パワレポ連動企画
ゲーム環境に妥協なし!ハイエンドGPU&水冷搭載ミニPC
【必ず満足!小型PC自作最前線(15)】
(2015/5/19 12:05)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、今回より「2015年6月号」の総力特集「必ず満足!小型PC自作最前線」を掲載する。
今回は小型といえども妥協は許されないゲーム用の小型PCを紹介する。ハイエンドなCPUとビデオカードを使っているため、なかなかいいお値段となっているが、プレイするゲームに合わせてパーツをチョイスすることで費用を抑えることも可能だろう。膝に矢を受けたくらいではへこたれない、優秀なゲーマーの面々にはお勧めの構成だ。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(火)に発売。60ページを超えるボリュームでお届けする総力特集「必ず満足!小型PC自作最前線」のほか、同じUSB3.0対応製品なのに性能が違う!「買って得するUSB 3.0メモリはコレだ!」、登場したのは数年前だけど、あっという間に一大勢力となったアイテムを紹介!「簡易水冷クーラーカタログ」、やっぱり体が資本!最新パーツだけでなく自分の健康にも投資するべき!!「つらい目・肩・腰に効く! PC向けデスクチェアを新調せよ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は、「新しいPC作ったら、OSも新しいものを使いたい!」という新しいもの好きにお勧めする「今スグ使える!Windows 10 Technical Preview かんたん解読書」。Windows 10 Technical Previewインストール方法や、機能について大解説。「夏の正式リリースまで待てない!」というせっかちな読者の面々には見逃せない一冊だ。
- 必ず満足!小型PC自作最前線 -
ゲーム環境に妥協なし!ハイエンドGPU&水冷搭載ミニPC
ゲーム環境に妥協なし!
ハイエンドGPU&水冷搭載ミニPC
目的とコアパーツが決まれば最終形はおのずと見えてくる
最新PCゲームの負荷に対抗するためには、何はなくともGTX 980クラスのビデオカードは必須。さらに最近のゲームはCPU負荷も無視できないほど高いため、LGA1150で最速のCore i7-4790Kも確保したい。
この二つの要素をキューブタイプの「Obsidian 250D Mini ITX PC Case」(以下、Obsidian 250D)に収め、かつ性能に妥協せずにまとめるにはどうすればよいかというのがこのプランのメインテーマ。ワットパフォーマンスのよいCPUとGPUを使うため、電源ユニットは550Wで十分だが、準ファンレス仕様にして静音性を確保。一方、CPUクーラーは、ケースに高さ制限があるため、空冷よりも簡易水冷が向いている。OCも視野に入れるのであれば、マザーもやはりOC向け製品がベスト。また、最近のゲームは平気で50GB以上占有するため、ストレージは大容量のSSD 1基でカバーする。
必要なCPUとGPUの割り出しを起点に、普段とは逆のアプローチでパーツを割り出した結果がこの構成、と言ってよいだろう。
小型ケースにハイパフォーマンスを詰め込め!
取り付けに必要なスペースの事前確認は慎重に!
小型PC自作で一番ダメージが大きいのはサイズの見積もりミスだ。Obsidian 250Dは比較的大型のMini-ITXケースだが、ケース下部は電源とシャドーベイ用のスペースなので、パーツの配置に使える実質的な空間はさほど広くない。とくにパーツの高さや厚みに関してはかなりシビアだ。よぶんなケーブルはキッチリとまとめ、内部空間を最大限に確保しつつ作業していこう。
大型ビデオカードは長さだけでなく高さにも注意
ATXマシンではパーツの高さについてあまり気にする必要はないが、Obsidian 250Dのような背の低いMini-ITXケースではパーツの高さにも注意。今回選択したビデオカードの上端とケース上側フレームの上端はほぼ同じ高さ。空冷クーラーも13cmまでに制限されるなど、高さのあるパーツは使用不可という制限を背負っていることを意識しよう。
ここまで何のトラブルもなく進んでいるように見えるかもしれないが、実は今回簡易水冷キットの選択を誤るという痛恨のミスをしてしまった。水冷キットのラジエータとファンはケースの右側面に固定するが、ラジエータが厚いとファンがマザーの上部スペースを占有してしまい、VRMやヒートシンク、あるいははEPS12Vコネクタなどと干渉する。水冷キットのラジエータの厚さは主に27/30/32mmの3種類があるが、今回一番薄い27mmに付属の25mm厚ファンを組み合わせてなんとか2mm程度のスペースを稼ぐことができた。小型ケースにハイパフォーマンスをキッチリと詰め込むには、事前の寸法確認をしつこいくらい行なうべきだろう。
GTX 980と水冷の実力をチェック
フルHDでゲームを遊ぶには期待どおりのパフォーマンスを発揮
本機の性能や安定性をチェックしていこう。基本性能を見るPCMark 8と3DMarkに加え、ゲームタイトルの代表として「バトルフィールド ハードライン」と「アサシン クリード ユニティ」をフルHD&最高画質設定で動かしフレームレートを計測した。GPU温度とクロックの推移以外の各テストはCPU定格動作のほか、4コア時4.6GHz(倍率46倍、コア電圧1.3V設定)にOCして検証した。
GTX 980は期待どおりの働きをしてくれた。描画の軽めなバトルフィールドでは常時90fps以上をキープ。超重量タイトルであるアサシン クリードでも最低37fpsとハイパワーゲーミングPCと呼ぶにふさわしい性能だ。プレイ中、CPUは60℃前後で変動するが、GPUコア温度は66℃、GPUコアクロックは1,316MHzをキープしていた。
その一方でOCの効果は少々微妙だ。PCMark 8や3DMarkではスコアアップが確認できたものの、実際のゲームでは効果なし。Core i7-4790KをOCしただけにCPU温度はかなり高くなるが、GPU温度には大きな影響はなく、水冷ユニットがしっかり熱をラジエータへ移動させていることが分かった。
さらに高みを目指す余地もある!?
OC時のCPU温度やOCCT実行時の静音性が今一つだが、ハイパワー小型ゲーミングPCとしては一応の完成を見ることができた。
ただこのプランにもまだ改善の余地がある。性能面ではラジエータ冷却ファン交換による静音性向上や簡易水冷キットを利用したGPUの超冷却化といった改善が可能だ。
さらにGTX 980単独では4Kには少々つらいため、ゲーマーに話題の「TITAN X」を載せるという手も残されている。ただそのためには電源強化やカード裏面の熱対策など、今回のプランから改善すべきポイントも多い。かつ値段も別次元になることも覚えておきたい。
【問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/ http://www.asus.com/jp/
G.Skill International:03-3768-1321(マスタードシード)/ http://www.gskill.com/
Micro-Star International:web-jp@msi.com(エムエスアイコンピュータージャパン)/ http://jp.msi.com/
Micron Technology:-/ http://jp.crucialproducts.com/
Corsair Components:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.corsair.com/
Thermaltake Technology:03-5215-5650(アスク)/ http://jp.thermaltake.com/
[Text by 加藤勝明]
【DOS/V POWER REPORT 2015年6月号は2015年4月28日(火)発売】
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