも電話サポートはあるが、受け付け時間が短めであったりと、やや体制が薄くなる傾向。一方、自作PCのサポートは、基本的にパーツ単位でしか受けられない。トラブルが出た場合でも、自分で原因を見付けて解決する必要がある。

自作PCでのトラブルは自己解決が基本

まとめ
自分で構成を考え、選ぶのがとにかく楽しい!

 ここまで自作PCのメリットと自作する理由について客観的に見てみたが、本音を言えば、これらは説得力を高めるために用意した理屈に過ぎない。本当の理由はもっとシンプル。そう、PCを自作する最大の理由は「楽しいから」。それにつきる。作りたいPCのテーマを決め、予算やパーツの性能、機能、特徴を吟味して構成を考えて選んでいく作業は実に楽しい。今あるPCのパワーアップや、外した古いパーツの活用法を考えることだって楽しいものである。自作PCは一度踏み込んだらやめられない魅力があるのだ。

結論、やっぱりPC自作は楽しい!

[Text by 鈴木雅暢]


DOS/V POWER REPORT 2015年5月号は2015年3月28日(土)発売】

★総力特集「保存版 PC自作マニュアル 2015」
★特別企画「六つの格安SIMを比較する」「ネットワークまわりの便利アイテム大集合!」「Bluetoothキーボードオールスターズ」
★連載「最新自作計画」「POWER REPORT PLUS」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 特別付録小冊子「自作PCがよくなるWindows設定集」(紙版のみ別途付録、電子版では本誌末尾に収録)
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(AKIBA PC Hotline!編集部)