借りてみたらこうだった!

静音性と高性能を両立、水冷のGTX 980 Ti「GV-N98TXTREME W-6GD」をテスト

GIGABYTE XTREME GAMINGシリーズの上位モデル、基板は自動製造に text by 坂本はじめ

 GIGABYTEは、ゲーマー向けの新ブランド「XTREME GAMING シリーズ」を展開している。今回、同シリーズのビデオカード製品をチェックする機会が得られた。今回から数回に渡り、XTREME GAMING シリーズのビデオカード製品について、その特徴とパフォーマンスをチェックしていきたい。

究極のゲーム体験をアシストするXTREME GAMING シリーズ

 GIGABYTEのXTREME GAMING シリーズは、「ゲーマーに究極のゲーム体験をしてもらう」ことを目的として立ち上げられたゲーマー向け製品群。今回から数回に渡って紹介する同シリーズのビデオカードには、記事執筆時点でGeForce GTX 970〜TITAN XまでのNVIDIA製GPUを搭載した製品が計5製品ラインナップされている。

搭載GPU 型番 GPUクーラー 電源フェーズ数
GTX TITAN X GV-NTITANXXTREME-12GD-B WINDFORCE 3X 700W 6+2
GTX 980 Ti GV-N98TXTREME W-6GD WATERFORCE 12+2
GTX 980 Ti GV-N98TXTREME-6GD WINDFORCE 3X 700W 12+2
GTX 980 GV-N980XTREME-4GD WINDFORCE 3X 10+2
GTX 970 GV-N970XTREME-4GD WINDFORCE 3X 10+2

 XTREME GAMING シリーズのビデオカードは、「パフォーマンス」「耐久性」「利便性」「魅力」の4点を重視して設計されている。

 最大限のパフォーマンスを得るため、GIGABYTEが独自に選別したクロック耐性の高いGPUを大幅にオーバークロックして搭載。耐久性の面では独自の品質規格「Ultra Durable VGA」への準拠に加え、基板に防塵/防湿コーティングを施すことで、長期的な運用での埃りの堆積や、湿気による腐食、水冷ユニットからの液漏れによるショートから基板を保護している。

航空宇宙級という基板表面のコーティングにより、埃の堆積への耐性を向上。
表面のコーティングは、水冷クーラーなどからの液漏れによるショートを防ぐことも可能。
湿気や腐食の影響も防ぐとされ、長期運用に必要な耐久性も高めたとされている。

 利便性と魅力の面では、ユーザーが発光カラーを選択可能なRGBイルミネーションLEDをGPUクーラーに採用して外観の魅力を高め、LEDの発光色のほか、ファン制御やオーバークロック設定をシンプルなインターフェースで調整可能なユーティリティソフト「OC GURU II」を備えた。

優れたオーバークロック耐性を持つGPUを選別する「GPU GAUNTLET」。選別された高耐性GPUと適切な動作チューニングにより、オーバークロックによる高い性能を安定した動作で提供する。
発光色を自由に変更できる「RGB イルミネーション LED」を搭載。
オーバークロックユーティリティ「OC GURU II」。

水冷クーラー採用のGV-N98TXTREME W-6GD

GIGABYTE GV-N98TXTREME W-6GD

 今回、XTREME GAMING シリーズのビデオカード製品から借用したのは、GeForce GTX 980 Tiに水冷GPUクーラーを搭載した「GV-N98TXTREME W-6GD」。店頭価格は税込11万円前後の製品だ。

 GV-N98TXTREME W-6GDは、GeForce GTX 980 Tiの動作クロックを1,000MHzから1,216MHzまで大幅にオーバークロックして搭載。Boostクロックも1,075MHzから1,317MHzに引き上げた。また、VRAMとして備える6GBのGDDR5メモリも、リファレンスモデルの7.0Gbpsから7.2Gbpsへと高クロック化されている。

本体正面
本体裏面。金属製のバックプレートを備えている。
水冷ユニットのラジエーター。120mmファンを標準搭載。
ディスプレイ出力端子
GV-N98TXTREME W-6GDのGPU-Z実行画面。

 12+2フェーズの電源回路を備えたGIGABYTEオリジナル設計の基板を採用。通常の動作に用いる2系統PCI-E 8ピンの補助電源コネクタの他に、液体窒素などを用いた極限のオーバークロックに対応するためのPCI-E 6ピンコネクタと、専用BIOSへの切り替えスイッチを備えた。

 また、GV-N98TXTREME W-6GDの基板は、自動化された製造工程で部品の実装を行っている。これにより、安定して高品質な製造が可能となったほか、基板裏面に突起の生じる実装部品はファンや給電用のコネクタなど、ごく一部を除いて撤廃されている。

基板表面。12+2フェーズの強力な電源回路を搭載している。
ビデオカードの動作に必要な補助電源コネクタ。PCI-E 8ピン2系統。
LN2モードスイッチと、補助電源コネクタ(PCI-E 6ピン)。この補助電源コネクタは極端なオーバークロックを行うユーザー向けであり、通常の動作では電力供給の必要はない。
基板への部品実装を自動化。これにより、安定した品質で基板の製造が可能となっている。
部品実装を自動化したことで、高密度な部品実装を実現した。
基板裏面にも、電源やファン用のコネクタなど、一部のパーツを除いて突起物を排除した。GIGABYTEはこれを「Smooth PCB Surface」と呼んでいる。

 最大の特徴ともいえる水冷GPUクーラーは、120mmラジエーター採用のオールインワン水冷ユニット「WATERFORCE」。カード本体側には、電源回路やメモリを冷却するべく、ヒートパイプで接続されたヒートスプレッダを搭載。このヒートスプレッダを介して、ビデオカード上の高発熱なコンポーネントをオールインワン水冷ユニットでまとめて冷却する。

オールインワン水冷ユニット「WATERFORCE」
基板側の冷却ユニット。2スロットを占有する。
メモリや電源回路の放熱を担うヒートスプレッダ。ヒートパイプで熱を輸送する仕様となっている。

 カード本体の冷却ユニットは、2スロットを占有するカバーで覆われている。このカバーには「RGB イルミネーション LED」が搭載されており、本体正面の2本のラインと上部のGIGABYTEロゴが発光する。この電飾は、ユーティリティソフト「OC GURU II」を用いることで発光色の変更が可能。

GV-N98TXTREME W-6GDでは、本体側のカバーがRGBイルミネーションLEDに対応しており、2本のラインと、上面のGIGABYTEロゴが発光する。
発光色は自由に変更できるほか、消灯することもできる。
イルミネーションの設定はユーティリティソフトの「OC GURU II」から行う。

クーラーは高負荷時でもかなり静か、実パフォーマンスをゲームでチェック

テストに使用した「アサシン クリード シンジケート」
ゲームソフトによる推奨設定。グラフィックプリセット「非常に高い」が適用された。

 実際にゲームをプレイしながら、GV-N98TXTREME W-6GDのパフォーマンスをチェックしてみた。

 今回、プレイしたゲームは「アサシン クリード シンジケート」。産業革命期のロンドンを舞台としたアサシン クリード シリーズの最新作である本作は、特にグラフィックの美しさを重視した設定でプレイしたいゲームタイトルだ。

 アサシン クリード シンジケートには、PCの構成に合わせて自動的に「推奨設定」を適用する機能が用意されている。この機能を利用したところ、GV-N98TXTREME W-6GDのテストに用いたIntel Core i7-6700K搭載環境では、1,980×1,080ドットの画面解像度において、描画プリセット「非常に高い」が適用された。この際のビデオメモリ使用量目安は3,078MB。

 推奨設定を適用してプレイした際のフレームレートは70fps前後。60fpsを割り込むシーンはほぼ無く、ハイクオリティなグラフィックを滑らかなフレームレートでプレイ可能だ。

 アサシン クリード シンジケートのように、グラフィックの美しさを重視した最新タイトルでも、高い描画品質と60fps以上のフレームレートを維持できるパフォーマンスは素晴らしい。ビデオメモリにはまだ余裕があるので、フレームレートを30fpsに固定して、より高い描画設定でグラフィックの美しさを追求してみるのも良いだろう。

 合わせて、ベンチマークテストでの結果も紹介しよう。今回実行したベンチマークテストは「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」。

 テスト時の描画設定は、画面解像度1,980×1,080ドット、DirectX 11モード、最高品質としている。ベンチマークスコアは、評価は最高の「非常に快適」を獲得。GV-N98TXTREME W-6GDのパフォーマンスの高さが伺える結果だ。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークのスコア。

 最後に、動作中の温度とファン回転数を紹介する。

 以下のグラフは、ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク実行中のGPU温度とファン回転数をまとめたもの。テスト時の室温は約26℃。

ベンチマーク実行中のGPU温度とファン回転数

 GPU温度はピーク時でも50℃台、水冷ユニットのファンの回転数も最大で約1,100rpmと低めに抑えられている。GPU温度の低さもさることながら、冷却ファンの回転数が1,000rpm前後に抑えられていることによる静粛性の高さも素晴らしい。オールインワン水冷ユニットであるWATERFORCEの冷却能力は、たいへん優秀なものであると言って良いだろう。

・テスト環境
 CPU Intel Core i7-6700K
 マザーボード Z170搭載ATXマザーボード
 メモリ DDR4-2133 4GB×4
 OS 日本マイクロソフト Windows 10 Home 64bit
 グラフィックスドライバ GeForce Game Ready Driver 361.91
 温度測定 GPU-Z 0.8.6
 室温 26.0±0.5℃


静かでよく冷えるWATERFORCEが魅力のGTX 980 Ti

 GV-N98TXTREME W-6GDが搭載する、オールインワン水冷ユニットWATERFORCEの実力は素晴らしいものだった。

 低い回転数で十分な冷却能力を発揮できるため、ケース側のエアフローがある程度確保されていれば、ビデオカードの騒音を意識することなくゲームに集中できそうだ。

 GV-N98TXTREME W-6GDを導入するためには、120mmラジエーターを取り付けるスペースが必須となる。このため、小型PCケースなどに組み込むことが難しい面もあるが、この点がクリアできるなら、XTREME GAMING シリーズとして性能と耐久性を重視した設計と、WATERFORCEの冷却能力により、長時間のプレイにも対応可能な信頼性の高いゲーミング環境が手に入るだろう。

[制作協力:GIGABYTE]

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(坂本はじめ)