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14万円で高コスパなゲーミングPCを! GeForce GTX 1070搭載でハイエンドに迫るPCを組む

予算配分は大胆に、2,560×1,440ドット/高画質でもゲームが快適なPC text by 坂本はじめ

 今回の企画は、今時のゲームが存分に楽しめる高コストパフォーマンスなゲーミングPCを構築してみようというものだ。

 お得感を求めるなら、最大でもトータルコストは税込み15万円未満を目指したいところ。OS込みで一式となると予算15万円はギリギリなラインだったりするのだが、コストパフォーマンスを追及するためのパーツを選別し、可能な限りハイエンドに迫るゲーミングPCの構築にチャレンジした。

 予算をかけるポイント次第でコストを抑えつつ高性能な構成することは可能なので、ゲーミングPCのパーツ選びに悩んでいる読者諸兄にはぜひ参考にしていただきたい。なお、記事内の価格は記事執筆時点(8月下旬)のものだ。

コストをかけるべきポイントが重要、ゲーミングPCのための高コスパなパーツ選び

 コストパフォーマンスの高い自作PCを組むうえで重要なのは、ただ単に安いパーツを選ぶことではなく、用途に応じて費用対効果の高いパーツに掛けるコストの比率を大きくすることにある。

 ゲーミングPC、それも「美しいグラフィックかつ安定したフレームレートでゲームを楽しめるPC」となれば、もっともコストをかけるべきパーツはビデオカードだ。

予算はなるべくビデオカードに、高画質なゲームをするならGeForce GTX 1070搭載品
「MSI GeForce GTX 1070 ARMOR 8G OC」

 PCで描画を担当するビデオカードは、ハイクオリティなグラフィックスを楽しむうえで外せないパーツだ。そして、コストをかけるほど、上位のGPUを搭載した高性能なビデオカードを選択することが可能となる。

 今回選択したのは、NVIDIAの最新GPU「GeForce GTX 1070」を搭載したMSIの「GeForce GTX 1070 ARMOR 8G OC」だ。このモデルは、MSI製ビデオカードのラインナップの中でもコストパフォーマンスを重視した製品で、秋葉原の安値店であれば税込み50,000円以下で購入できる。

MSI GeForce GTX 1070 ARMOR 8G OC
基板裏面。
補助電源コネクタは8ピン1系統。
画面出力コネクタ。HDMI、DVI-D、DisplayPort×3基
GPUクーラーは2スロット仕様。セミファンレス機能である「ZERO FROZR」に対応している。
異なる形状のファンブレードを交互に配置することでエアフローを改善した「トルクスファン」を搭載。

 セミファンレス機能にも対応する2基の100mmファンを搭載した大型GPUクーラーを搭載し、GPUはベースクロック1,556MHz(+50MHz)、ブーストクロック1,746MHz(+63MHz)にオーバークロックされている。オーバークロック幅を軽めに抑えていることで、補助電源コネクタはリファレンス仕様と同じ8ピン1系統に抑えており、電力と性能のバランスにも優れたモデルだ。

 最大でもトータル15万円という目標予算の関係から、8~10万円前後で販売されている最上位のGeForce GTX 1080の採用は難しく、GeForce GTX 10 シリーズで選択できるのはGeForce GTX 1060かGeForce GTX 1070の2択だ。コストパフォーマンスを追及する今回、3D描画能力を左右するGPUの性能は妥協できないポイント。したがって、予算上選択可能な最上位製品であるGeForce GTX 1070を選択した。

GPUの性能を引き出すなら4コア/高クロックCPU
「Intel Core i5-6600K」

 前述のとおり、ゲーミングPCの性能に最も大きな影響を与えるパーツはビデオカードだが、それに引けを取らないほど性能面で重視すべきパーツがCPUだ。

 今回はSkylakeアーキテクチャを採用した第6世代Intel Core プロセッサーの4コア4スレッドCPU、Intel Core i5-6600Kを選択した。店頭での販売価格は税込み27,000円前後。

Intel Core i5-6600K
Intel Core i5-6600KにはCPUクーラーが付属しないため、別途用意する必要がある。
3.5GHz(Boost時最大3.9GHz)で動作する4コア4スレッドCPU。

 高性能なビデオカードを搭載することでPCの3D描画能力は高まるが、それを十分に発揮するためには高速なCPUが必要不可欠。近年はゲームでもCPU処理の並列化が進んでいるが、対応状況はタイトルによりマチマチで、まだまだ1コアあたりの性能が重要になる場面が多い。

 そのような状況を踏まえ、コアあたりの性能が特に高いSkylakeアーキテクチャを採用し、マルチスレッド性能も兼ね備えた4コアCPUのIntel Core i5-6600Kを選択した次第だ。

 Core i5-6600Kは、SkylakeのCore i5としては最高クロックのCPU。同クラスのモデルにはCore i5-6600が存在するが、こちらの動作クロックは定格3.3GHz。価格はCore i5-6600の方が2~3千円ほど安価なものの、Core i5-6600Kの定格クロック3.5GHzよりは劣る。コストを抑えたい場合は、Core i5-6600やさらに下位のCore i5-6500を選ぶ手もあるが、GeForce GTX 1070の性能を引き出すのであれば、なるべく高クロックのCPUと組み合わせたい。

 ゲームでの性能を純粋に求めるのであれば、4コア8スレッドCPUかつ4GHz動作のIntel Core i7-6700Kという選択肢もあるが、コストパフォーマンスを重視するという観点から今回はCore i5を選んだ。ただし、GeForce GTX 1080とGeForce GTX 1070に大きな価格差があるのとは違い、Core i7-6700KとCore i5-6600Kの価格差は10,000~12,000円前後なので、予算があればCore i7-6700Kを選択するのも良いだろう。

 なお、今回はコストパフォーマンスの高さから、マザーボードはH170チップセット搭載品を選んでいる。H170チップセットでは、K付き型番のCPUの特徴である動作倍率変更によるオーバークロックは行えないが、定格動作で使用する分には、K付き型番のCPUをH170チップセットで使用してもデメリットになるようなことは無い。

安価かつ最新トレンド全部のせなH170搭載マザーボード
「MSI H170A PC MATE」

MSI H170A PC MATE。Intel H170 チップセットを搭載したATXマザーボードで、M.2やUSB 3.1 Gen2といった最新インターフェースもしっかり装備。
CPU周りの電源回路にはヒートシンクを搭載。長寿命の固体コンデンサを採用しており、耐久性も期待できる。
製品パッケージ。

 マザーボードには、以前ミニレビューで紹介したMSI H170A PC MATEを選択した。Intel H170 チップセットを搭載するATXマザーボードで、安値店では税込み1万円以下で購入できる製品だが、32Gbps M.2や10Gbps USB 3.1 ポートなどの新インターフェースを備え、MSI独自の品質規格であるMILITARY CLASS 4にも準拠している。価格、機能、品質のバランスが取れた製品だ。

 ゲーミング仕様のマザーボードではないが、マザーボードとしての基本機能をしっかり備えたH170A PC MATEならゲーミングPCに用いても不足はない。より上級のマザーボードには、高性能なLANコントローラや高品質なオーディオ機能を持った製品もあるが、今回のように予算が限られている状況ではビデオカードとCPUの投資を優先すべきだ。

 コストパフォーマンスという点では一段落ちるが、H170A PC MATEのZ170搭載版とも言えるほぼ同仕様の「Z170A PC MATE」もMSIから販売されている。価格は税込み14,000円前後で、CPU動作倍率を変更してのオーバークロック機能を使用したい場合はこちらを選ぶ手もある。

今選ぶなら8GB×2枚セット、Micronチップ搭載の定番メモリ
「Crucial CT2K8G4DFD8213」

CT2K8G4DFD8213、DDR4-2133対応8GBメモリ×2枚セット。
Micronの刻印がされたメモリチップを採用。

 メモリにはCrucial CT2K8G4DFD8213を選択。DDR4-2133対応の8GBメモリを2枚セットにしたデュアルチャンネルメモリキットだ。

 コストパフォーマンスを重視した場合、以前なら合計8GBのメモリを搭載するのが費用的な限界点だったが、現在のDDR4メモリは7,500円前後で16GBのメモリを搭載できる。それも、Micronのメジャーチップを採用した信頼性の高いメモリとなれば、ここは素直に16GBメモリを搭載しておくべきだろう。いつでもメモリ容量には余裕を持っておきたいものだ。

コスパ重視ならSATA、3D TLC NAND採用で信頼性もウリのSSD
「Crucial CT275MX300SSD1」

Crucial CT275MX300SSD1。容量は275GB。
TLC NAND採用モデルだが、同社製の3D TLCを採用することで耐久性と信頼性の高さをウリとしている。

 システムドライブには、CrucialのCT275MX300SSD1を採用。3D TLC NANDを採用した最新の6Gbps SATA対応の275GB SSDで、転送速度のスペックは、シーケンシャルリード530MB/sec、同ライト500MB/sec。最大耐久性評価は220TBW、保証は3年間と信頼性の高さもウリとしている。

 最近のゲームは数十GB単位の容量を必要とするものも珍しくなく、OSとゲームのインストール先となるシステムドライブの容量は多いにこしたことはない。予算の縛りがなければ、M.2やPCI Expressを接続のNVMe対応SSDが魅力的だが、費用対効果を重視するなら、6Gbps SATA対応で出来るだけ容量の大きなSSDを選択することをお勧めする。

12Vライン1系統かつ80PLUS GOLD認証の割安な500W電源
「玄人志向 KRPW-G3-500W/90+」

玄人志向 KRPW-G3-500W/90+
12V出力は1系統で41.5Aを供給できる。

 電源ユニットは玄人志向のKRPW-G3-500W/90+。80PLUS GOLD認証を取得した500W電源でありながら、7,500円程度で購入できる安さが魅力の製品だ。

 CPUやGPUの消費電力が大きいゲーミングPCでは、電源ユニットの供給能力の中でも12V出力のスペックが重要だ。KRPW-G3-500W/90+の12Vラインは1系統で41.5A(498W)の出力が可能な電源ユニットで、今回搭載するGeForce GTX 1070やIntel Core i5-6600Kを余裕を持って動作させることのできる供給能力を持っている。

小型ながら確かな冷却性能を備えるCPUクーラー
「CRYORIG M9i」

サイドフロー型CPUクーラーのCRYORIG M9i

 CPUクーラーにはCRYORIG M9iを選択した。90mmファンを搭載するサイドフロー型のCPUクーラーで、Intel LGA115x系のソケットにのみ対応している。

 4,000円程度と比較的安価である点と、CPUクーラーの全高が124.5mmと低いのがこの製品の魅力だ。小型ながら確かな冷却性能を備えており、Intel Core i5-6600Kを十分に冷却しきることができる。

 また、今回の構成では「PCケースに搭載可能なCPUクーラーの全高が150mm以下」という制限があったが、CRYORIG M9iはこの制限を余裕でクリアしている。ミドルタワーケースでも横幅の狭いケースでは、大型のサイドフロー型CPUクーラーが収まらないという事態が起こり得るが、CRYORIG M9iならそうした問題を回避できる。

6,500円で購入できる静音PCケース
「Corsair Carbide 100R Silent」

Corsair Carbide 100R Silent
標準で吸排気用に1基ずつ120mmファンを搭載。

 PCケースのCorsair Carbide 100R Silent。税込み6,500円前後という価格で120mmファンを吸排気用に1基ずつ装備している。また、ケース内のノイズを吸収するという吸音材もパネルに装着されており、静音性も意識した構造になっている。

 ストレージの拡張性もあるので、のちのちHDDなどを追加しやすい。

トータルコストは約137,500円、高コスパを目指すなら大胆な予算配分が効果的

組みあがったPCの内部。LED電飾や豪華なヒートシンクなど華美な装飾はないが、質実剛健なPCに仕上がった。カラーもモノトーン調でまとまっている。

 CPUとビデオカードにこだわった今回の構成だが、他のPCパーツも予算内で可能な限りゲーミングPCに適したものを選択した。

 費用対効果の観点から、特にコストをかけるべきパーツをビデオカードとCPUを決めた今回の構成だが、すべてのパーツを合わせた場合の価格は税込み137,500円前後と当初の目標である予算15万円を大きく下回ることができた。

 トータルコストのうち、ビデオカードが約37%、CPUは約20%を占めており、ゲーミング用途においてパフォーマンスへの影響が特に大きい2つのパーツに、全体の6割弱の費用を掛けていることになる。コストパフォーマンスを追及するのなら、性能に直結するパーツに大胆にコストを集中させるのが効果的だ。

 もし、当初目標とした予算15万円の枠を使い切るというのであれば、今回の構成からアップグレードする価値が高いのはストレージ周りだ。複数のゲームを常にインストールしておきたいならSSDの容量を増やしておきたいし、NVIDIA Shadow Playなどを使ってゲームのプレイ動画を録画しておくなら、大容量のHDDを追加するのも効果的だろう。今回選択したSSDのCrucial MX300であれば、525GBモデルは税込み15,000円前後、3TBのHDDは税込み8,000円前後から入手可能だ。

 また、先述した通り、CPUをCore i7-6700Kにするという手もある。今回の構成でCore i5-6600KをCore i7-6700Kに変更した場合、最安値店でCPUを入手できればトータルコストはギリギリ15万円以内に収まる。絶対性能を求める場合はCore i7-6700Kを選択するというのも良いだろう。

2,560×1,440ドットかつ高画質設定でもゲームは快適に遊べる
ハイエンドクラスの性能を発揮

 さて、今回制作したゲーミングPCの実力とはいかほどのものか。ベンチマークテストとゲームでパフォーマンスをチェックしてみた。

 まずはファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークの結果から。使用するAPIをDirectX 11、描画品質は「最高品質」にそれぞれ設定し、フルHD(1,920×1,080ドット)とWQHD(2,560×1,440ドット)、2つの画面解像度でベンチマークテストを実行した。

フルHD(1,920×1,080ドット)解像度でのベンチマークスコア
WQHD(2,560×1,440ドット)解像度でのベンチマークスコア

 結果は画面解像度がフルHDの時はもちろん、WQHDに設定した場合でも最高評価の「非常に快適」を獲得した。「非常に快適」の基準となるベンチマークスコアは「7,000」、その約1.6倍となる「11,160」を記録した今回のPCは、WQHD解像度でファイナルファンタジーXIVを快適にプレイできるだけの実力を持っていると言えるだろう。

 次はダークソウル3。画面解像度はWQHDに設定し、描画品質を最高、自動描画調整はOFFにしてフレームレートを測定してみた。

2,560×1,440ドットという高解像度で精緻に描かれる世界を、60fpsの滑らかな描写で楽しむことができる。

 テストの結果、ほとんどの場面でも最大フレームレートの60fpsに張り付くという結果となった。

 描画負荷の高いゲームタイトルのひとつであるダークソウル3であっても、WQHD解像度かつ最高品質の描画設定で、60fpsの滑らかな描画が得られる。

 続いて紹介するのは、The Witcher 3: Wild Huntの動作結果だ。

フルHD解像度、グラフィック描画プリセット「最高」、処理プリセット「高」。多くのシーンで60fps以上のフレームレートが期待できる。
WQHD解像度、グラフィック描画プリセット「最高」、処理プリセット「高」。フレームレートはおおよそ50fpps前後。
WQHD解像度、グラフィック描画プリセット「高」、処理プリセット「高」。フレームレートはおおよそ60fps前後。
WQHD解像度、グラフィック描画プリセット「中」、処理プリセット「高」。フレームレートはおおよそ90fps前後。

 画面解像度フルHDでは、「グラフィック設定プリセット」と「後処理」をそれぞれ最高の設定にしても60fpsの維持ができる程度のパフォーマンスだったが、WQHD同じ描画品質にしようとすると、50fps前後までフレームレートが落ち込んでしまった。これはGPU性能的な限界のようだ。

 WQHD解像度であっても、グラフィック設定プリセットを2番目の「高」にすれば55~65fps、3番目の「中」に設定すれば90fps前後のフレームレートでプレイすることが可能だった。

コスパ重視ながら安定性や冷却性能も十分
ストレステストで静音性もチェック

 今回制作したPCのパフォーマンスは、最近リリースされたグラフィック重視のゲームタイトルであっても、フルHDを超える画面解像度でのプレイを可能とするほど優れたものだ。

 ただ、PCゲームを存分に楽しむためには、このパフォーマンスを安定して発揮できなければならない。ゲーミングPCがパフォーマンスの安定性を欠く主な原因は、CPUやGPUの発熱を処理しきれずに温度が上昇することにある。過熱による破損を防ぐため、CPUやGPUがセーフティ機能により動作クロックを引き下げざるを得ない状況になれば、PCのパフォーマンスは大きく低下し、ゲームのプレイ中に急激なフレームレート低下が発生してしまう。

 さて、今回制作したPCは冷却不足に陥ることなくパフォーマンスを維持する能力を備えているのか。ゲーム時にPCが安定して動作するかを確認する3DMarkのSTRESS TESTSの中から、Fire Strike Stress Testを選択してPCの安定性をチェックしてみた。なお、テストを実行した際の室温は27℃。

Fire Strike Stress Testの実行結果

 20ループのテストを実行した結果、今回製作したPCの安定度は97.5%でテストをクリアしたと判定された。長時間フルロードに近い負荷をかけ続けても、パフォーマンスの一貫性が維持されているということを意味している。

 このテスト中のCPUとGPU温度をモニタリングした結果が以下のグラフだ。

ストレステスト実行中のCPU温度とGPU温度

 ストレステストの実行中、GPU温度は最大で78℃、CPU温度は58℃だった。テスト中、GPUクーラーのファン回転数は以下のグラフのように最大で約1,800rpmまで上昇しているが、それによりGPUの温度上昇は抑制されており、長時間高負荷がかかるような動作状況においても、過熱によるパフォーマンス低下を回避できそうだ。

ストレステスト実行中のGPU温度とファン回転数

 PC本体の消費電力は、アイドル時に39W、Fire Strike Stress Test実行中は246Wだった。今回は500Wの電源ユニットを選択したが、容量には十分な余裕があることが分かる。後々、HDDやSSDを増設することになっても、電源容量の不足を心配する必要は無さそうだ。

システムの消費電力

 今回のPCでは、アイドル時にはセミファンレス機能によってGPUクーラーのファンが停止し、CPUクーラーもファンの回転数を大きく落として動作するため、大変優れた静粛性を発揮する。

 一方、Fire Strike Stress Testほど高負荷なテストを実行すると、GPUを十分に冷却するために回転するファンのノイズはある程度発生するが、大口径ファンであるため耳につくような高音ノイズは発生しない。PCの動作音に意識を奪われることなく、集中してゲームを楽しむことができるだろう。

予算14万円以下でも高性能ゲーミングPCは構築可能
最新世代パーツの高効率性が高コスパに繋がる

 今回制作したPCは、トータルコスト137,500円と予算を抑えつつも、フルHDを超えるWQHD解像度でゲームを楽しめる高性能なゲーミングPCに仕上がった。ビデオカードとCPUに予算に大きく予算をかけ、他のパーツを切り詰める割り切りの良さが功を奏した結果と言えるだろう。

 また、NVIDIAのGeForce GTX 1070とIntel Core i5-6600Kが、電力効率に優れた発熱の少ないプロセッサーであったこともコストを抑えられた大きな要因だ。電力効率の高いCPUとGPUは電源ユニットへの要求が少なく、発熱も少ないことでCPUクーラーの冷却性能やPCケースに求められる換気能力も低く抑えられる。高価なハイエンドパーツを組み合わせなくても十分に性能を発揮できる最新世代プロセッサーの特性が、全体のコストを引き下げる余地を与えてくれたという訳だ。

 今回はコストパフォーマンスを優先したわけだが、こだわればいくらでも豪華な構成にできるのが自作PC。用途に応じて費用対効果の高いパーツから順に予算を配分するという手法は、潤沢な予算がある状況であっても、より快適なPCを構築する助けとなるだろう。自作PCには様々な楽しみ方があるが、考え方のひとつとして今回のパーツ選びを参考にしてもらえれば幸いだ。

[制作協力:MSI]