(2015/8/28 11:30)
AKIBA PC Hotline!とDOS/V POWER REPORTは、共同イベント「全国出張!真夏の自作PCまつり in 松山」を8月23日に開催した。会場はアプライド松山店。主催はインプレス。後援はインテル、協賛はテックウインドとマイクロソフト。
今回のセッションで語られたメインテーマは、大きく分けて「Skylake」、「Windows 10」、「eスポーツ」の3つ。いずれも"秋葉原をデリバリーする"趣旨の本イベントとしては外せないテーマだ。このうちSkylakeについては、掲載済みのインテルセッションレポートに詳しい。
7月よりDSP版が発売となったWindows 10については、恒例となったご当地PCコーナーや自作PCの組み方指南でも触れられた。eスポーツに関するセッションも実施し、主にMOBAカテゴリーのプロeスポーツシーンの現状とこれからの展望を伝えている。
当日の模様は、ニコ生中継のタイムシフト視聴で8月30日まで見ることができる。なお、中継の中で表示されるキーワードを入力すると、ニコ生限定プレゼント付きのアンケートに応募できる。
OS標準のゲーム録画補助機能など新しくなったWindows 10の魅力を紹介
マイクロソフトのセッションでは、OEM統括本部マーケティング部マーケティングスペシャリストの嶋内愛氏が、Windows 10で実装された新機能と特徴について紹介した。
デスクトップやノートPCだけでなく、2in1デバイスやスマートフォンでの利用を視野に入れ、マルチプラットフォーム化したWindows 10の活用シーンを提案しながら、個々の新機能について詳しく解説している。具体的には、新ブラウザの「Edge」やゲーム実況動画作成補助機能「Game Bar」といったWindows 10を象徴する機能について触れていた。
なお、日本語版ではまだ利用できないアシスタンス機能の「Cortana」については「もう少々お待ちください」とのコメントがあった。
【ニコ生配信:0:00:00~】
ご当地PCのテーマは「道後温泉」
無謀な水冷構造が一触即発の事態を招く
毎回、開催地の名物をテーマに据えた無茶な構造のPCを組み上げる"改造バカ"高橋敏也氏の「ご当地PC」セッションでは、愛媛県松山市にある「道後温泉的なPC」を披露した。
お風呂用の椅子とスノコをケースと言い張り、電源やマザーボードなどの主要パーツを設置。
温泉ということで水にまつわるパーツを選択し、パーツがほとんど剥き出しの水冷システムを組み上げている。タンクにあたる部分はいわゆる"ケロリン桶"だ。
「最初は木製の風呂桶を使っていたのですが、水漏れしてもさして問題にならないお風呂用というだけあって、どんどん水が漏れてくるんですよね。見ての通りタンクの真下に電源ユニットがあるので、上から直接水が入る構造になってしまっています。少ない水量なら後で対処できると考えて、そのまま起動を試してみたのですが、どうもうまくいかない。それもそのはずで、電源ユニットの中に入り込んでいた水がかなりの量に達していて、気付けば温かい水が漏れ出てきていました。一歩間違えたら感電して命にかかわる事態になっていましたよ」(高橋氏)
このままでは単なる(危ない)剥き出しの水冷PCなので、道後温泉要素を入れるべく、桶の中に道後温泉の素(入浴剤)を投入。ホットな温泉感を出すために、桶の中にドライアイスを追加するなどやりたい放題のセッションとなった。
最終的には、怪しい青緑色の液体が水冷ユニットのチューブを循環するという異様なシステムが完成している。ちなみに道後温泉の泉質は無色透明である。
【ニコ生配信:2:00:00~】
早くもDirectX 12対応タイトルが登場
加藤勝明氏によるSkylake+Windows 10で組むゲーミングマシン
"ベンチマーク奴隷"加藤勝明氏のセッションでは、SkylakeとWindows 10の両方の特徴を活かせる構成のPCを組み上げていた。
"高性能ゲーミングPC"という目標のもと、CPUとビデオカードには発売後間もない最新パーツを採用している事もあって、パーツの総額は32万7,000円と高くついた。
本機のポイントとしては、Windows 10で対応したDirectX 12によるマルチスレッド描画処理性能と、旧モデルから向上したIPC(Instructions Per Clock、クロック周波数あたりの実行命令数)を活かす点を挙げた。
セッションでは、現状ほぼ唯一のDirectX 12対応タイトル「Ashes of the Singularity」のベンチマーク機能を実行した。
結果としては、DirextX 12の方が明らかに効率的な描画処理を行なっており、DirectX 11よりも低負荷で同じだけの描画性能が得られている。
ストレージに関しては、一般的に超高速なNVMe接続のSSDが何に対しても有利とされるが、加藤氏は、用途に応じてストレージの選び方を変える必要があると説明した。
「NVMe接続の高速SSDは、超巨大な単一のファイル転送には効果を発揮しますが、ゲームのように容量の小さなファイルを超大量に転送する場合は不利なので、SATA接続のSSDでも問題ないのです」(加藤氏)
【ニコ生配信:4:00:00~】
eスポーツの今
国内リーグ優勝チームが世界に挑む
eスポーツに関するセッションでは、弊誌編集長の鈴木光太郎と、ゲーム実況者として知られる"eyes"氏が登壇し、eスポーツの概要説明、現在の日本においてeスポーツを取り巻く状況について語った。
この日メインに解説を行なったのは、世界で最も同時接続ユーザー数が多いと言われるMOBAタイトル「League of Legends」(以下LoL)だ。
LoL運営元の米Riot Gamesは日本でのサービスを展開していない。にも係わらずゲームの人気は非常に高く、日本国内においては、プロ/セミプロのチームがしのぎを削る国内リーグ「League of Legends Japan League」も運営されている。まだまだ少額ながら賞金の出る大会も行われており、秋葉原にあるe-Sports SQUAREやベルサール秋葉原などで行われる試合の模様はニコニコ生放送などで中継されている。国内リーグの優勝チームが参加権を得る国際大会の「IWC」ともなると、Twitchの中継動画視聴者数は56万人を超える。
eyes氏は8月8日に開催されたLJLの決勝戦で、日本代表チームとなったDetonatioN FocusMe(以下DFM)が優勝を決めた瞬間について、次のように振り返った。
「優勝チームのDFMは5戦中3本取らなければ敗退の決勝戦で、最初の2戦を落としてしまっていたのですが、そこから連勝して巻き返し、優勝をもぎ取りました。その瞬間の会場の盛り上がりたるや、指向性のあるマイクが拾ってしまうくらいの歓声で、両チームともに感極まって泣いてる選手もいたりして、本当に熱い試合でしたよ」(eyes氏)
なお、DFMが戦うIWCは当初の予定から後ろにずれ込み8月27日より開始する。IWC国内中継の実況も、eyes氏が担当することになっている。
【ニコ生配信:5:00:00~】
このほか、SSDやCompute Stick、インプレスが発行する書籍などが当たるじゃんけん大会や、イベント恒例となった編集者とライターによる座談会も実施した。
次回の開催地は沖縄・那覇。開催日は9月26日(土)だ。
2015年1月に札幌から始まった全国出張イベントも次回の8回目を以って一旦充電期間に入る。イベント詳細については、こちらで順次告知していくのでお楽しみに。