買ってみたらこうだった!
「遊べるらしい」OC向けDDR3メモリの高クロック耐性をテストしてみた
(2014/9/4 12:05)
「特別に選別した、高いオーバークロック耐性を持つDRAMチップを採用した」と謳う、Team ZeusシリーズのDDR3-2133メモリ「TZRD38G2133HC11ADC01」を買ってみました。
最近のオーバークロックメモリの多くは、DDR3-2133、DDR3-2400、DDR3-2666といったように、メモリメーカーによって細かく選別されて出荷されているものが多く、下位の製品になるほどスペック以上の動作クロックが実現できる可能性が低くなっています。そんな中、あえてオーバークロック耐性の高さを謳うTeamのZeusは、どのくらいメモリクロックを高めることができるのかチェックしてみました。
黒基板に赤いスプレッダが鮮やかなローハイト設計のOCメモリ
メモリのオーバークロックを試す前に、「TZRD38G2133HC11ADC01」の基本的なスペックをチェックしてみます。
「TZRD38G2133HC11ADC01」は、DDR3-2133(PC3-17000)での動作に対応した4GBモジュール2枚セット。DDR3-2133動作時のメモリタイミングは 11-11-11-31 で、動作電圧はDDR3メモリの標準電圧より0.15V高い1.65Vとなっています。
メモリモジュール本体にはヒートスプレッダが搭載されていますが、モジュールの全高は31mmと、ヒートスプレッダ非搭載製品と大差無い高さに抑えられているため、CPUクーラーなどとの物理的な干渉がしにくいローハイト設計が採用されています。高さの制約が厳しいMini-ITX環境や、超大型CPUクーラーとの組み合わせでも安心です。
電圧据え置きでDDR3-2800での動作を確認
さて、それではメモリのオーバークロックにチャレンジしてみます。今回は、オーバークロック耐性の高さが話題となったIntel Pentiun G3258を搭載したIntel Z97環境でメモリのオーバークロックを行いました。
なお、お約束事ではありますが、オーバークロックはメーカー保証対象外の行為となるため、行った時点で製品保証が失効してしまいます。いかにオーバークロックメモリとは言え、製品スペック以上のクロックや電圧を設定すれば保証の対象外となってしまいますのでご注意ください。
オーバークロックメモリの設定は、X.M.PやA.M.Pに対応している製品であれば、メモリに記録されたプロファイルをマザーボードに読み込ませてしまうのが簡単ですが、今回はスペックを超えた設定を行うので、「メモリクロック」「メモリタイミング」「メモリ電圧」の3点を手動で設定しています。
メモリの場合、基本的には「電圧を上げる」か「メモリタイミングを緩める」と、高いクロックでも動作しやすくなります。とはいえ、これだけだと漠然としていて、どんな数字を設定すれば良いのかイメージしにくいかと思います。そんな時、参考になるのが、他のオーバークロックメモリのスペックです。
DDR3-3000クラスの超ハイクロックメモリであっても、使われているDRAMチップは特別に製造されたものでは無く、オーバークロック耐性の高いチップを選別して搭載しているだけなので、これらの製品のスペックは、メモリをオーバークロックする際、大いに参考になります。
今回は、Teamや他社のオーバークロックメモリの設定を参考にしながらセッティングを行った結果、DDR3-2800、12-14-14-15、1.65Vという設定で負荷テストがパスできる程度の安定度を実現できました。今回のざっくりしたセッティングではこのあたりが限界という感じでしたが、DDR3-2133の製品でここまでクロックが上がるなら大したものかと思います。
設定を探るのは面白い、チューニングを楽しみたい人にお勧めのメモリ
メモリのオーバークロックは、CPUのオーバークロックほどPCのパフォーマンスアップに直結するわけではありませんが、かなり細かく設定ができる分、なかなか弄り甲斐のあるパーツでもあります。今回はざっくりとした設定で負荷テストを通しただけですが、メモリタイミングをもっと詰めてみたり、電圧を絞ったり、色々なチューニングしていくと面白いでしょう。
メモリもCPU同様個体差があるため、全ての「TZRD38G2133HC11ADC01」が、今回の個体のようなオーバークロック耐性を持っているとは限りませんが、メモリ弄りを楽しんでみたいという方には面白いメモリと言えそうです。
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