パワレポ連動企画
バランス型からゲーミング向けまで、目的別オススメCPU
【勢力図一変!? 最新CPUはこう使え!(6)】
(2015/7/7 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年8月号」の第一特集「Broadwellが来た! Godavariも来た!! 勢力図一変!? 最新CPUはこう使え!」を掲載する。
第6回目となる今回は、前回の性能比較を踏まえてオススメのCPUを紹介していく。バランス型からゲーミング、小型PC向けまでいくつかの用途別に紹介しているので、新マシン作成の際には参考にして欲しい。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年8月号は全国書店、ネット通販にて6月29日(月)に発売。新CPUを一挙に紹介する第一特集のほか、冷却も静音もバランスが大事!シチュエーション別に検証をする第二特集「自作ユーザー志向別 冷却・静音チューンナップ指南」、老若男女誰でも使える、安くてすごい小型のPC!「超小型ARMコンピュータ Raspberry Pi最前線」、余ったドライブをUSB 3.1で有効活用!「USB 3.1対応製品登場で新展開! 最新外付けドライブケース 40選」、見逃した番組も好きなときに観られる。そう、インターネットならね。「絶対加入しておきたい動画配信サービス」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は豪華二本立て。最新の略語まで一冊でカバー、明日からバリバリ使える知識満載の「最新 パソコン略語辞典 2015」と、最新のスラングまでバッチリ収録、ネットでしか通じない知識満載の「30代以上のためのネットスラング辞典」だ。
- 目的別オススメCPU -
予算や用途に合ったものを選ぶことが重要
目的別オススメCPU
最新CPUの傾向が把握できたところで、目的・用途別に編集部オススメのCPUを挙げてみた。もちろん、ここで挙げたCPUがベストとは限らない。実際には予算や組み合わせるパーツなどで最適解は変化するため、これを参考にして自分の答えを見付け出してほしい。
コストと性能のバランスなら
Broadwell-Cのアーキテクチャや省電力性能はおもしろいが、Core i7-5775Cでも定格3.3GHzと低めの設定。CPU負荷の高い動画・写真編集や最近の重量級ゲーム中心だと価格のわりにがっかりしてしまうだろう。
負荷の軽重に関係なくパフォーマンスが引き出せ、省電力性もそこそこのバランス型CPUを望むなら、Core i7-4790Kは常に最強かつ最適な選択だ。さらに倍率ロックフリーなのでOCにも挑戦できる。価格は高いが、投資に見合ったリターンが見込める。
しかしCPU1基で4万円を超える出費は厳しいという人にオススメなのはHyper-ThreadingなしのCore i5ファミリー、なかでも安さで人気のCore i5-4460だ。Lightroom CC 2015では意外な弱点が明らかになったが、PentiumやCeleronではマルチスレッド処理性能が低く、高性能ビデオカードを追加してもボトルネックになりやすい。Core i5の価格を含めたバランスのよさも評価すべきだ。
本格的ゲーミングPCなら
今時のゲームを高画質・高解像度で快適に遊ぶには内蔵GPUは捨て、GeForce GTX960以上の強力なビデオカードに予算を注ぎ込むべきだ。PentiumやCeleronクラスのCPUでもハイエンドGPUを組み合わせればフレームレートはそれなりに上がるが、CPUの演算性能がボトルネックになる。「ウイッチャー3 ワイルドハント」では4コアCPUの場合、各コアを6 ~ 9割占有する。物理2コアのPentiumやCeleron環境で動かすと、最低fpsの低下、つまり画面のカクつき感の増大になって表われる。
ゲーム目的の場合Core i7-4790Kのような付加価値の高いハイエンドモデルはあまり意味がない。それよりも1段安いCore i7-4790や4790Sといった選択がベストだ。逆に安さを追求しても最低でもCore i3、可能であれば物理コア数が4基のCore i5を選びたい。
将来性・拡張性優先なら
Z97搭載マザーボードとHaswell世代のCore i7は性能のバランスがよく、工夫をすれば導入コストも抑えられる。だがIntelの「SSD750」のようなNVMe接続のSSDを組み合わせる場合、バスの関係からビデオカードの帯域がx8となる(マルチGPU構成も同様)。
GPU性能のボトルネックを作らずにマルチGPUやNVMe SSDに挑戦したいなら、PCI Expressが40レーン以上あるCore i7-5930K以上、NVMeだけでよいなら28レーンのi7-5820K以上を選びたい。初期投資の高さはネックだが、一つのシステムを拡張しつつ、最新プラットフォームを使い続けたいなら、LGA2011-v3は悪い買い物ではないのだ。
エンコードは画質か速度優先かで変わる
Intel CPUの内蔵GPUに含まれるQSVに速度で勝る動画エンコーダはない。Core i7-5960Xの8コアを総動員しても勝てないのだ。QSVでサクッと動画をエンコードしたいなら、QSV最速のBroadwell-C、なかでも費用対効果に優れるCore i5-5675Cがよい。
しかしQSVは速度優先の設計であるため細部のディテールが眠くなる。フィルタ処理などを駆使して永久保存用の超高画質エンコードを狙うならコア数の多いCore i7-5820K、あるいはLGA1150最速のCore i7-4790Kを選びたい。
小型PCで使うなら
今のCPUは低発熱化が進んでいるため、キューブタイプMini-ITXケース程度であればLGA1150やFM2+のCPUであれば冷却に困ることはない。通常版よりもTDPの低いもの、Core i7/i5ならTやSの付いたモデルが適している。内蔵CPUでのライトゲーミングならA10-7870KやCore i5-5675C以外の選択肢は考えられないし、小型でも動画編集などを軽快にこなしたければCore i7-4790Sやi7-4790Tもよい。
また、ACアダプタ電源でも余裕を持って運用したいなら、消費電力は徹底的に抑えよう。前回のワットパフォーマンス比較ではCeleron N3150が最高だったが、現実的な処理性能を考えた場合、Pentium G3258やCeleron G1840をオススメしたい。
【問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
Advanced Micro Devices:0066-33-81265(日本AMD)/ http://www.amd.co.jp/
[Text by 加藤勝明]
【DOS/V POWER REPORT 2015年8月号は2015年6月29日(月)発売】
★第1特集「勢力図一変!? 最新CPUはこう使え!」
★第2特集「自作ユーザー志向別 冷却・静音チューンナップ指南」
★特別企画「超小型ARMコンピュータ Raspberry Pi最前線」「最新外付けドライブケース 40選」「絶対加入しておきたい動画配信サービス」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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