パワレポ連動企画

RAID機能に関するテクニック

【自作PCチューニング技術大全100(14)】

DOS/V POWER REPORT 2016年4月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年4月号」の第1特集「もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!! 自作PCチューニング技術大全100」を掲載する。

 第14回目は、RAIDの構築方法や、RAIDに対応していないマザーボードで記憶域を増やすテクニックを紹介する。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年4月号は全国書店、ネット通販にて2月29日(月)に発売。第1特集のほか、第2特集は最新OSの現在の姿を解説する「リリース時とはもう違う。現在形、分かってる? Windows 10知っておきたい10のこと。」、まずはデータ保存から始めよう、低コストで導入できるモデルを紹介「転ばぬ先のバックアップ! 1万円台で買えるお手頃NASキット」、マルチディスプレイやライトゲームに、内蔵GPUからのパワーアップを目指す「チョイ足しアップグレードで効果大! 格安ビデオカードセレクション」、外出先でも2画面で!「いつでもどこでも手軽に使える モバイル液晶ディスプレイ大集合」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は「小型PC向けパーツ大百科」。メインマシンもサブマシンもコンパクトにまとめる時代です!


-自作PCチューニング技術大全100-
RAIDの構築や、RAID非対応でも記憶域を増やすテクニック~SSD/HDD編 その3~


M.2やNVMeの活用法とは
SSD / HDD編

 M.2やNVMeなどの新規格を採用した製品の登場によって多様化が進んだSSD。これに伴い、従来のSerial ATA接続のSSD/HDDを利用するときとは異なったテクニックが生まれている。

 ここでは、素朴な疑問を解決する小技や性能を向上させる、実用的なテクニックなどを紹介しよう。

55. M.2 SSDでのRAID構築の注意点は?   難易度★★

Z170チップセットではM.2のRAIDが簡単に
写真はASRockのZ170チップセット搭載マザーボード「Fatal1ty Z170 Professional Gaming i7」。M.2スロットが3基あり、M.2 SSDでのRAIDを構築しやすい

 Z170チップセットを搭載するマザーボードは、複数のM.2スロットを備えていることも多くなり、M.2 SSDでもRAIDを構築しやすくなっている。

 ただし、PCI Express接続やNVMeのSSDでは、RAID環境にインストールできるOSがWindows8以降になる点は注意したい。

56. M.2 SSDでRAIDボリュームを構築する   難易度★★

 ここでは、PCI Express接続のM.2 SSDを2台用意し、RAID 0を構築する手順を紹介していく。PCI Express接続のM.2 SSDを使用する場合、従来のRAID BIOSではRAIDを構築できない点に注意したい。RAIDを構築するにはUEFIの機能を使う必要がある。

 今回はGIGA-BYTEのマザーボード「GA-Z170X-Gaming 3」とKingstonのM.2 SSD「HyperX Predator PCIe SSD」(240GB×2台)の組み合わせでRAIDを構築した。なお、Kingston HyperX Predator PCIeSSDは今回の環境では、ファームウェアを最新版に更新しないとRAIDを構築できなかった。

【UEFI上でRAIDを構築できる】

1. 動作モードをRAIDに変更
UEFIを起動し、「Peripherals」を選択。SATA Mode Selectionを「RAID」に変更する
2. CSMなどの設定を行なう
「BIOS Features」のWindows 8/10 Featuresを「Windows 8/10」、CSM Supportを「Disabled」に。ここで一度設定を保存して再起動
3. RAID構築の設定を呼び出す
UEFIの起動後は、「Peripherals」→「Intel(R)Rapid Storage Technology」を選択。そして、「Create RAID Volume」を選択する
4. RAID 0を選択
今回はRAID 0(ストライピング)を構築する。「RAID Level」を選択し、「RAID0(Stripe)」を指定する
5. M.2 SSDにチェックを入れる
RAID構築に使用するM.2 SSD(ここでは2台)を選択し、それぞれ「×」を選ぶ。これで準備は完了だ
6. RAID構築を実行する
メニューの一番下にある「Create Volume」を選択する。これでRAID構築が実行される
7. 設定を保存して終了
UEFIの設定を保存して作業完了。なお、M.2 SSDのRAID環境にOSを入れるには、別途Intel製のRAIDドライバを組み込む必要がある

57. RAID機能のないマザーでは記憶域を活用   難易度★★

 B150チップセットやH110チップセットなどRAID機能を備えていない環境では、Windows 8以降に搭載された「記憶域」で、RAIDに近い機能を実現できる。その代表的なのが「双方向ミラー」だ。これはRAID 1(ミラーリング)と同じ。2台のストレージに同じデータを書き込み、どちらかが壊れても復旧できるというもの。ただし、記憶域にOSをインストールしているストレージは選択できないので注意したい。

 ここでは、複数のストレージをまとめ、1台のドライブとして扱える「シンプル」を作成してみた。シンプルは、物理的な容量以上も指定できるのがおもしろい。たとえば、1TBと1TBのHDDの組み合わせでも、10TBの容量を持つドライブを作成できる。物理容量が足りなくなった時点で別のストレージを追加すればよいのだ。記憶域には、複数のストレージを使用して、より信頼性を高める「3方向ミラー」や「パリティ」も用意されている。

【実容量以上の数値も設定できる】

1. 記憶域プールを作成
コントロールパネルから「システムとセキュリティ」→「記憶域」を選択。「新しいプールと記憶域の作成」をクリックする
2. 記憶域に使用するドライブを選択
記憶域の作成に使用するドライブを選択する。ここでは2台のSSDを選択した。なお、1台だけでも記憶域プールは作成が可能だ
3. 名前や種類を決める
ここでは名前やドライブ文字、ファイルシステムなどを指定する。今回は回復性を、複数のドライブを一つにまとめる「シンプル(回復性なし)」とした。なお、サイズは実容量よりも大きな数値を指定することも可能
4. 記憶域プールが完成
これで記憶域プールが作成される。画面を見ると、物理ドライブは2台だが、一つの記憶域としてまとめられているのが分かる

【記憶域にドライブを追加する】

 今回は2台のSSDでシンプル設定の記憶域プールを作成したが、この記憶域プールに別のドライブも簡単に追加できる。余ったSSDやHDDを使って、容量をどんどん増やしていけるのもメリットだ。OS上から見えるドライブは1台だけなので使い勝手もよい。

1. ドライブの追加を選択
作成した記憶域プールにドライブを追加するには、「記憶域」の設定画面を呼び出し、「ドライブの追加」を選択する
2. 追加するドライブを選ぶ
追加可能なドライブが一覧表示されるので、追加するドライブにチェックを入れ、右下にある「ドライブの追加」ボタンをクリック
3. 記憶域のサイズを指定
名前やドライブ文字などの設定が表示される。記憶域のサイズ変更もここで可能だ。「記憶域の変更」ボタンをクリックすれば追加完了

[Text by 北川達也 / 芹澤正芳]


DOS/V POWER REPORT 2016年4月号は2月29日(月)発売】

★第1特集「もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!! 自作PCチューニング技術大全100」
★第2特集「リリース時とはもう違う。現在形、分かってる? Windows 10知っておきたい10のこと。」
★特別企画「転ばぬ先のバックアップ! 1万円台で買えるお手頃NASキット」「チョイ足しアップグレードで効果大! 格安ビデオカードセレクション」「いつでもどこでも手軽に使える モバイル液晶ディスプレイ大集合」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「メインマシンもサブマシンもコンパクトにまとめる時代です! 小型PC向けパーツ大百科」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

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(AKIBA PC Hotline!編集部)