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タッチなモバイル液晶「On-Lap」が小型化、その軽快さを活用してみた

実はデスクトップPCでも便利、もちろんノートやタブレットでも text by 日沼 諭史

「On-Lap 1002」

 「On-Lap」といえば、GeChicが発売するユニークな「モバイル液晶」だ。電源はUSBバスパワーでモバイルバッテリーでも動作OK、モデルによってはタッチパネルまで備えるという独特の魅力に興味をひかれた読者も多いと思う。

 その「On-Lap」シリーズに、10.1インチの「On-Lap 1002」が加わった。これまでの同シリーズは13.3インチ以上の製品のみだったが、今回のモデルは同社が呼称する“モバイルモニター”にまさしくふさわしいサイズ感。タッチパネルも採用しており、もちろんUSBバスパワー動作が行える。

 15.6インチの「On-Lap 1502I」については、以前レビューしたが、その際も「艦これ」から「新聞読み」、フォトレタッチまで様々な活用方法がイメージできた。

 そこで今回は、この小型化された「On-Lap 1002」を使うことで、日常をどんな風に過ごせるのか、“On-Lapがある1日”をシミュレーションしてみた。

 なお、「On-Lap 1002」の実売価格は税込み3万円前後。すでに店頭販売中だ。

「サッ」と使える追加ディスプレイ10インチ級でUSBバスパワー動作、タッチも対応

 さて、“On-Lapがある1日”の前に「On-Lap 1002」の仕様をチェックしたい。

 On-Lap 1002は、PCなどの外部モニター出力(HDMIまたはVGA)とUSBポートの両方からケーブル接続することで、タッチ対応のディスプレイとして使える製品だ。LEDバックライトの10.1インチIPS液晶を搭載し、解像度は1,280×800ドット。10点マルチタッチをサポートしている。

 USBバスパワーで動くので、何より「サッ」と使える身軽さがウリだ。

10.1インチのコンパクトサイズ
背面はシルバーの金属風塗装が施されている

 映像入力用のMicro HDMIとMicro VGAのほか、タッチ操作対応と電力供給のためのMicro USBポート、電力供給のみに利用するMicro USBポートを1つずつ備える。内蔵スピーカーでのサウンド再生が可能なだけでなく、ヘッドフォン端子による音声出力も可能だ。

側面に並ぶ入力ポート。USB接続するだけで電源供給できる。"DCIN"は高輝度設定時の補助電源目的に設けられており、高輝度設定時など、接続したPCからの電力供給が不足する場合に併用する(この場合は電力不足警告が表示される)
内蔵スピーカーでサウンドもしっかり聞ける
持ち運びは楽ちん

 ドライバは必要なく、ノートPCやすでに外部モニターを使っているPCに本製品を追加するだけで、デュアルディスプレイ環境を簡単に構築可能。Windows 7/8などのタッチ対応OSであればタッチ操作もOKで、静電容量式のタッチパネルということもあり、反応速度も良好だ。HDMI出力端子を備えたカメラなどからの映像出力先としても使える。

 液晶の解像度を除き、以前から販売されている15.6インチの「On-Lap 1502」とほぼ同等の機能、性能を備えているが、1番の大きな違いは、やはり本体の大きさになるだろう。

 実測したところ、幅275×高さ193×厚さ10mmほどで、縦横はA4サイズよりやや小さいくらい。手に持った感じも10インチクラスのタブレットと同等か、少し軽い程度だろうか。

 15.6インチの「On-Lap 1502」とは比べるまでもなくコンパクトで携帯しやすい。「On-Lap 1502」は気軽に外へ持ち出す、というわけにはいかなかったが、「On-Lap 1002」であればタブレット感覚で軽快に扱えるはずだ。

モバイルバッテリーでも動作OKNUCと合体、「小型の一体型PC」にも

VESAマウントでIntel NUCを装着。超省スペースPCができあがる
モバイルバッテリーで十分に駆動する。たとえばカメラと組み合わせて使うと便利だ

 また、「On-Lap 1002」にはVESAマウントに対応した脚付きの専用カバーが付属している。

 本体をこのカバーに入れて脚を出せば、デスクワークにちょうどいい角度で自立させることができる。カバーに設けられた穴を使ってVESAマウント対応製品をネジ留めし、Intel NUCのような小型PCと合体させて高性能な超省スペースPC環境を作り上げたり、フレキシブルアームなどを用いて自由なアングルで固定することも可能となる。

 対応OSはWindows 8.1/8/7となっているが、映像を単純に出力したいだけであれば、HDMI出力端子をもつさまざまな機器、たとえばカメラなどと組み合わせて使える。その場合はACアダプターやモバイルバッテリーをMicro USBケーブルで接続し、電力供給する必要があることを頭に入れておこう。

付属の脚付きカバー
「On-Lap 1002」に装着するとこんな感じ

朝から晩まで遊んでみた「宣伝用」から5画面マルチディスプレイまで…

 というわけで、シリーズ中最もコンパクトで軽量な「On-Lap 1002」。

 タッチもあるし、小さくなったし、Windowsならではのユニークな活用ができそうだ。
「On-Lap 1002のある一日」をテーマにちょっと色々考えてみた。

モバイルノートPCの天板につけて「宣伝」に(?)
【通勤編】
「On-Lapな一日」はなんといっても通勤から(笑
 天板に「On-Lap 1002」を貼り付けたノートPCで、さりげなくアピールしながら仕事、なんてことも大丈夫。ただ、勝手に操作されないよう、タッチ機能は使わない方がいいかもしれない(笑
基本ワザ、「ノートPC用マルチディスプレイ」
【仕事編(その1)】
出社したらノートPC+マルチディスプレイでまず仕事。On-Lapの基本的な使い方だが、実際便利。
 
 一方の画面で原稿や資料を作成しながら、もう一方の「On-Lap」ではタッチ操作でサクサクとツイートをチェックし、マルチタスクに仕事をこなす。
 
 ちなみに写真の彼曰く「ツイートのチェックはあくまでも最新ニュースや自社の風評が流れていないか見つけるため、断じてサボりではない」とか。
2台の「On-Lap 1002」を使う時は、デスクトップをミラーリングして、打ち合わせやプレゼンテーションで活躍する。向かい合わせになった相手に見せたり、相手にも操作してもらう、といった使い方が面白い。大勢に見せるのであれば大画面の「On-Lap 1502」シリーズと組み合わせるのもよさそうだ。
コンパクトだからこそ、こっそりゲームもできちゃうのが「On-Lap 1002」のいいところ、かも。お昼の休憩時間など、ちょっとした息抜きにタッチ操作でゲームをプレー。膝の上に乗せた状態で使えるほどコンパクトになったありがたみを、こんなシチュエーションでも実感できる。
デスクトップPCでも実は便利、
第3、第4、第5のディスプレイとして
【仕事編(その2)】
ノートPC向けと思われがちなOn-Lapだが、小型さと軽快さから「余ったスペースで使う追加ディスプレイ」としてデスクトップPCでも便利に使える。
 
 写真のような「もう置き場なし」な環境でも4台目、5台目のディスプレイとなり、しかも邪魔になったらすぐにどかせる。常時見ておきたいメールソフトやTwitter、あるいはニュースサイトの画面を出しておくのにいいだろう。
 
 また、事務机にできがちな「書類を書くための空きスペース」に置いておくと、タッチ機能も気軽に使える。多画面環境では、マウスカーソルを見失いがちだが、タッチ液晶なら、タッチした場所にマウスカーソルが移動してくるのもポイントだ。
 
 なお、最近のUSBディスプレイアダプタは1台のPCに6個ぐらいまで接続できるので、ビデオカードで3台、USBアダプタ経由で6台、合計9台のマルチディスプレイ、なんてのも可能そう。写真の例ではあと3台ぐらいいけそうだ(笑。
 
 ちなみに今回、2台の本製品を1台のPCに接続してテストしたが、そのうちの1台しかタッチ機能が使えなかった(64bit版Windows 8.1にて確認)。Windows 8.1自体は複数のタッチ液晶を同時に利用できるが、ドライバやPC環境によってはこうしたことがあるようだ。
マルチディスプレイ環境でタッチ液晶を接続する場合、コントロールパネルの「タブレットPC設定」→「画面」→「構成」にある「セットアップ」ボタンを使い、画面とタッチパネルの対応を設定する。設定しないと、タッチしたのと違う画面が反応する、なんてことが起きる。
 
 ちなみに編集部では、1台のPCでタッチ液晶3台を同時に使えることを確認済み(すべて異なるメーカー製)。
置き方を変えてみた。下の画面でゲームをしてもバレない(笑
Windowsタブレットでの接続例。
 
 HDMI出力の無い機種ではUSBディスプレイアダプタが必要(つまり、ディスプレイの電源が別途必要になる)だが、HDMI出力のある機種なら「表示が2画面のタブレット」という不思議な運用もできそうだ。
デジカメと組み合わせてプレビュー&RAW現像
【自宅編】
NUCと一体化したOn-Lap 1002はかなりのハイパフォーマンス。明日の仕事のための資料作りや、撮影した写真データの整理にも「On-Lap 1002」は威力を発揮する。比較的重い処理であるRAW画像の現像処理もはかどるだろう。Androidタブレットにはまねのできない芸当だ。
デジカメと「On-Lap 1002」を接続すれば、大画面でプレビューしながら撮影できてしまう。デジカメのモニターは小さくてディティールが見えにくかったり、ピントが合っているかどうかわかりにくい時もあるから、シチュエーションによってはかなり便利。
 
 撮影した写真をその場で無線送信してタブレットなどで確認できるようにするWi-Fi機能付きSDカードもあるが、シャッターを押す前に大画面でチェックできた方が撮影効率はずっと高いはず。
やっぱり艦これも?
【就寝編】
最近はWindowsタブレットが人気だが、やっぱり今回もやってしまう(笑。コンパクトになって“臨場感”はやや損なわれてしまったけれど、より一層添い寝しやすくなった。
ぎゅっとしてみる。
朝7時、一緒に寝ていた“深雪”に起こされる。「On-Lap 1002」はスピーカー内蔵なのでアラーム音もバッチリ。アラーム音を好きな音源に変えられるアプリケーションを使って深雪の声で起こしてもらえば、一段と爽やかな目覚めになるに違いない。

小さいからこそ可能性は広がる!?

 というわけで活用例を見てきたが、もともとの製品コンセプトがユニークなだけに、普通な例からそうでない例までいろいろ出てきた。

 「PCのデュアルモニター化」という基本用途はこれまでと変わらないOn-Lap 1002だが、シリーズ最小の小ささで、新たな用途が生まれた、ということだろう。省スペースPCやサーバーのモニターにも利用できるし、ノートPCやタブレットとセットで持ち運ぶような使い方でも実用度はかなり高い。

 一見「小さくなっただけ」な本製品だが、アイデア次第で新しい可能性を秘めた製品という印象を強く受けた。

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(日沼 諭史)

GeChic On-Lap 1002