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UEFI超入門 ~操作方法から基本設定まで~

【保存版 PC自作マニュアル 2015(12)】

DOS/V POWER REPORT 2015年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、今回より「2015年5月号」の総力特集「保存版 PC自作マニュアル 2015」を掲載する。

 今回は「UEFI」設定に関しての超入門口座を掲載する。難しくないとは聞いていても、設定項目が多くてどこを設定すればいいのか分からないというUEFI初心者は要チェック。動かすだけなら時計と起動順位だけ設定しておけば何とかなってしまうのだが、いくつか設定すべき項目はある。ポイントを押さえてハードウェアの性能を引きだそう。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年5月号は全国書店、ネット通販にて絶賛発売中。58ページの大ボリュームで送る総力特集「保存版 PC自作マニュアル 2015」のほか、キャリアメールが必要ないならこれでいいんじゃないか?「知らなきゃ損するMVNO! 六つの格安SIMを比較する」、802.11nが普及してきたと思ったら、時代はすでに11ac?最新の通信事情に対応したネットワークアイテムを紹介する「有線・無線LANをもっとスマートに ネットワークまわりの便利アイテム大集合!」、やっぱりソフトウェアキーボードより使いやすい!「PCでもスマホ&タブレットでも大活躍! Bluetoothキーボードオールスターズ」など、特別企画も盛り沢山。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、Windowsをもっと便利に、さらに快適にするテクニックが満載の「自作PC がよくなるWindows設定集」。Windows7とは勝手が違うWindows8で困ったときに役立つ本だ。


- 保存版 PC自作マニュアル 2015 -
UEFI超入門 ~操作方法から基本設定まで~


操作方法から基本設定まで
UEFI超入門

 自作PCを正しく動作させるためにはUEFIの設定が必要だ。ここではUEFIセットアップの操作方法から必ず行なっておきたい設定まで、UEFIの基本を解説しよう。

UEFIセットアップで何ができる?

ハードウェア設定が行なえる
起動ドライブの設定など、UEFIセットアップではハードウェアに関連する各種の設定を行なうことができる

 UEFIは、マザーボードの基板上のROMに収納されたプログラムで、マザーボードに搭載・接続された各ハードウェアの動作を制御すると同時に、その情報をWindowsなどのOSに受け渡す役目をになっている。

 このUEFIの設定を行なう仕組がUEFIセットアップで、右にまとめたとおり、ハードウェアの動作状況の確認を行なったり、各ハードウェアをどのように動かすかを設定したりすることができる。

 UEFIの設定を行なわなくてもとりあえずは問題なく動く場合もあるが、実際は各パーツの性能を引き出していないこともあるので注意が必要。とくに、CPUやメモリが仕様どおりに動作しているか確認することは重要である。

 Serial ATAドライブの動作モードも設定が間違っているとSSDなどの性能を発揮させることができないため注意したい。

 これらの重要な設定は、ASUSTeKのZ97-PROを例に解説しているのでぜひ参考にしていただきたい。

各メーカーのUEFIセットアップ

* UEFIセットアップはメーカーによって違う *
テキストベースのため、一見とっつきにくいが、設定項目が分かりやすくまとめられており、操作は行ないやすい
グラフィカルで親しみやすいインターフェースが採用されているが、設定項目の階層が深く、やや上級者向け
主要項目を直観的に操作できるEZ ModeとOCなどの詳細設定を行なえるAdvanced Modeが用意されている
主要項目がまとめられたStartup Guideと詳細設定を行なえるSmart Tweak Modeなどが用意されている

 マザーボードメーカーは各社とも独自のインターフェースのUEFIセットアップを用意しており、設定項目名も、初期化機能を例にすると「Load Optimized Defaults」、「LoadSetup Defaults」などのように微妙に違う。しかし、用意されている基本設定項目は同じなので、どのような設定項目があるのかさえ覚えてしまえば、どのメーカーのUEFIセットアップでも迷うことなく使うことができるようになる。とくに最近はグラフィカルで直観的なインターフェースを採用するメーカーが増えているので、以前よりも操作はずいぶん簡単になっている。

 右で代表的なメーカーのUEFIセットアップを紹介したが、各社とも独自の工夫をこらした仕上がりだ。

UEFIセットアップの起動方法

UEFIセットアップの起動方法

UEFIセットアップの操作方法

UEFIセットアップの操作方法

CPUやメモリがきちんと動作しているか確認する

 UEFIセットアップを起動したら、まず確認したいのが、CPUとメモリが正しく認識されているかだ。通常は自動で認識されるが、マザーボードより発売時期が新しいCPUの場合、きちんと認識されないことがある。その場合は、そのCPUに対応している新しいバージョンのUEFIファイルが用意されていないか、メーカーのWebサイトで確認してみよう。また、XMPやAMPという規格に対応したメモリを使用している場合は、動作プロファイルを適用しなければ仕様どおりには動かない。手動で動作プロファイルを適用しよう。

各社のマザーボードとも、ほとんどのモデルでUEFIセットアップのメイン(Main)画面でCPUやメモリの動作状況を確認することができる

XMP、AMP対応メモリの設定

 XMP、AMPなどの規格に対応したメモリは、手動で動作プロファイルを適用する必要がある。自動認識させた場合、たとえば、DDR3-1866メモリであってもDDR3-1333メモリなどとして認識されてしまうので注意したい。プロファイルの適用方法は、マザーボードによって違うのでマニュアルで確認しよう。

XMPプロファイルの適用例
ASUSTeK Z97-PROの場合、Ai Tweakerの「Ai Overclock Tuner」メニューで「XMP」を選択
XMPメニューが出現するので、ドロップダウンリストから選んでプロファイルを適用する

SSD/HDDの動作モードの設定

 Serial ATAコントローラの動作モードは、SSDなどのストレージ性能に影響をおよぼす重要な設定項目。通常はAHCIに設定し、RAIDを構築する場合はRAIDに設定する。IDEに設定するとSSDや最新HDDの性能をフルに発揮できないので注意が必要だ。

通常はAHCIに設定する
Serial ATAコントローラの動作モードは、通常、AHCIに設定する

起動ドライブの設定

 OSインストール時は、OSのインストールメディアからシステムを起動する必要があり、ディスクを使う場合は光学ドライブを、USBメモリを使う場合はUSBメモリを最優先起動ドライブに設定する必要があることを覚えておきたい。インストールメディアの入ったドライブはUEFIの文字が記載されたものと記載されていないものが現われるが、Windows 8以降では通常はUEFIと記載されたドライブを選べばよい。

ASUSTeK Z97-PROの場合、最優先起動ドライブはBootメニューに用意されているBoot OptionPrioritiesのドロップダウンリストで選択できる

初期値に戻す

Load Optimized Defaultsを選択

 各社のマザーとも初期出荷状態に戻せるメニューが用意されている。ASUSTeK Z97-PROの場合、ExitメニューのLoad Optimized Defaultsで初期状態に戻すことができる。

UEFIのアップデート方法

UEFIアップデートのメリット

 UEFIのアップデートのメリットは右にまとめたとおり。機能改善や不具合の修正が主で、未対応のCPUなど新しいハードウェアや新しいOSへもUEFIのアップデートで対応できるようになることもある。通常、何のトラブルもなく使えていればUEFIのアップデートは必要ないと思うかもしれないが、新しいUEFIのアップデートファイルが提供されている場合は、メーカーが必要だと考えて配布しているわけで、新しいパーツを搭載する際やOSを再インストールするタイミングなどでアップデートを行なうことをオススメする。

 大手のマザーボードメーカーのUEFIにはUEFIアップデートツールが組み込まれており、それを使えばアップデートは簡単に行なうことができる。ここでは、そのツールを使ってUEFIのアップデートを行なう方法を紹介しよう。なお、マザーボードにはZ97チップセットを搭載したASUSTeKのZ97-PROを使用している。

アップデートファイルの入手方法

メーカーの製品紹介ページには、サポートページへのリンクがあるので、そこからUEFIのアップデートファイルを入手する

 UEFIのアップデートファイルは、メーカーWebサイトの製品紹介ページから入手できる。複数のファイルが配布されている場合は、できるだけ最新のものを選択しよう。

 なお、β版と銘打ったファイルを配布しているメーカーもあるが、よほどのことがない限り、β版のファイルには手を出さないほうがよい。

UEFIのツールを使ってアップデートする

①UEFIアップデートツールを起動する

 アップデートファイルの入ったUSBメモリをPCに接続してUEFIセットアップを起動、ToolメニューからUEFIアップデートツールの「ASUS EZ Flash 2 Utility」を選択し、Enterキーを押す。

②アップデートファイルの選択

 アップデートツールが起動したら、カーソルキーを使って、アップデートファイルが入ったUSBメモリを選択、Enterキー押してメモリ内のファイルを表示させた後、カーソルキーを使ってアップデートファイルを選択、Enterキーを押す。

③アップデートの読み出しと確認

 アップデートファイルの読み出しの確認と更新ファイルの確認を求められるので、間違っていなければ「Yes」を選択し、Enterキーを押す。

④アップデートの開始

 アップデートが開始されるので終了するまで何もせずに待つ。なお、アップデートの途中で電源が落ちるとUEFIファイルが破壊され起動不能になることもあるので注意したい。

⑤アップデートの終了

 「Update successfully! System will be reset!」と表示されたらアップデートは終了。OKボタンを押して再起動し、F1キーを押してUEFIセットアップを再度立ち上げ、各種設定後、保存して終了すれば作業は終わりだ。

[Text by 滝 伸次]


DOS/V POWER REPORT 2015年5月号は2015年3月28日(土)発売】

★総力特集「保存版 PC自作マニュアル 2015」
★特別企画「六つの格安SIMを比較する」「ネットワークまわりの便利アイテム大集合!」「Bluetoothキーボードオールスターズ」
★連載「最新自作計画」「POWER REPORT PLUS」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」

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(AKIBA PC Hotline!編集部)