特集、その他
PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」【前編】
NVIDIAやWestern Digital、ASUS、MSI、GIGABYTEなど8社
2017年1月1日 00:01
新年明けましておめでとうございます。
新年といえば去年の振り返りと今年の展望。例えばメーカーから見た去年の売れ筋パーツや今年の意気込みはどうなのか?気になる人も多いはず。
そこで今回、PCパーツやBTOメーカー各社に「2016年にヒットした製品」や「2017年の意気込み」をお伺いし、お寄せいただいたコメントをそのまま掲載しました。
掲載メーカーは前編8社(本記事)、後編9社の計17社。各社が力を入れている、そして今後入れていくポイントや今年の意気込みなど、なかなか興味深いコメントもあったりします。掲載順はブランド名50音順ですので、気になるメーカーがある方はそこを、全部読みたい方は頭からどうぞ。
PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」(2017年頭版) |
---|
【前編】ASRock、Western Digital、ASUS、ADATA、NVIDIA、MSI、ELSA、GIGABYTE |
【後編】Crucial(Micron)、Seagate、Shuttle、ZOTAC、ツクモ、ドスパラ、Hyper X(Kingston)、パソコン工房、マウスコンピューター |
ASRock
ASRock Incorporation
Marketing Director, Chris Lee氏
●2016年にヒットした製品を教えてください
「Z170 Extreme4」ですね。ASRockの企業コンセプト「コストパフォーマンス」を最高に表現した商品です。ゲーミング用途でも、ハイパフォーマンスPCとしても、機能が豊富に搭載し、且つリーズナブルな価格で、2016年に大ヒットしました。「Z170 Extreme4」は業界最長寿命ニチコン12Kプラチナコンデンサー、10フェーズ電源、Ultra M.2、USB3.1など盛り沢山の機能を搭載しております。また、ASRockマザーボード全品は、2年間製品保証と3か月CPUピン折れ無償修理を対応していますので、安心してご購入いただけます。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
今年のComputex展示会でデビューしたASRock新シリーズ「Taichi」の初めての商品「X99 Taichi」ですね。「Taichi」は中国昔からの思考で、万物の調和「太極」からとられており、あらゆる用途に対応するオールラウンドなマザーボードです。「X99 Taichi」は12基のデジタルPowerフェーズ、8層の高品質PCB、PCIe Steel Slot、IntelコントローラによるデュアルギガビットLAN、最大433Mbpsで通信可能な802.11ac無線LANとUSB 3.1 type-Cが搭載されています。高機能でありながら、価格もリーズナブルで、高い評価と注目をいただいております。
●2017年の意気込みを教えて下さい
2016年は、ASRock製品は日本のマザーボード分野において、市場シェア2位に達成しました。デスクトップ用のマザーボードのほか、産業用マザーボードとサーバー用マザーボードも開発・製造しておりますので、これらの分野でも市場シェアを上げていきたいと考えております。マザーボードといえば、「ASRock」を頭の中に浮かぶように頑張っていきたいと思います。
●読者に一言どうぞ
今まで「変態マザーボード」と呼ばれてきたASRockは、実は専業マザーボードメーカーです。常にユーザーのアドバイスに耳を傾け、市場の意見を調査し、実際に製品に反映しています。商品力、品質とサービスに対し、心を込めてご満足を頂ける商品をお届け致しますので、これからもASRockのことをよろしくお願いいたします。
Western Digital
ウエスタンデジタルジャパン株式会社
チャネルマーケティング シニアマネージャー 安田 伸幸氏
●2016年にヒットした製品を教えてください
最も売れたのはやはり定番製品になっているWD Blueでしたが、昨年に引き続き、おかげさまでWD Redも好調でした。WD Redにおいては、DOS/V POWER REPORTで“ゴールドレコメンド”を頂いたのをはじめ、8TBで価格.comプロダクトアワードで”金賞”を頂き、ユーザーの皆様からも大変ご評価頂いた製品となりました。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
やはり、WDブランドのSSDですね。
SSD製品としては後発ですが、WDブランドとしてWD Blue SSD、WD Green SSDの2種類を昨年後半に発売しました。日本ではWD Blue SSDを特にお勧めしております。起動ドライブにWD Blue SSD、データ保存用ドライブとしてWD BlueのHDDを使っていただくWD BlueによるPCストレージソリューションが実現できます。HDDからSSDまで統一できるのがWDの強みだと思っております。
●2017年の意気込みを教えて下さい
WDブランドとして、HDDもSSDも、どちらも選んで頂けるメーカーになりたいですね。
前述したようにPCストレージソリューションとして、WDのHDDを使って頂いているユーザーにSSDもWDブランドで揃えて頂けるようになったら嬉しいです。
●読者に一言どうぞ
昨年はSSDの伸びに目を見張るものがありましたが、HDDもまだまだ勢いがあります。WDはHDDもSSDも、ユーザーの皆様のニーズに合わせてどちらの製品もご提供できるストレージソリューションベンダーとなりました。今年もWDに是非ご期待ください!宜しくお願い致します。
ASUS
ASUSTeK Computer Inc.
小型PC/PCパーツ/周辺機器担当広報、岩崎 晋也氏
●2016年にヒットした製品を教えてください
もっともヒットした製品は、マザーボードではIntel H170を搭載する「H170-PRO」、ビデオカードではGeForce GTX 750 Tiを搭載する「GTX750TI-PH-2GD5」、サウンドカードでは5.1chに対応する「Xonar DGX」、内蔵型光学ドライブでは消費電力が低いDVD±Rドライブの「DRW-24D5MT」です。コストパフォーマンスが高く、搭載機能やスペックのバランスが良い製品に人気が集まった1年でしたね。ASUSのPCパーツと言えばハイエンド製品のイメージが強いと思いますが、2016年は皆様の最新の要望に応えられるように、メインストリーム製品に注力した1年でした。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
Intel X99を搭載した「ROG STRIX X99 GAMING」です。このマザーボードは、2016年のASUSのマザーボードの最新機能をすべて注ぎ込んだ、2016年の集大成とも言える製品です。ASUSの製品群の中でも最新となる、超高性能ファンコントロール機能の「Fan Xpert 4」、マザーボードのLEDをビデオカードや周辺機器のLEDと同期させて光らせることができる「Aura Sync」機能など、100シリーズには搭載していない最新機能を多数搭載しています。しかもまだまだ最強を名乗れるX99プラットフォーム。せっかく自作するなら、突出したPCを作らないと! それを実現できるのが、このROG STRIX X99 GAMINGです。
●2017年の意気込みを教えて下さい
ハイエンドの勢いが衰え、ミドルレンジでさえ失速を始め、メインストリームに大きく舵をとり始めた自作PCの世界。「これじゃあBTOでいいじゃない。ノートPCやタブレットで十分でしょ」なんて言う人もいます。いいえ、自作PCはロマンです。オンリーワンです。僕らの夢です。自作PCにしかできないことを実現していきます。ASUSは2017年も自作PCに注力していきます!
●読者に一言どうぞ
ASUSの製品を買って良かった、ASUSを選んで良かったと心から思っていただける製品を2017年もお届けしていきたいと考えています。製品ジャンルを問わず、2017年もASUSをよろしくお願いいたします。
ADATA
エイデータテクノロジージャパン株式会社
マーケティング・マネージャー、梶原武志氏
●2016年にヒットした製品を教えてください
モバイル・バッテリーは空前のヒットでした。これはもちろん例のスマホアプリのおかげでもありますが、全製品に亘って在庫切れを起こすほどの売れ行きで、ADATAのモバイル・バッテリーの認知度も大きくあがりました。やはりハードウェアはソフトウェアとコラボできると大きなビジネス・チャンスがあるな、と思った出来事でしたし、モバイル・バッテリー自体が一般のユーザーの方にも受け入れられたのではないか、と思っています。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
昨年12月に発表した製品で、いよいよ3D NAND本格普及の先駆けとなるSSDのハイエンド・プレミアシリーズに、平均耐用時間約200万時間を誇るSU900が追加されました。 他にも、クイックチャージ3.0に対応し2.5Aで充電しながら、最大4.6Aで放電できる10000mAhのモバイル・バッテリーや、IP68+ミリタリークラス耐衝撃性を持ったポータブルSSDなど、高スペックながら楽しく使える製品も発表されましたので、ぜひ注目していただきたいです。 もちろんSU800などの既存製品もまだまだ人気でおすすめです。更に、アップル製品向けのケースをつけたままでも邪魔にならない設計でカラフルなライトニング端子外付けメモリーや、充電しながらデータ転送もできる、ユニークなカードリーダーも注目です。
●2017年の意気込みを教えて下さい
2015年7月からジャパン・オフィスが活動し始めましたが、秋葉原にあるオフィスも活気にあふれ、やる気まんまんです。今年は本当にユニークかつ高性能な製品が目白押しですので、使う楽しさや使い方も含めて訴求し、一人でも多くのユーザーさんにADATA製品を使って頂きたいと思っています。
●読者に一言どうぞ
ADATAには皆様にもっと体験してほしい、良い製品がたくさんあります。
今年からは、より皆様の目に触れるような活動をしていきたいと思っていますので よろしくお願いいたします。ADATAの象徴である「ハチドリのロゴ」、ぜひ覚えてかわいがってください。
NVIDIA
エヌビディア コンスーマーマーケティング部 部長 高橋 一則氏
●2016年にヒットした製品を教えてください
やはり、GTX 10シリーズ(Pascal)製品ですね。Pascal世代になって、性能向上と消費電力性能に優れ、なおかつVR体験も可能にするということで、市場で多くの人気を獲得しました。中でもGeForce GTX 1060 6GBは最大のヒット作となりました。多くのパートナーから静穏性を重視した3連ファンのモデルやmicroATXマザーに対応したショート基盤モデルなど、お客様のニーズに対応した様々な製品がリリースされております。また、HTC ViveやOculus Riftを使用するお客様にもGeForce GTX 1060が選ばれております。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
GeForce GTX 1050 Ti/1050製品ですね。GTX 750 Ti/750 の後継として、補助電源なしでGPUのアップグレードに最適の製品です。日本では、補助電源無しの需要が強く、メーカー製PCからのアップグレード等も可能にしています。Pascal世代のテクノロジーを採用することで、現在リリースされている主要ゲームをフルHD環境で快適にプレイすることができます。これからeSportsを始めようとするお客様にも安心してお勧めできる製品です。
●2017年の意気込みを教えて下さい
NVIDIAは、ゲーマーの方に快適にプレイを楽しんで頂きたく、進化した GeForce Experienceの提供、ゲームバンドルを始めとするキャンペーンの実施、ますます広がりを見せているeSportsに関しては、GeForce CUPなどのオンライン・オフラインゲームイベントの実施やプロゲーマーチームのサポート活動も継続して行って参ります。また2017年からは、ストリーミング放送やNVIDIAファンイベント等も開催し、お客様とのつながりも一層深めていきたいと思います。
●読者に一言どうぞ
2016年も引き続き GeForce 製品をご愛顧頂きましてありがとうございます。弊社では、より一層ゲーマーの皆様に支持される製品やサービスの提供を実施して参ります。ますますの成長が期待される eSports 分野もイベントの実施やプロゲーマーのサポート、ストリーミング放送を通じての情報提供等、引き続き応援して参りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
MSI
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社
社長 Brian Kung氏
●2016年にヒットした製品を教えてください
2016年は、新GPUの登場とともにVRも本格的な普及へ足を踏み出しました。グラフィックスカードでは、NVIDIA GeForce GTX 10シリーズおよびAMD RX 400シリーズによって、より精緻なグラフィックスでゲームを楽しめるようになりました。マザーボードでは、これまでのGAMINGマザーボードのイメージを一新するTITANIUMシリーズとCARBONシリーズが高い評価を受けるとともに、信頼性とパフォーマンスの向上を図りました。また、RGB LED効果がより多くのマザーボードに採用され、幅広く受け入れられました。ノートPCでは、冷却システムを一新し、より冷却性能を高めたCooler boost Trinityを採用した世界最軽量・最薄型のGS63VRシリーズが好評でした。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
MSIでは、他社に先駆けて、各製品をVRへ最適化するVR Readyコンセプトに基づく製品開発を行なってきました。たとえば、NVIDIA GeForce GTX 1060を搭載し、VRをもっと身近に、かつお手頃な価格を実現したノートPCのGP62MVRシリーズは、VRだけでなく最新ゲームをプレイするのにも最適なモデルとして2017年から展開します。マザーボードのRGB LED機能を身近にしたGAMING PROシリーズはお手頃な価格レンジで、自分だけのスタイルの構築をサポートします。さらに、CPUクーラー CORE FROZR Lや2種類のSLI HB BRIDGE、GAMING突っ張り棒などのアクセサリを展開し、ゲーミングシステムをトータルコーディネートできるように配慮しています。
●2017年の意気込みを教えて下さい
MSIは、2016年に創立30周年を迎えることができました。これを記念してさまざまなアニバーサリーモデルを投入しましたが、とくに、より自由にVRコンテンツを楽しめる世界初のバックパックPC「VR One」は、業界で高い評価を得ました。2017年は次のステップへと踏み出し、マザーボード、グラフィックスカード、ノートPCとも、より魅力的でより幅広いユーザーに支持される製品展開を図っていきます。また、個性的なゲーミングデスクトップPCも展開予定です。2017年もMSI製品にご期待ください。
●読者に一言どうぞ
『GAMINGならMSI』その開発理念と思いが伝わる製品を充実させるべく、さらなる進化を目指していきます。ストレスなくVRが楽しめるPCとして、MSIのGAMINGノートPCを支持して下さる方が増えました。また、パフォーマンスと静音性を両立させるグラフィックスカード開発は、日本の皆さまにも高評価をいただき、今後も開発を進めてまいります。マザーボードについては、Intel 200シリーズチップセット搭載製品で、カタログスペックでは測れないパフォーマンスの向上を試みる新機能を数多く採用します。
ELSA
株式会社エルザジャパン
技術 A 氏
●2016年にヒットした製品を教えてください
ELSA GeForce S.A.C シリーズ全般、非常にご好評頂きました。特に Pascal アーキテクチャの GeForce GTX 10x0 シリーズは、高いワットパフォーマンスで S.A.C シリーズの静音性、冷却性とマッチした製品となりました。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
ELSA GLADIAC シリーズの復活に注目頂きたいと思います。S.A.C シリーズとの大きな違いは S.A.C シリーズは静音性、冷却性を高めた冷却機構を主に設計されているのに比べ、GLADIAC シリーズはボード自体から安定動作を念頭に設計した、3年間の長期保証モデルとなります。
●2017年の意気込みを教えて下さい
2017年も、お客様に安心してお使い頂ける製品をリリースしつつ、シングルスロットモデルや、複数画面出力モデルなどニーズに合わせて製品リリースを行ないます。
●読者に一言どうぞ
ELSA GPU Optimizer や、ELSA System Graph などのソフトウェアもよろしくお願いします。ELSA GPU Optimizer 、ELSA System Graph に対するご意見や追加機能のご要望には Twitter(@ELSA_JAPAN) まで!
GIGABYTE
GIGA-BYTE TECHNOLOGY CO.,LTD
Gaming Product Business Unit / Channel Manager / Candy Sen氏
●2016年にヒットした製品を教えてください
今年は新しいGPUアーキテクチャが多々発表されましたが、特にハイエンドが登場したNVIDIAのPascal GPUアーキテクチャを搭載したGeForce GTX 10シリーズは、いずれのモデルも非常に好調な販売を続けています。その中でも、弊社のハイエンドとなるGeForce GTX 1080 Extreme Gaming Premium Pack (GV-N1080XTREME-8GD-PP)は、ボード長300mmの中に100mmファンを3基搭載する新開発のWINDFORCE STACK 3Xクーリングシステム、VRとの親和性を高めるXTREME VR Link、ハイバンドSLIをサポートするXTREME SLIブリッジを付属していたこともあり、多数のご指名やお問い合わせを頂きました。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
IXOCシリーズと名付けています、ボード長が約170mmのシリーズの、GeForce GTX 1070搭載モデル(GV-N1070IXOC-8GD)は小型でもハイエンドGPUを搭載していることもあり、小型PCでAAAクラスのPCゲームを楽しみたいという方からの人気を獲得しています。ケースの大きさを気にして、なかなか強力なGPUの搭載ができなかったという方にはぜひ注目していただきたいです。
●2017年の意気込みを教えて下さい
2017年も、新しいことを、ハード・ソフト両面から、ユーザー様に提供していけるよう着々とプランが組まれ続けています。みなさんがゲームやVRをより身近に、楽しくなるような提案をしていきたいと存じます。GIGABYTEだからできる、GIGABYTEだけができるXTREMEを是非ご期待ください。
●読者に一言どうぞ
GIGABYTEでは、特典を提供するXGクラブはじめ、ユーザー様と身近になれるよう、XTREME GAMINGのFacebookやTwitterを展開しています。ぜひイベントやキャンペーンにご参加ください。最後になりましたが、2016年も弊社製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございました。
【後編はこちら】