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GIGABYTEに聞く、
Skylakeマザーの新機能と「Intel製」USB 3.1コントローラの優位性

足回りが大きく強化されるSkylake世代マザー、EMI対策も重要?text by 石川ひさよし

GIGABYTEのSkylake対応マザーボードのフラグシップモデル「GA-Z170X-Gaming G1」

 Skylakeが登場、夜間販売も行われるなど、盛り上がりつつある昨今。「Skylake世代のマザーボードの特徴を知りたい」「マザーボードの選び方を知りたい」という人も多いだろう。

 また、最近のマザーボードで重要なのがメーカーごとのアピール点。各社とも「他社とは違う特徴」をそれぞれに投入、差別化を図っている。

 そこで今回、GIGABYTEにインタビュー。同社が最大のウリとうたう「Intel製USB 3.1コントローラの搭載」や、同社のSkylakeマザーが搭載する基本機能、そして新世代から搭載されるGIGABYTE独自機能、そして豊富なラインナップからどのように1枚を選び出したらよいのかなどを、同社Global Product ManagerのAlex Huang氏に聞いてみた。

 この世代のマザーボードを選ぶポイントとして参考にして貰えれば幸いだ。

※記事中の写真は6月時点で撮影したもののため、発売する製品と一部スペックが異なる場合があります。

Skylake世代で大きく変わるプラットフォーム機能メモリにPCH、DX12など

GIGABYTE Global Product ManagerのAlex Huang氏
GA-Z170X-Gaming G1のスペック表

――今回、多くの100シリーズマザーボードをラインナップしましたが、これらの世代のチップセットの特徴的な機能をいくつか紹介していただけますか

[Alex氏]まず100シリーズは、第6世代Coreプロセッサに対応するチップセットになります。

 Skylake世代ではメインストリームにDDR4メモリが降りてきましたが、引き続きDDR3メモリもサポートされます。DDR4メモリはHaswell-EとIntel X99のプラットフォームで既に採用されており、ここにきて単価も下がってきておりますので、ハイエンドユーザーを中心に移行が進むことと思われます。

 また、従来のチップセットと大きく異なる点として、ついにPCH側でもPCI Express Gen3が利用可能になります。つまりPCI Express Gen3 x4接続のM.2スロットや、PCI Express Gen 3 x2接続のSATA ExpressをPCH側に接続することが可能になります。

 そのほか、チップセット側ではありませんが、CPUの統合GPUがDirectX 12に対応することになります。Windows 10ではDirectX 12とともに、統合GPUと外部GPUを強調して動作させることが可能になりますので、ここもプラットフォームのパフォーマンス向上として期待が持てます。

 このように、DDR4メモリ、Gen3をサポートするPCH、CPU側のDirectX 12サポートという3つがSkylake世代におけるキーフィーチャとなるでしょう。

「Intelの」USB 3.1コントローラを積極搭載「他社製USB 3.1よりも高速」

USB3.1 Type-Cコネクタ
10GbpsのUSB 3.1だが、コントローラへの帯域は32Gbpsも用意されている
バックパネルのUSB 3.0ポートの後ろ、QRコードのような図形がプリントされているチップが「Alpine Ridge」ことIntel USB 3.1コントローラ

――Skylake世代のGIGABYTE製品の特徴について教えてください。

[Alex氏]まずIntelのUSB 3.1コントローラを採用していることが特徴です。コードネーム「Alpine Ridge」と呼ばれるチップで、この中にUSB 3.1回路が内蔵されています。

 USB 3.1機能を実装するには、ASMediaのUSB 3.1チップを実装することが多いですが、我々のハイエンドモデルではAlpine Ridgeを採用することで、アドバンテージを築きます。

 ASMedia製チップは、現在のところPCIExpress Gen2 x2接続で、理論上の最大転送速度は10Gbpsです。一方で、AlpineRidgeはGen3 x4接続で最大32Gbpsを実現できます。USB 3.1を2ポート利用した場合に最大の効果を発揮します。

――USB 3.1の普及についてどのような予想をしていますか。

[Alex氏]裏表のないType-Cコネクタによって利便性が向上することはもちろんですが、将来的にストレージや入力デバイスはもちろん、ネットワークやディスプレイなどもType-Cコネクタ1種類で全てがつながるようになる可能性があります。この大きな汎用性と対応製品の投入によって、急速に普及していくのではないでしょうか。

GIGABYTEオリジナル機能も進化Skylakeは倍率ロックモデルもOC可能?

PCI Express x16 #1スロットの上にある「Turbo B-Clock」
LANチップやサウンドチップにもEMI対策としてメタルカバーを装着
PCI Express x16スロットのカバーは、EMI対策に加え、補強の役割も担う

――マザーボードのPCI Express x16 #1スロットの後部上にTurbo B-Clockというメタルカバー付きのチップが搭載されているようですがこれはどのような機能でしょうか。

[Alex氏]Turbo B-Clockは、外部のクロックジェネレータです。ここからBCLKを生成することで、倍率が固定されたCPUでも、オーバークロックを行うことが可能になります。生成可能なクロックは90~200MHzまでの範囲で、クロックジェネレータの信号品質を保つため、EMI対策のメタルカバーを装着しています。

――メタルカバーはそのほかにも各所にありますね。

[Alex氏]Turbo B-Clockのほか、ハイエンドモデルを中心にLANやサウンドチップに装着しています。オーディオに関しては音質が、LANに関してはスループットも向上します。

 また、今回の試みとして、ハイエンドモデルを中心にPCI Express x16スロットにも「Metal Shielding PCIe x16 Slot」を装着しました。こちらはEMI対策のほか、重量のあるハイエンドビデオカードを装着した際の重みによるたわみ防止や、あるいは装着時にぶつけるなどのダメージ防止に効果があります。

Gamingシリーズの最上位モデル「GA-Z170X-Gaming G1」に搭載される「Sound Blaster ZxRi」
2つの有線Killer LANともう1系統の無線Killer LANを組み合わせ、より速いネットワークをゲームに割り当てる。
チーミングのように束ねて高速化するのではなく、2系統のネットワークにプログラムを割り当てるイメージ。
GA-Z170X-Gaming G1は22フェーズ仕様。合わせてGaming G1には水冷対応のヒートシンクも搭載。G1やGT、Gaming 7などに搭載されているヒートシンクは、F1をイメージしたデザインとのことで、見た目にもインパクト大。

――Gamingシリーズでは音質にもこだわりを持たれていますが、Skylake対応モデルではどのように進化したのでしょうか。

[Alex氏]今回のGamingモデルではCreative「Sound Blaster Core 3D」を採用しておりまして、最上位モデルとなる「G1」では、ハードウェアDSPの「ZxRi」(末尾の「i」はインテグレーションの意味とのこと)を採用しました。これによりS/N比で120dB以上(120dB+)を実現しています。

 そして、こうした設計はCreativeの認証を受けたものになります。同等の機能のサウンドカードを購入すれば200米ドル相当になりますので、我々もびっくりするくらいお買い得です。GTやGaming 7モデルではソフトウェアDSP仕様になりますが、やはりCore 3Dを採用しています。

――Gamingシリーズのもう一つのポイントであるネットワーク機能についてはどうでしょうか。

[Alex氏]今回は有線2系統、無線1系統のKiller NICを用い、チーミングとは異なりますが、これらの回線のうち最も速い回線をゲームに、次に速い回線をチャットに、といった具合で割り当てる「Double Shot Pro X3」機能を搭載しました。これにより、安定した回線速度を維持できるようになり、ゲームも快適にプレイできます。

――そのほかG1ではCPU電源周りも久しぶりに豪華な構成になりましたね。

[Alex氏]Skylake世代では、VRDが再びCPU外部に戻りました。そこで、Gaming G1では以前のハイエンドマザーボードのようにIR/InfineonのDrMOSとパワーステージICを組み合わせ、22フェーズ電源回路を搭載しました。

 優れた変換効率による低消費電力化と、1フェーズあたりの負荷の低減による高耐久性や全体としての高信頼性を実現しています。

ハイエンドからMini-ITXまでラインナップは多数上位モデルはDDR4推し、廉価モデルはDDR3対応

COMPUTEXではIntel 100シリーズチップセット搭載モデルを多数展示。GIGABYTEと言えば豊富なマザーボードラインナップが特徴でもあるが、DDR4とDDR3の混在で今回のラインナップも多そうだ
一部のモデルでは、M.2→SFF-8639変換アダプタ「GC-M.2-MINI SAS」をバンドル。現在エンタープライズ向けとして展開されているSFF-8639 SSD(NVMe SSD)を接続することが可能だ。

――DDR4とDDR3モデルの比率についてはいかがでしょうか。

[Alex氏]我々としてはDDR4モデルを推していきますが、Ultra Durableシリーズなどコストが重視されるモデルを中心にDDR3モデルもご用意しております。結果、UDシリーズはかなりの製品数になりますが、「DDR3」の型番で判別しやすくしております。

――そのほか製品選びでポイントになるところはどこでしょうか

[Alex氏]フォームファクタについてはビデオカード(や拡張カード全般)の搭載枚数がポイントになります。また、ゲーマー用途では、Killer NICかIntel NICか、Core 3Dがハードウェアかソフトウェアかといった点がポイントかと思います。

 Ultra DurableシリーズにはUDとHDがありますが、UDは高性能チョークコイルなどUltra Durableの高品質部品を採用しておりまして、HDシリーズはUDシリーズの下位としてエントリーユーザー向けのコストを重視したシリーズになります。

Mini-ITX対応のZ170搭載マザー「GA-Z170N-WIFI」も登場予定。

 また、今回、Ultra Durableシリーズの開発にあたって重視した点が3つあります。一つ目は、長く使えること。そして二つ目が安定性。これらは従来からのUltra Durableの思想を受け継ぐものになります。

 そして三つ目が「カンタン組み立て」です。ネジ穴付近にキャパシタのように壊れやすい部品を置かない設計や、物理的な干渉を抑えたボード上のレイアウト、カードなどを装着した状態でもケーブルが抜き差ししやすいポートレイアウト、そしてケース側のケーブルをまとめて着脱をカンタンにする「G-Connector」、と言った具合で、ストレスなく組み立てられることを考慮した設計になっています。

 そのうえで、ベストバランスと言えるのは、従来シリーズ同様に「UD3」です。PCI Express x16スロットの本数、USB Type-Cなどの次世代インターフェース、そしてOCといったように、機能を満遍なく備えつつ、価格のバランスもとれています。

「Intel USB 3.1コントローラ搭載」がアドバンテージのGIGABYTEマザーユーザーフレンドリーな設計も強化点

GIGABYTEの定番と言えば「UD3」グレード。Intel USB 3.1コントローラを搭載し、独自機能はベーシックなものを中心にカバーしつつ高品質部品は譲らない。そしてメインストリームの価格帯に投入される。なお、これら主力製品の発売は「8月15日ごろになる」(日本GIGABYTE)見込みとか

 GIGABYTEはIntel USB 3.1コントローラを、上位モデルに積極的に採用するのが大きなウリとされる。

 Ultra Durableマザーボードシリーズに関しては、「組み立てやすさ」もキーポイント。目立たないところだが、レイアウトなどを中心に干渉を抑え、パーツの着脱時の手間が減るように改良されている。製品選びではやはり定番となるのは「UD3」だが、NVMe SSD用の「SFF-8639」への対応など、ハイエンドモデルならではの機能も購入時にはチェックすべきポイントになるだろう。

 オーバークロック面では、Skylake世代ではレギュレータがCPU内部搭載から外部搭載に戻されるため、これまでのセオリーが通用しない可能性も考えられる。オーバークロック性能を意識するなら、電源フェーズ数にも注目だ。

[制作協力:日本GIGABYTE]

石川 ひさよし