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会議も、趣味も、艦これも!タッチなモバイル液晶「On-Lap 1502I」を使い倒してみた
Text by 日沼 諭史
(2013/9/25 12:02)
テックウインドが販売している台湾GeChic(ゲシック)社製の「On-Lap 1502I」は、10点マルチタッチに対応した、15.6インチ、フルHD解像度のディスプレイ。高い性能をもちながら、わずか9.9mmという薄さを実現した製品だ。
Windows 8などのタッチディスプレイ対応デスクトップOSで最大限に活用でき、やや大型のタブレット端末のように扱える点が特長で、実売価格は4万円中盤から後半ほど。液晶パネルをIPSからTNに変更、解像度もフルHDから1,366×768ドットに落とした下位モデル「On-Lap 1502T」も同3万円中盤で販売されている。
販売元では“モバイルモニタ”と呼んでいるが、縦横幅はA4見開きサイズに近い430.4×248.3mm、重量は1,350g。スマートフォンや10インチタブレットを見慣れている人は「デカい!」という印象を受けてしまうだろうけれど、持ってみると意外に軽くて拍子抜けする。たしかに“モバイル”と言って差し支えのない機動性の高さを感じさせてくれる一品だ。
ではそんな「On-Lap 1502I」をどんな風に使いこなすことができるのか、いくつか使用例を紹介しつつ、魅力と面白さをお伝えしていきたいと思う。
USBバスパワーで動く、軽量・大画面のタッチ液晶
さて、使用例の前に、まずは簡単に解説しておきたい。
基本的なポイントは発売時の記事でも紹介しているが、液晶はフルHD解像度(1,920×1,080ドット)のLEDバックライト付きIPSで、400:1のコントラスト比、160度の広い視野角、17.5msの応答速度を達成。タッチは静電容量式で、10点タッチもOK。HDCPにも対応、TV番組やムービーなどデジタルコンテンツの再生も問題ない。
側面には、映像入力用のMicro HDMI(TypeD)と小型のD-Sub15ピン端子(専用別売ケーブルで利用可能)、Micro USBポート×2(うち1個は給電専用)、ヘッドフォン端子が設けられている。電源はUSBバスパワーのみでまかなうことができ、PCとの間をHDMIとUSBケーブルの2本で接続するだけで使えるという手軽さもウリ。Windows 8やWindows 7で使う分には別途ドライバをインストールする必要もないので、接続すればすぐに使用可能だ。タッチディスプレイ非対応のOSでも、同様に映像入力と給電用のMicro USBを差し込むだけで外部ディスプレイやセカンドディスプレイとして使える。
同梱のコンパクトな専用スタンドでOn-Lap 1502Iを立てたり、寝かせたりできるため、PC用ディスプレイとして使う時はもちろん、上からのぞき込む形でタブレットのように操作する場合でも使い勝手はいい。オプションの「VESAマウントキット」を入手すれば、一般的なディスプレイアームなどと組み合わせて自由な位置・角度で活用できるようにもなっている。
新聞・雑誌を大きく読めるOn-Lapはビジネスマンの味方!?
ということで使用例の一番手は「新聞」。
「新聞のイメージそのままで読める」というアプリはタブレットにも存在するが、10インチ級では「本物」と比べるとやはり小さい。Windows 8マシンと組み合わせて使うなら、「日本経済新聞 紙面ビューアー」で日経新聞の紙面そのままを「On-Lap 1502I」上に再現してみるのがおすすめだ。
15.6インチで本体左側には各種スイッチ類が設けられていることから、横置きにした場合はけっこう幅広に思える「On-Lap 1502I」。このサイズ感は新聞を広げた感覚によく似ているかもしれない。フルHDということもあって、文章量が多く文字の小さな新聞の紙面でも視認性は高い。もし見にくい場所があってもピンチ操作でサクッと拡大しつつ読めるのはかなりうれしい。日経電子版の有料会員登録が必要になってしまうが、すでにPCやタブレットで電子版を閲覧している方も、ぜひこの“リアル新聞”により近いスケールで読める快適さを体感してほしいところだ。
また、雑誌も大画面を活かせるコンテンツの1つ。
たとえばさまざまなジャンルの雑誌の電子版を入手できる「マガストア 電子雑誌書店」の場合、横置きにして見開きで見るのもアリだし、Windows 8の解像度設定でデスクトップを「縦」に変えて、さらに大きく片面表示。
拡大操作なしでもほとんどの文字をしっかり読み取れるほどになる。ページ繰りのレスポンスも申し分ない。
家庭やオフィスでホワイトボード代わりに
いわゆる一般的な“壁掛けテレビ”よりも薄くて軽量な「On-Lap 1502I」は、ぜひとも壁などに沿わせてスタイリッシュに利用してみたいところ。そんな時は、別売オプションの「VESAマウントキット」を使うとよい。PCアームなど既存の多彩なVESAマウント対応製品で自由度高く固定してみよう。
壁際の家具などに固定したアームの先にマウントキットを使って「On-Lap」を取り付け、「isoBoard」などのドローツールを用いれば、あっという間にホワイトボードのできあがりだ。
家庭内の用事や予定を書いておくなど、家族間で連絡ボード代わりに使うのにもいいし、あるいは地図などとにらめっこしながら旅行の計画をメモするのにも最適かも。もちろんオフィスでもホワイトボードとして使えるけれども、打合せ時のテーブルの上に置いて「Note Anytime」のようなノートアプリでみんなのアイデアを書きまくって話し合う、みたいな用途にも活躍するだろう。大画面のメリットを大いに活かせるのでは?
「SIMCITY」も「艦これ」もタッチでプレイ
都市開発シミュレーションゲームの決定版「SIMCITY」はタッチ操作に対応していて、マウスで操作するよりも“街作りしている感”が圧倒的。
ボタン操作はもちろんのこと、フィールドのスクロール、視点移動、ピンチイン・アウトによる拡大・縮小など、ほとんどすべての操作をタッチでカバー。
特に道路の敷設・取り壊しや、建設エリアを指定する際のドラッグ操作が気持ちいい。なお、フルスクリーン表示時は文字入力の際にハードウェアキーボードが必要になってしまうが、使うのは街の名前を付ける時くらいなので、それほど問題にはならないだろう。
また、提督となって“艦娘(かんむす)”を編成し、戦闘へ出撃させるFlashゲーム「艦隊これくしょん」、通称「艦これ」も、Windows 8と「On-Lap 1502I」の組み合わせであれば思う存分タッチで遊べる。
FlashのせいかWebブラウザーのせいか、ボタンタップ時の反応がやや鈍く感じる時もあるけれど、「On-Lap 1502I」が備える内蔵スピーカーで艦娘のボイスもバッチリ聴けるから、多少の反応の鈍さなんか全然気にならない……はず。
「On-Lap 1502I」が高解像度であるために、「艦これ」のゲーム画面ももうちょっと解像度を上げてほしい、と思うのはわがままだろうか……。
芸術家肌のあなたにもおすすめしたいフォトレタッチも?
Windowsの解像度設定で縦置き、横置きのどちらでも使えるため、大画面のOn-Lap 1502Iを絵を描く際のキャンバスにするのもアリだろう。
On-Lap 1502Iをイーゼルに立てかけ、本格的な油彩風の絵画も描けてしまうWindows 8専用アプリ「Fresh Paint」を使えば、気分は画家そのもの。指先でタッチするのもいいけれど、タッチパネル専用のスタイラスペンで描けば、さらに気分が盛り上がりそうだ。外で風景画を描くのあれば、ノートPCと組み合わせて使うといいかも。
また、同じようにしてフォトレタッチ、というのも良さそう(?)だ。
他にもこんな事を考えてみた!
「小型軽量、でも大型のタッチ液晶ディスプレイ」というのはなかなか想像力をかきたてるものがある。そのほか思いついた様々なアイデアをちょっとここで披露しよう。
大画面は、やっぱりイイ!
というわけで、実にいろいろな場面で活用できることがわかった。
近頃はノートPCもタブレットも小さくて高精細がウリの製品が多くなっている気がするけれど、やっぱり大画面っていいもんだなあと改めて再認識してしまった。ドロー系アプリでは正確なタッチをするためにもこれくらい大きい方がありがたいし、ゲームなんかは大画面でプレイすると臨場感が全然違うわけで、もっとサクサク動かすためにPCを新調したくなってしまう気持ちを押さえ込むのが大変だった。
しかしながら、今回はあくまでもOn-Lap 1502Iの魅力の一部を例示しただけ。使い方のアイデアはまだまだ他にもたくさんあるはずなので、ぜひみなさんもオリジナリティあふれる活用にチャレンジしてみてほしい。