特集、その他

“10TB時代”に向けた最新HDD技術「SMR」のポイントを
Seagateに聞いてみた

その特性やベンチマーク、そしてNAS向けHDDの新製品も… text by 平澤寿康

SMRを採用した一般向け初の製品となったArchive HDD 5TBモデル
SMRで8TBを実現するArchive HDDの大容量版「ST8000AS0002」(1〜2月頃発売)のサンプル品。1プラッタ容量は1.33TB(6枚構成)まで大容量化、価格も「4万円前後」という安値が示唆されている
 
 「エンタープライズ向け」であることもポイントで、24時間×7日/週の通電サポートや3年の保証期間、回転振動を検出して性能低下を防ぐ回転振動(RV)センサー、128MBのキャッシュ容量などもウリとしている。

 最新の大容量技術「SMR」を採用する初のHDD「Archive HDD」シリーズが、Seagateから発売された

 HDDの大容量化はしばらく足踏み状態だったが、HDDメーカー各社ではSMRの採用で容量拡大を計画中。そして、その口火を切ったSeagateでは、来年第1四半期に1.33TBプラッタを採用した安価な8TBモデルを、そして来年中には10TB品も発売できる見込みという。その後も新技術で容量が向上していくとされ、久々にHDDの話題がアツくなりそうだ。

 また、今回の「Archive HDD」は、同社がトップシェアを握るエンタープライズ向け製品の一端でもある。同社では、エンタープライズ製品で培った信頼性や品質を順次コンシューマー製品にも適用していく戦略で、エンタープライズ製品から様々な新技術が導入されているそう。そうした新技術とはなんなのか、そもそも「エンタープライズ向けHDD」は何が違うのか? 今後の最新技術や製品展開なども含め、いろいろと話を聞いてきた。

 お話をお伺いしたのは、日本シーゲイト株式会社 カスタマーテクニカルサポート シニアマネージャーの多田 征司氏(以下、多田氏)だ。

「書き込みヘッドの限界」を破るために登場したSMR「重ね書き」で容量アップ

日本シーゲイト カスタマーテクニカルサポート シニアマネージャーの多田 征司氏

――SMRという技術はそもそもどういったものなのでしょうか。

[多田氏] HDDは、外周から内周に向かって同心円状に確保されている「トラック」というものがありまして、そのトラック内にある「セクタ」という部分にデータを記録しています。そして、トラックとトラックの間には、お互いの記録データが干渉しないように「ガードバンド」というものが確保されています。これが通常の仕様です。

 それに対してSMRでは、データの記録方式が大きく異なっています。一般的なHDDでは、隣接するトラックが重なることはありません。SMRは「Shingled Magnetic Recording」の略で、SMRではトラックが重なるように記録することで、記録密度を高める技術です。Shingleは、屋根瓦を想像してもらえると最適です。屋根瓦は隣の瓦と重ねて敷き詰めますが、SMRの記録方法はそれと同じイメージです。

従来の書き込み方法(上)とSMRによる書き込み方法(下)の比較

――「トラックを重ねて記録する」というのは、これまでの常識を覆す技術ですが、なぜこのような技術が登場したのでしょうか。

[多田氏] HDDの記録密度を高めるためには、トラック幅を狭くする必要があり、そのために読み出し用ヘッドと書き込み用ヘッドの幅をそれぞれ狭くします。しかし、書き込み用ヘッドの幅はほぼ限界まで狭くなっており、今の技術では「これ以上細く書けない」というところまで来ています。

 書き込み用ヘッドは、電気信号を磁気信号に変換する、いわば電磁石のようなものです。書き込み用ヘッドの幅を狭めるには、”ポール”と呼ばれる電磁石の芯に相当する部分を細くする必要があるのですが、ポールを細くすればするほど、発生する磁束が外に漏れてしまったり、中央に集約できなくなってしまい、ロスが大きくなってしまうのです。一方、データ読み出し用ヘッドは、幅を狭くしてもデータを問題なく読み出せます。

 そこでまず、読み出し用ヘッドの幅だけ狭くします。これで「狭いトラック」を読むことができるようになりますが、従来幅の書き込みヘッドを普通に使うと、その狭いトラックを作れません。そこで、普通に使うのではなく、「“狭いトラック分”が残るように、直前に書いたトラックを重ね書きしながら書き込む」という方法で狭いトラックを作るのがSMRです。

 これによって、書き込みヘッドの幅を狭くすることなく記録密度を高めています

――では、実際の書き込み用ヘッドと読み出し用ヘッドの幅はどの程度違いがあるのですか?

[多田氏] 実効的なトラック幅としては、読み出し時の幅に対して書き込み時の幅が20〜30%ほど広くなっています。ちなみに、ヘッドの物理的なサイズとしては、書き込み用ヘッドのポールよりも、読み出し用ヘッドのポールの方が若干太く見えたりします。

――なかなか興味深い書き込み方式ですが、隣のトラックと干渉することはないのですか?

[多田氏] それについては、書き込みヘッドにシールドを施すことで、干渉が発生しないようにしています。具体的には、書き込み用ヘッドのポール部分の側面に、磁気をシールドする部材を取り付けています。これによって、書き込み時に隣のトラックに磁気が漏れずに、干渉の影響がないようになっています。

――SMRを利用することでHDDの記録密度は高められますが、逆に弱点になるような部分はありますか?

[多田氏] ポイントになるのは書き込み、特にランダムな書き込みですね。

 まず、シーケンシャルでデータを書き込んでいく場合は特に問題は発生しません。しかし、ランダム書き込みでは一部のデータだけ書き直そうとした場合でも、SMRではそれ以降のデータ全てを書き直さなければなりませんし、データを重ね書きしてしまうので、あらかじめ消えてしまうデータを読み出した上で、書き直す必要もあります。

 もちろん、それをそのまま実装したのでは「普通のHDD」としてはとても使えないような性能になってしまいますので、それをいかに制御するか?がポイントになります。

 具体的には、今回、そうした「HDDの都合」をHDD側でうまく処理し、普通のHDDのように使える「ドライブマネージド」と呼ばれる制御方式を採用しました。

 他社が発表しているSMR対応HDDでは、ホスト側がSMRに適した制御をする前提でHDD側にデータ提供する「ホストマネージド」もありますが、我々は「従来のHDDと同様に使ってもらう」ことを重視して、ドライブマネージド方式を採用しました。なお、考え方としては、「ホスト側に対してSMR対応であることを伝えて運用を最適化する」というドライブマネージドとホストマネージドの中間に位置する考え方もあり、こうした製品の投入もロードマップにあります。

――ドライブマネージド方式では、通常のHDDと同じように利用できるということですが、HDD内部ではどのような作業が行われているのでしょうか。例えば「データを書き込む際、一度キャッシュのような領域にデータを蓄えて、別の時間にSMR方式で書き込んでいく」というようなことをしているのでしょうか?

「メディアキャッシュ」と呼ばれる領域が用意される

[多田氏] そういったこともやっています。

 実はHDD上に「メディアキャッシュ」と呼ばれるキャッシュ領域を確保していまして、書き込んだデータはいったんそこに蓄積。一段落したらSMR部分にまとめて書き込む、という仕組みになっています。これによって、「1バイトの書き換えでSMRのブロック全てを書き換える」ということはなく、ベンチマークテストなどでも通常のHDDと遜色のない性能が示せるようになりました。

 ただ、用途によっては、どうしても速度低下が現れてしまうこともあります。例えば、メディアキャッシュは数GB単位で用意していますが、それがあふれるような書き込みが発生すると、速度の低下が顕著になる場合があります。今回のHDDを「Archive HDD」という用途向けで発売したのは、そういった理由もあります。

――つまり、得意/不得意がこれまでのHDDとは異なる、ということでしょうか?

[多田氏] そうですね。普通のTV録画用として使う分には問題ありませんが、多数のストリームを常時同時に録画する、という用途には向いていないかもしれません。また、Windowsの起動ディスクとして利用するのも向いていないと思います。

 一方で、バックアップメディアとしては最適でしょう。

 実際には使ってみないとなんともわからない部分はありますが、基本的には、書き換えが頻繁に発生しない用途で使うのがベストです。例えば、バックアップでも差分バックアップを取るというようにすれば、全く問題なく利用できると思います。

 Archive HDDは、これまでのHDD製品群とは異なる、新しいセグメントの製品と考えています。書き込みは1回のみで何度も読み出すような用途に対応できる製品としてどういったものが最適か、という発想から出てきた製品です。数年前より、テープや光ディスクを使ってデータを保存していた部分に、ビット単価の安いHDDを使いたいという声がありました。そして、ビット単価の安いHDDだったらSMRがベストでしょ、というのが発想の根底にあります。

――大容量のテレビ録画データを蓄積したり、デジタルカメラで撮影したデータを保存するという用途には最適そうですね。

[多田氏] そうですね。そういった用途であれば全く問題ないと思います。

――価格についてはいかがでしょうか? 例えば、他社の製品で、ヘリウムガス封入の8TB製品が登場していますが。

[多田氏] 8TBモデルの具体的な価格や発売時期は僕からはお話できないのですが、競争力のある製品になる、ということはお伝えできます。

 ちなみに、ヘリウムガスを封入したHDDの製品化は、弊社でも可能なのですが、コストが非常に高くなることもあり、それを選択しませんでした。リーズナブルな価格で大容量のHDDを提供するためにSMR技術を使っていきたいと思っています。

(注:インタビュー収録後、店頭イベントで発売時期を「来年1〜2月」、価格については4万円前後を示唆する発言が同社担当者よりあった

Seagateの得意分野は信頼性重視の「エンタープライズ」「Enterprise NAS HDD」も年内に発売

――ところで、今回のArchive HDDは実はエンタープライズ向けモデルだと聞きましたが…

[多田氏] はい、その通りです。

 PCパーツショップで販売されていますが、Archive HDDはエンタープライズ向け製品そのものです。例えば、従来より販売しています「NAS HDD」は、エンタープライズ向けの技術をコンシューマに下ろしてきて、コンシューマ向けとして開発された製品ですが、そちらとは性質が違い、当初から「エンタープライズ向け」として設計された製品になります。

Enterprise NAS HDD、その名の通りのエンタープライズ向け製品だが年内に自作ショップでも発売される見込みという。なお、この製品はSMRではなく、従来タイプの記録方式
Enterprise NAS HDDとNAS HDDなどとの違い
Enterprise NAS HDDの裏面
エンタープライズ向けHDDの基板、2つある赤い丸印が加速度センサー
エンタープライズ向け製品では、搭載するセンサーの個数などが違い、回転振動なども検出できるという
回転振動の検出がないと、回転振動の影響が大きく、性能低下も大きい

――エンタープライズ向け製品とコンシューマ向け製品はどう違うのですか?

[多田氏] 例えば、コンシューマー向けの「NAS HDD」に対して、エンタープライズ向けの「Enterprise NAS HDD」という製品があり、「NAS向け」という点では同じです。しかし、信頼性が大きく異なっています。

 基本的な考え方ですが、エンタープライズ向け製品では、コンシューマ向け製品よりも記録密度を落としていることが多いです。エンタープライズ向け製品は保証期間が5年間となっていますが、コンシューマ向け製品に比べて求められる製品寿命の長さが大きく異なります。そのため、記録密度を落として信頼性を高めているのです。

 また、センサーの活用を積極的に行っているのもエンタープライズ向け製品の特徴です。

 例えば加速度センサーを1つ搭載すれば振動を、2つ搭載することでドライブ筐体の回転を検出できるのですが、現行のエンタープライズ向け製品では加速度センサーを2つ搭載しています。

 なぜかというと、エンタープライズでは多くのドライブを同時に利用する場面が圧倒的に多いのですが、そうした場合、隣接するドライブに振動や回転が伝わり、シークやトラッキングの性能が低下する、ということが起きるためです。振動と回転を検出しておけば、ヘッドの動作でそれをキャンセルできますので、信頼性の向上だけでなく、性能低下を抑えることも可能になります。

 さらに、湿度センサーも搭載しています。これは、ヘッドとディスクのすき間「フライハイト」の微調整に使うためのものなのですが、このフライハイトは現在数十オングストロームほど、実に5〜6年前の1/10になっています。このレベルになると湿度によるフライハイトの変化が無視できないため、湿度センサーを活用することになりました。

 その他、エンタープライズ向け製品では、ランダムアクセス性能を高めるために、ヘッドをコントロールするアクチュエーターの性能を高めてシーク速度を速めています。このように、エンタープライズ用途で要求される高い性能を実現するようなテクノロジーを採用しているという点が異なる部分です。

 また、製品の品質基準についても異なっており、エンタープライズ向けの「Performance」シリーズのMTBFは200万時間、「Capacity」シリーズのMTBFは100万〜120万時間となっています。PC向け製品は75万時間ですので、3割増〜2倍強、というイメージでしょうか。いずれにせよ、用途に応じた品質基準をクリアする、ということが重要なポイントだと考えています。

――Seagateはエンタープライズ向けHDDで高いシェアを誇っていますが、エンタープライズ用途で高い評価を獲得している要因は何でしょうか。

[多田氏] 以前より、我々はエンタープライズ向け製品として、高容量の製品を他社に先駈けて投入してきました。

 ユーザー様はビット単価にこだわりますので、そこは大きな強みだと思います。特にエンタープライズのユーザー様は、一度システムを構築すると変化を嫌われます。最初に評価いただければ、それが基準となって、以後も「それと比べてどうか?」という基準で検討していただけます。新製品を他社に先駆けて投入し続けていることが、エンタープライズで高い評価をいただいていた理由でしょう。

――では、エンタープライズではSeagateの製品が基準になっているのですね。

[多田氏] そうですね。トータルで見ると、エンタープライズ向け製品のシェアはトップです。

 特に「Capacity」製品ラインを中心に高い評価をいただいていると思います。

 ここ1〜2年、エンタープライズ向け高容量帯製品はもちろん、デスクトップ、ノートPC向け製品に関しても、全世界の主要OEMメーカー様から非常に高い評価を得ており、信頼性、品質ともにナンバーワンだと評価されています。

 とはいえ、まだまだ至らない部分もあると考えています。現状の評価に慢心することなく、改善できるところは改善していきたいと考えています。

――コンシューマ向けHDDにエンタープライズ向け製品で採用される優れた技術が反映されることもありますか?

[多田氏] もちろんあります。ヘッドやメディアの技術は、エンタープライズで先行して採用し、その後コンシューマ向けにも採用していく、というサイクルを採用しています。

 エンタープライズ向けのPerformanceシリーズでは、ディスク回転速度が10,000回転や15,000回転といった製品がありますが、そういった製品ではその回転数に耐えうるメディアやヘッドを採用しなければなりません。そして、そこで開発した技術を、後にデスクトップ向けにも採用していくわけです。

――エンタープライズ向けのNAS HDD「Enterprise NAS HDD」も今後コンシューマ向けに市販されるそうですが。

[多田氏] そのとおりです。Enterprise NAS HDDは、先ほど紹介したように、加速度センサーや湿度センサーを利用したヘッド制御機能も搭載しています。

 しかも、コンシューマ向け製品の3割増し程度の価格で販売されます。エンタープライズ同等の品質の製品が、コンシューマ向け製品のわずか3割増しで手に入り、自分のPCで利用できるというのは、非常に魅力的だと考えています。

 このようにエンタープライズ向けの製品をコンシューマ向けに投入できるのは、我々の生産設備が充実していることも大きく影響していると思います。我々の製品は中国やタイの工場で製造していますが、エンタープライズ向けからコンシューマ向けまで、全く同じラインで製造できます。エンタープライズ向けの品質を確保できるラインで、コンシューマ向け製品も製造しているので、当然エンタープライズの品質をコンシューマ向けにも転用しやすいのです。

 製造上の品質管理は、エンタープライズ向けもコンシューマ向けも同等です。あとは、コストとの兼ね合いで採用しているパーツが異なっていたり、品質のマージンをどの程度確保するかという点が異なるだけです。

2015年には6プラッタの10TBを投入その後も年率20〜30%で容量向上へ

――今回、SMR技術を採用した製品をコンシューマ向けに投入したのは御社が初ですが、他社に先行できた理由はどういった部分にあるのでしょうか。

[多田氏] ひとつ言えるのは、我々はHDDのヘッドからメディアまで内製するための技術を全て持っているという点が大きいと思います。

 HDDの記録密度を高めていく場合には、ヘッドとメディアをどのように構築していくのか、という点が難しい課題となります。しかし我々はそれらを内製する技術を持っていますので、研究開発という点で先行できることになります。熱アシスト方式で先行しているのもそれが理由です。

 ただ、実際の製品化では、キーテクノロジーの構築だけではなくて、それらをどうまとめてお客様に提示していくのか、という部分も重要となります。実際にSMR対応HDDについても、製品化の前の段階の試作品をお客様に提示して、お客様の声を集めました。そういったフィードバックをもとに、今回の製品化にこぎ着けています。単純に製品を投入するだけではなくて、お客様の声を聞き、その声にそった製品開発を行っているということが、早期に市場に投入できた理由と言えるでしょう。

――SMR技術を採用する製品は、まず容量5TBの製品が登場して、今後6TBや8TBの製品投入が予定されています。プラッタ容量は、5TBの製品で1.25TB、8TBでは1.33TBになりますが、それ以上の容量はどうでしょう。

[多田氏] そのあたりは、パフォーマンスとの兼ね合いで決まってきます。ただ、2015年中に6プラッタで10TBの製品を投入する予定になっていますので、そちらではさらにプラッタ容量が高まることになります。

――今後についてはいかがでしょうか?

[多田氏] SMRは近々の技術としては最も有望ですが、その後、2016〜2017年頃には「熱アシスト記録」方式を利用した製品の投入を予定していますし、さらに2つのヘッドを使ってS/N比を高める「Multi Sensor Magnetic Recording」という方式もあります。

 一般ユーザー向けHDDでこれら技術を採用した製品がすぐに出てくるかどうかはわかりませんが、少なくともエンタープライズ向けでは、それらの技術が主流になっていくと思います。2017年以降は、そういった技術によってHDDの容量が年率で20〜30%の伸び率に回復していくと思われます。

――熱アシスト方式などの新技術はどの程度確立できているのでしょうか。また、実現する上での課題はありますか?

[多田氏] 熱アシスト方式とは、レーザーを組み合わせて記録する方式の事です。

 そのため、レーザーをヘッドに導くための機構がネックになる可能性があったのですが、その点についても技術的な解決策の目途がついています。それよりも、熱を発する機構や高周波のレーザーを使うので、実際に製品化した場合や長期間使用する場合の信頼性をどう確保するのか、という部分に焦点は移っていると思っています。

 また、SMRで我々は先行できましたが、熱アシスト方式でも、他社の先を走っていると考えています。

 昨年の段階で、エンタープライズ向けの「Performance」製品をベースとした熱アシスト方式の試作HDDを作っていますし、来年にはデモ用の製品も出てくると思います。そうした意味で、我々はなるべく早い段階で熱アシスト方式を実用化したいと考えています。

 熱アシストをSMRと併用することも十分考えられますし、特に「容量」という点では、これからのHDDに大いにご期待いただければと思います。

――ありがとうございました。

【SMRの8TB HDD、簡単にベンチマークを取ってみた】

ちなみにWindowsでの表示は7452.04GBだった

 Archive HDDの8TBモデル「ST8000AS0002」のサンプル品を試用できたので、短時間だがベンチマークを取ってみた。その結果が下のスクリーンショットだ。

 左から順に1000MB、4000MB、100MBの結果となっている。

 SMRの特性なのか、キャッシュのチューニングなのか、結果はなかなか独特で、1,000MBのランダムライトがシーケンシャルライトよりも高速だったり、シーケンシャルリードが4,000MBよりも1,000MBのほうが早かったりといった結果となった。サンプル品のため、製品版とは微妙に異なる可能性もあるが、独特な結果として参考になりそうだ。

1,000MBの結果
4,000MBの結果
100MBの結果
(キャッシュ性能を見るための参考用)

(平澤 寿康)

Seagate Archive HDD