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機能の差別化が進む最新マザーボード ~マザーボード再入門 その1~

【自作PC再入門(6)】

DOS/V POWER REPORT 2016年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年5月号」の総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」を掲載する。

 第6回目ではPCパーツのなかでも製品の入れ替わりが激しいマザーボードを解説していく。昨年はLGA1151の登場でプラットフォームが変更されただけでなく、新しいインターフェースや規格を取り入れた製品が一挙に登場した。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年5月号は全国書店、ネット通販にて3月29日(火)に発売。総力特集のほか、コストパフォーマンスに優れたCPUクーラー定番のブランドを比較「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」、ここの予算を抑えて別のパーツに回したいのが人情「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」、サービス内容を確認して用途に合ったものを選ぼう「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は2大小冊子。そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!!「即戦力・自作PC作例集」と便利な資料、豆知識、自作カレンダーなどをいつも手元に「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」だ。


-もう一度、PCをイチから作る。-
チップセットの違いで機能の差別化が進む~マザーボード再入門 その1~


機能の差別化が進む
Z170がスタンダードに ゲーミングモデルが台頭

マザーボード再入門 1. OC不要ならH170など棲み分けが分かりやすく

 マザーボードの中核部品はチップセットであり、チップセットに合わせてマザーボードは設計される。そのチップセットはCPUを含め、接続するパーツの高速化を反映して進化してきた。歴代のチップセットの仕様を見ると、データバス帯域が拡張され、より高速なインターフェースが開発され、統合されてきたことが分かる。さらに10年前まで遡るならば、BIOSに代わってUEFIが導入されたことも大きな変化だ。導入当初は使い勝手に難がある製品も見られたが、今ではすっかり洗練されている。

 また、ここ1、2年ほどは基本機能以外にも、デザインやLEDによる演出などに力を入れた製品が目立ってきている。

最新パーツ旧パーツとココが違う!

 10年前に2チップだったチップセットは5年前には1チップが主力に。PCI Expressの規格は1.1から3.0となり帯域は4倍に、ストレージインターフェースはSerial ATA 2.5(3Gbps)から3.0(6Gbps)に、さらにM.2も登場し速度は最大13倍以上になった。

 USBも2.0からUSB 3.1(チップセット統合はUSB 3.0まで)となり、約20倍の速度と大幅進化した。

10年前 2006年
Intel
P965+ICH8

当時は2チップ構成で、メモリコントローラなどはチップセットに内蔵されていた
ASUSTeK Computer
P5B

Core 2 Duo 対応マザーボードとしてド定番に
5年前 2011年
Intel
Z68

システムバスとPCI Express帯域が拡張された。とくに高速SSDの性能を発揮させやすくなった
ASUSTeK Computer
P8Z68-V PRO

OC機能と自動的に省エネにできる機能(EPU)を搭載
現在 2016年
Intel
Z170

倍率変更OCにも対応した現行の主力モデル
ASUSTeK Computer
Z170 PRO GAMING

Skylakeと同時に登場して定番に

チップセットで性格付けが異なる

 マザーボード選びの第一のポイントはチップセットだ。Intelは近年、チップセットに統合されている機能や使える機能で明確な差別化を図っている。マザーボードもそれを踏まえた上で開発されているため、チップセットの位置付けとおおまかな機能を把握しておくとマザーボード選びはスムーズになる。

 現行の主力チップセットはIntel 100シリーズで、コンシューマ向けは上位からZ170、H170、H110というラインナップがある。ただ、H110は低機能過ぎるため、本来ビジネス向けのエントリークラスという位置付けのB150もよく使われており、実質H110の上位チップセットとして扱われている。

■ OCとマルチGPU「Z170」

 LGA1151のコンシューマ向け最上位チップセットがZ170だ。H170との大きな違いは、OC機能とマルチGPU向けのPCI Expressレーン分割機能に対応していることにある。そのため、OCを想定してVRMに特性のよい高級部品を実装したり、多フェーズの回路を搭載したりする製品も多い。

 レーン分割機能は、SLIやCrossFireXなどのマルチGPUを利用するには事実上必須の機能。実際に利用するためにはボード上に追加部品が必要なため、比較的安価な製品では省略されている場合もあるので注意したい。

Z170ではCPUのベースクロックと倍率を調整できる。外部クロックジェネレータを搭載してOCしやすくしている製品も多い
Z170のレーン分割機能とは、CPU側のPCI Express 3.0 x16を分割し、8+8や8+4+4レーンといった構成で利用する機能だ

■ スタンダードに使うなら「H170」

 最大16レーンのPCI Express 3.0や、RAIDに対応するなど、OCやマルチGPUなどを利用しないのであれば十分な仕様を持つが、搭載製品はミドルレンジの下位クラスが多いため、仕様差以上に格下感がある。ただ、H77やH67の時代とは状況が変わっており、ゲーミングモデルなどを中心にミドルレンジの上位クラスの装備を持つ製品も存在する。

 「OCやマルチGPU対応は不要なのでリーズナブルでしっかりした品質の製品が欲しい」というニーズに応えられる。

ASUSTeKのH170 PRO GAMINGは、Z170搭載のZ170 PRO GAMINGとチップセット機能以外は同格の装備で価格は安い
基本機能ではH170とZ170との差は少なく、USB 3.1や32Gbps対応の高速M.2ソケットを装備する製品もある

■ 低価格で旧パーツを活かすなら「B150」

B150ではDDR4/DDR3両対応やDDR3対応製品がある。新規に買うならDDR4のほうが安いが、すでに8GB以上のDDR3メモリを持っているユーザーにとってはメモリを使い回せるほうが都合がよいだろう

 B150はH170に比べるとPCI Expressのレーンが少なくRAIDにも非対応だが、実際これでも十分なユーザーも多いだろう。低価格ながらデザインや演出を工夫したモデルもある。

 H110となると激安クラスに入る。B150との機能差は大きいが、ローエンドの使い方であればその差は表面化しないことも多いだろう。

【ゲーミングモデルって何が違う?】

以前はハイエンドの差別化要素の一つであったが、最近はミドルクラスを中心にデザインや演出に凝った製品が増えており、ハデな発光ギミックを備えるなどその内容もパワーアップ傾向だ

 ゲーミングというテーマはかつては高価な製品の差別化要素の一つであったが、今はミドルレンジの下位クラスまで幅広く展開。ネットワークやサウンドにこだわるなど機能的な裏付けがあるものもあるが、それも製品しだい。

 独自の世界観をベースにしたデザインや演出に工夫した製品が多い。

あなたのマザーボードはまだ使える?

[Text by 鈴木雅暢]


DOS/V POWER REPORT 2016年5月号は3月29日(火)発売】

★総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」
★特別企画「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」
★連載「最新自作計画 ~ガラスとLEDで“内部を見せる”マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!! 即戦力・自作PC作例集」「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

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(AKIBA PC Hotline!編集部)