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SSD基本パフォーマンス一斉比較――新旧SSDを多数追加!全16製品のベンチマークテスト結果を見る

SamsungとTeamの新製品&定番、中華SSDでよく見る仕様の製品を追加 text by 芹澤 正芳

 価格の全体的な上昇、トップブランドであるCrucialの撤退と、気になる話題の多い2025年秋冬のSSD。本企画は入手したSSD製品を順次テストし、その結果を一斉比較してみようという連載記事だ。

 第2回となる今回は新たに6製品を追加。PCI Express 5.0対応が3製品、PCI Express 4.0対応が3製品だ。前回と同じくすべて2TBで統一している。現役トップクラスのハイエンドモデルから中華SSDでよく見る構成の製品まで、注目している人も多いであろう製品が並ぶテスト結果をさっそく見てみよう。

PCIe 5.0対応のトップクラス製品を含む6製品を新たにテスト

 それでは、今回追加した6製品を簡単に紹介しておこう。

 まずは、Samsungから3製品。1台目はPCIe 5.0 x4対応のハイエンドモデル「9100 PRO」だ。シーケンシャルリード14,700MB/s、シーケンシャルライト13,400MB/sと現役最速クラス。2台目は「990 EVO Plus」で、PCIe 5.0 x2/4.0 x4両対応というちょっと珍しい仕様で、シーケンシャルリード7,250MB/s、シーケンシャルライト6,300MB/sだ。最後はPCIe 4.0 x4対応のハイエンドモデル「990 PRO」で、シーケンシャルリード7,450MB/s、シーケンシャルライト6,900MB/sと高スペックとなっている。

Samsung 9100 PRO
Samsung 990 EVO Plus
Samsung 990 PRO

 次はTeam Groupから2製品。まずはPCIe 5.0 x4対応の「T-FORCE GC PRO」だ。コントローラーにまだ採用例の珍しい「InnoGrit IG5666FAA」を採用し、スペックはシーケンシャルリード12,500MB/s、シーケンシャルライト11,000MB/sだ。もう1台はPCIe 4.0 x4対応の「T-CREATE CLASSIC C47」で、シーケンシャルリード7,400MB/s、シーケンシャルライト7,000MB/sと、PCIe 4.0 x4でのハイエンドモデルと言える。

 最後はFanxiangの「S660 SSD」だ。コントローラーに高コスパSSDでの採用例が多い「Maxio MAP1602A」を備え、シーケンシャルリード4,800MB/s、シーケンシャルライト4,500MB/sとミドルレンジと言えるスペックだ。S660 SSDは2023年末あたりから販売されている製品だが、同じコントローラー&似た仕様のNAND、という構成のいわゆる「中華SSD」はECサイトでよく見かける。そういった製品を見る際の参考としていただければと思う。

Team T-FORCE GC PRO
Team T-CREATE CLASSIC C47
Fanxiang S660 SSD
【テストを実施したSSD(容量はすべて2TB、太字は新規追加分)】
製品名PCIe接続NANDDRAMシーケンシャル
リード/ライト(MB/s)
Micron Crucial T710PCIe 5.0 x4TLC搭載14,500/13,800
Micron Crucial P510PCIe 5.0 x4TLCなし10,000/8,700
Nextorage Gシリーズ HEPCIe 5.0 x4TLCなし10,300/8,600
MSI SPATIUM M560PCIe 5.0 x4非公開なし10,300/8,700
Samsung 9100 PROPCIe 5.0 x4TLC搭載14,700/13,400
Samsung 990 EVO PlusPCIe 5.0 x2TLCなし7,250/6,300
Team T-FORCE GC PROPCIe 5.0 x4TLC搭載12,500/11,000
Fanxiang S660 SSDPCIe 4.0 x4TLCなし4,800/4,500
Micron Crucial T500PCIe 4.0 x4TLC搭載7,400/7,000
Micron Crucial P3 PlusPCIe 4.0 x4非公開なし5,000/4,200
Nextorage Gシリーズ LEPCIe 4.0 x4TLCなし7,400/6,400
Nextorage MEM-PABPCIe 4.0 x4TLC搭載7,400/6,400
Samsung 990 PROPCIe 4.0 x4TLC搭載7,450/6,900
SanDisk WD_BLACK SN850XPCIe 4.0 x4TLC搭載7,300/6,300
Team T-CREATE CLASSIC C47PCIe 4.0 x4TLCなし7,400/7,000
Micron Crucial MX500SATA 3.0TLC搭載560/510

 検証環境は以下の通りだ。システムSSDはチップセット経由のM.2スロット(PCIe 4.0 x4)に搭載。検証するSSDについてはCPU直結でPCIe 5.0 x4対応のM.2スロットに装着、ヒートシンクはマザーボード付属のものを利用した。バラック状態でテストを行っているため、PCケースに組み込んだ状態よりエアフローは弱い環境と言える。

 なお、Fanxiang S660 SSDおよびNextorage MEM-PABはヒートシンク搭載モデルなので例外としてマザーボードのヒートシンクは使用していない。

【検証環境】
CPUAMD Ryzen 7 9800X3D
(8コア16スレッド)
マザーボードROG CROSSHAIR X870E HERO
(AMD X870E)
メモリG.SKILL TRIDENT Z5 neo RGB
F5-6000J2836G16GX2-TZ5NRW
(PC5-48000 DDR5 SDRAM 16GB×2)
ビデオカードMSI GeForce RTX 5060 8G
VENTUS 2X OC
システムSSDMicron Crucial T700
CT2000T700SSD3JP
(PCI Express 5.0 x4、2TB)
CPUクーラーCorsair NAUTILUS 360 RS
(簡易水冷、36cmクラス)
電源Super Flower LEADEX III GOLD
1000W ATX 3.1(1,000W、80PLUS Gold)
OSWindows 11 Pro(24H2)

データ転送速度を測る「CrystalDiskMark」

 まずはストレージのデータ転送速度を測るベンチマークの超定番「CrystalDiskMark 9.0.1」を実行しよう。連続してデータを読み書きするシーケンシャルリード、ライト(Q8T1)とOSやアプリのレスポンスに直結しやすいランダムリード、ライト(Q1T1)を掲載する。

CrystalDiskMark 9.0.1の結果

 前回圧勝していたCrucial T710だが、ランダムライト以外は新顔のSamsung 9100 PROが塗り替えた。Samsung開発の5nmコントローラーと第8世代NANDメモリの組み合わせは現役最強格と言えそうだ。

 それに続くのは、コントローラーにInnoGrit IG5666FAAを採用するT-FORCE GC PROだ。Phison PS5031-E31Tを採用するCrucial P510、Gシリーズ HE、SPATIUM M560を上回る実力を見せた。PCIe 4.0 x4で見ると、同じく新顔のSamsung 990 PROが優秀だ。Crucial T500を超えるトータルバランスのよさを見せた。

アプリをシミュレートする「PCMark 10-Full System Drive Benchmark」

 ここからは、Office系、クリエイティブ系、ゲーム系などさまざまなアプリの動作をシミュレートするPCMark 10のFull System Drive Benchmarkを試そう。アプリに対するレスポンスのよさを確認できるテストだ。

PCMark 10-Full System Drive Benchmarkの結果

 ここでもトップに立ったのはSamsung 9100 PROで、前回トップのCrucial T710を上回った。PCIe 4.0 x4対応ではSamsung 990 PROが強い。Phison PS5031-E31Tを採用するPCIe 5.0 x4の3製品に迫るスコアを出しており、アプリに対するレスポンスのよさがうかがえる。新顔のT-CREATE CLASSIC C47もPCIe 4.0 x4対応で3番手と健闘を見せた。

ゲームに関するさまざまな処理を行う「3DMark-Storage Benchmark」

 次はゲームの起動やロード、データのコピー、録画しながらのプレイなどゲーム関連のさまざまな処理をシミュレートする3DMarkのStorage Benchmarkを実行しよう。総合スコアに加えて、個別の結果からゲームのロード時間を抜粋したものも掲載する。

3DMark-Storage Benchmarkの結果
3DMark-Storage Benchmarkのゲームロードの結果

 総合スコア、ゲームロードともにSamsung 9100 PROがトップを獲得した。あらゆる面で強いSSDだ。PCIe 4.0 x4対応を見るとSamsung 990 PROがここでもトップに。ゲーミング向けのWD_BLACK SN850Xを総合スコアで上回った。

 ゲームロードではCrucial T500が優秀だ。T-CREATE CLASSIC C47も高速で、レスポンスのよさが見える。T-FORCE GC PROはPCIe 5.0 x4対応ながらスコアが伸びなかった。コントローラーのInnoGrit IG5666FAAとの相性がよくないのかもしれない。

連続書き込み時の温度をチェック

 ここではTxBENCHを使い5分間連続で書き込みを実行した際の温度を「HWiNFO Pro」で測定した。書き込み実行前の温度をアイドル時とし、5分間書き込んだときの平均と最大の温度を掲載する。

5分間の連続書き込み時の温度

 ここでも驚かされるのが、Samsung 9100 PROだ。Crucial T710を超える性能を持ちながら平均温度はPCIe 5.0 x4対応の中でトップクラスに低い。Samsung 9100 PROはSLCキャッシュが切れたあとの速度が低めなので、Crucial T710よりも温度が上がりにくい側面はあるが、それを考慮しても5nmプロセス採用の自社製コントローラーは低発熱と言ってよいだろう。さすがは“ノートPCでも利用できる”とされているモデルだ。PCIe 4.0 x4では性能から考えるとCrucial T500とSamsung 990 PROが非常に優秀と言えそうだ。

 ちなみに5分間の連続書き込みと合わせてSLCキャッシュ容量と切れた後の平均速度も計測した。あくまでHWiNFO Proで追った値なので参考として見てほしい。

【SLCキャッシュ容量とキャッシュ切れ後の平均書き込み速度】
製品名PCIe接続SLCキャッシュ
容量
速度低下後
平均速度
Micron Crucial T710PCIe 5.0 x4約380GB4,043.0MB/s
Micron Crucial P510PCIe 5.0 x4約70GB2,039.6MB/s
Nextorage Gシリーズ HEPCIe 5.0 x4約421GB2,133MB/s
MSI SPATIUM M560PCIe 5.0 x4約422GB2,144.5MB/s
Samsung 9100 PROPCIe 5.0 x4約492GB1,445.5MB/s
Samsung 990 EVO PlusPCIe 5.0 x2約118GB1,264.7MB/s
Team T-FORCE GC PROPCIe 5.0 x4約632GB1,928.7MB/s
Fanxiang S660 SSDPCIe 4.0 x4約233GB2,536.4MB/s
Micron Crucial T500PCIe 4.0 x4約711GB667.1MB/s
Micron Crucial P3 PlusPCIe 4.0 x4約531GB162.6MB/s
Nextorage Gシリーズ LEPCIe 4.0 x4約55GB1,440.0MB/s
Nextorage MEM-PABPCIe 4.0 x4約53GB1,447.4MB/s
Samsung 990 PROPCIe 4.0 x4約233GB1,186.4MB/s
SanDisk WD_BLACK SN850XPCIe 4.0 x4約570GB1,593.4MB/s
Team T-CREATE CLASSIC C47PCIe 4.0 x4約366GB2,532.9MB/s
Micron Crucial MX500SATA 3.0468.4MB/s

 PCIe 5.0 x4対応ではSLCキャッシュ容量、切れた後の速度ともCrucial T710が優秀だ。Phison PS5031-E31Tを採用するCrucial P510、Gシリーズ HE、SPATIUM M560もキャッシュが切れた後の速度は高くなっている。PCIe 4.0 x4では、Fanxiang S660 SSDとT-CREATE CLASSIC C47がキャッシュ容量、切れた後の速度ともに優秀だった。ここは各社挙動が異なる面白い部分だ。

Samsung 9100 PROが優秀なパフォーマンスを見せる市場全体としては今後の価格動向が気になるところ

 ここまでが16製品のベンチマーク結果だ。新顔ではSamsung 9100 PROの優秀さが際立った。ピーク速度、アプリのレスポンス、ゲーム関連とどの分野でも強く、温度も低い。Samsungの第8世代NANDと5nm採用コントローラーは現役最強の組み合わせと言ってよいだろう。

 現在SSDは価格が不安定なので、コストパフォーマンスを比較するのは難しい。2025年12月中旬の原稿執筆時点では990 EVO Plusが低めの価格を維持しているが、それもいつまで続くか。そして何よりも、ブランド撤退が決まったCrucialのインパクトもとてつもなく大きい。このタイミングでSSDを購入するなら、本稿で紹介した性能を見つつ、最新の価格動向とのバランスを見て検討してみていただきたい。