NAS EXPO 2015 秋

「初心者にも便利に使える“NASの使い方”を紹介します」Synology
~「NAS EXPO 2015 秋」見所紹介(4)~

text by 石井英男

NAS EXPO 2015 秋

 多くの主要NASメーカーが参加、スマホとの連携からビジネスでの活用まで、幅広くNASをアピールするというウエスタンデジタルジャパン主催のイベント「NAS EXPO 2015 秋」が、2015年10月10日(土)の11:00~18:00に、ベルサール秋葉原で開催される。

 今回が初開催となるこのイベントは、「NASに特化した複数メーカーによるイベントはおそらく初めてではないか」(同社)というもの。

 同社はもちろん、アイ・オー・データ、ASUSTOR、CFD販売、QNAP、WinDiskRescue、Synology、Schneider Electric、テックウインド、フィールドレイクといったメーカー・代理店が様々な展示やセッションを実施。メーカースタッフなども来場して、質問などもできるという。

 今回話を伺うのはSynologyの代理店であるフィールドレイク。では早速イベントの見所から話を聞いていこう。

NASの性能を高めるSSDキャッシュ、そしてマルチメディア関連のデモを実施

2ベイのエントリー向け「DS215j」

 フィールドレイクは、2004年に設立されたストレージ製品専門商社である。同社の主力製品はHDDであり、Seagate、HGST、Westren Digitalといった大手HDDメーカーの製品を取り扱っている。

 2014年夏からSanDiskのSSDの取り扱いを開始し、今年からSynologyのNASの取り扱いを開始した。NAS EXPO 2015 秋では、Synologyの最新製品を展示するということなので、フィールドレイク営業企画部部長 小川将司氏(以下、小川氏)に、同社ブースの見所を訊いてみた。

[小川氏]「まず、実際に動く状態で展示させていただくのは2製品となります。一つは、弊社はSanDiskのSSDの代理店もやっておりますが、最近はNASでもSSDキャッシュを利用できる製品がありますので、NASにSSDキャッシュを搭載して動かすデモをやります。もうひとつはマルチメディア関係で、テレビとApple TV、NASを繋げて、マルチメディアセンターとして利用するデモを行います。さらにSanDiskのSSDの展示とPC MARK8を利用した、SSD性能比較の展示も行なう予定です」

 また、スマートフォンやタブレットを持ってブースを訪れた方には、実際にその場で新しいユーザーアカウントを作り、SynologyのNASの操作体験が行なえるというタッチ&トライ的なデモも予定しているとのことだ。

[小川氏]「これがブースのメインになると思うのですが、買う前に実際に試してみたい方は、SynologyのNAS実機に触れていただけます。AppストアやGoogle Playから、DiskStation用アプリをダウンロードしていただき、その場でVideo StationやAudio Stationなどをお試しいただけるようなデモを考えております」

カジュアル向けにブース展開初心者にも便利に使える「NASの使い方」を提案

マルチメディア機能を強化した「DS216play」。4K対応のハードウェア動画トランスコード機能を搭載している

 フィールドレイクのブースのコンセプトだが、家庭で使うNASをイメージして、カジュアルな感じにしたいという。

[小川氏]「今までのNASイベントは、ほとんどが法人様をターゲットにされたものが多かったと思います。ですから、必然的に監視カメラに代表されるような、サーベイランス関連の展示が多かったんですが、今回はあえてそこには触れず、NASを使ってみたいけど、どんなものかわからないとか、そもそもNASって何?といった方向けに、カジュアルな感じでやりたいと思っています」

 また、現在のNASは単なるストレージではなく、さまざまな機能を持つ製品だが、それについて誤解している人も多いという。

[小川氏]「NASを外付けHDDのネットワーク版みたいなものだとお考えの方が多いと思うんですけれども、実際はさまざまな機能を備えています。例えば、iPhoneで写真撮ったら、その場でもうNAS側にも保存されいるとか、Cloud Stationを使えば、プライベートクラウドが実現できますので、DropBoxと全く同じような機能が個人で持てますよとか、カジュアルな使い方をどんどん紹介して、NASのことをあまり知らない方にアピールをしていきたいなと考えています」

海外で評価の高いSynology製品を日本でもメジャーに

2ベイのプロ仕様モデル「DS716+」

 NAS市場には、非常に多くのメーカーが参入しており、激しい競争が繰り広げられているが、ストレージ専門商社として長い実績を誇るフィールドレイクはなぜSynologyのNASを扱うことにしたのだろうか。

[小川氏]「Synologyの製品が日本で販売されるようになったのは、3,4年前からで、当時は一部のお店でしか買えませんでした。他社に比べて、日本では後発なんですが、世界的に見ると日本以外の主要国では、昨年以前にも圧倒的なシェアを獲得しています。もちろん私もSynologyのDiskStationを利用しており、Synology製品の大ファンです。まず、製品のデザインやユーザーインターフェースのできが素晴らしい。多言語対応も、日本でほとんど売られていなかったときから、ホームページやマニュアルが完全に日本語化されていました。そうしたところからも品質の高さがうかがえます。弊社が取り扱うようになり、ここ半年で、日本でもシェアをだいぶとれるようになりましたが、まだまだ知らない方も多いと思います。それがこういうイベントを通じて、タブレットやスマートフォンが中心で、あまりPCを触れない方にも知っていただけるいい機会だと考えています」

 実際に海外でのSynology製品の評価は非常に高く、米国のあるPC雑誌では、HPやDell、Ciscoを抜いて、最も信頼性の高いNASメーカーという評価を受けているほどだ。

Synology本社から担当者2名が来日ブースでのプチセッションも随時実施

基本機能をおさえた4ベイモデル「DS416」
簡単にディスクやファンへのアクセスができるコンパクトタイプ「DS414slim」 2.5インチHDD/SSDに対応する

 フィールドレイクは、ステージでのセッションは行なわないが、代わりにブースでのプチセッションを随時行なう予定だという。プチセッションの内容について、小川氏に訊いてみた。

[小川氏]「時間が限られてますので、まず全般的な機能をざっと説明して、いくつか便利な機能、特徴的な機能をピックアップして説明したいと思っています。マルチメディア関連やプライベートクラウドなどはデモしたいですね。他は、カメラが準備できれば、ホームセキュリティのデモもしたいです。法人向けというよりも家にカメラを設置して、ペットの様子をみたりとかですね。カメラによっては、エアコンなどの家電製品の操作ができるものもありますので、家の温度を見ながらNASを通じて、エアコンをオンオフしたりとかですね、そういうデモなんかもできたら面白いかなあと思っています」

 イベント当日は、Synology本社から2名担当者が来日し、ブースに立つという。

[小川氏]「NASに興味があるけども、使い方がわからないとか、実際に何ができるんだとか、そういった疑問を持たれている方に是非たくさん来ていただいて、NASって本当にとても便利なものなんですよっていうことをお伝えしたいと思っています。今回は、Synology本社からも担当者が2名きますので、ご意見やご要望がありましたら、是非直接伝えていただければ、今後の製品企画の参考にさせていただきますので、よろしくお願いします」

 当日間に合えば、日本向けの機能であるDTCP-IPへの対応に関するデモが実施されるという。また、発表されたばかりの新製品の展示も行なう予定だ。

[小川氏]「まだ確実ではないんですけど、Synology側もやはり日本のNASユーザーは、テレビの録画データの扱いに非常に関心があるというところを理解し、NAS製品をDTCP-IPに対応させていく方向になりましたので、もしかしたらそれのデモもできることになるかと思います。さらに、10月8日に発表される新製品をいち早く展示する予定ですので、こちらも楽しみにして下さい」

 小川氏は、NASを使い始めて最もよかったと思ったことは、新マシンへのデータの移行に煩わされなくなったことだという。

[小川氏]「スマートフォンもタブレットもノートPCも、2,3年のサイクルで新しいのに変えていくんですが、NASがあれば、常にそれらのデータが一つのNASにある状態なので、端末に全然依存しなくなります。NASがハブになって、その全ての機械を繋げていくというイメージですね。家族みんなのデータをNASに集めていく。大げさにいうと、家族の人生をそこに保存するみたいな。NASにご興味がある方は、是非弊社ブースに来ていただいて、その便利さを実感して欲しいです」

[制作協力:フィールドレイク]

(石井 英男)