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アキバの2012年10大ニュース投票結果発表

首位は「Windows 8が発売、DSP版はセット購入の制約なくなる」

 読者に投票していただいた「アキバの2012年10大ニュース」の結果をここで発表しよう。

 投票受付期間:12月7日~12月21日
 総有効投票数:9,732票(2,347人)

1位は「Windows 8が発売、DSP版はセット購入の制約なくなる」 (1,354票)

Windows 8(DSP版)
深夜販売時の様子
発売記念前夜祭会場(ベルサール秋葉原)

 一般ユーザー向けのWindowsが刷新されたのは2009年のWindows 7以来で、およそ3年ぶり。新しいWindowsはビジネスユース、ホビーユースを問わず多くのPCユーザーにとっての関心事とあって、Windows 7の時と同様に今回のWindows 8もランキングの1位となった。

 販売解禁は10月26日(金)0時。前日に開催された日本マイクロソフト公式の「前夜祭」には多くのタレントが出演し、その後の深夜販売では「自作通り」が一時歩けなくなるほど大混雑するなど、やはり前回同様の大きな盛り上がりを見せた。

 そして、PCパーツとのセットでなくても安価なDSP版が入手できるようになったのもトピックの1つ。

 Windows 7以前では、DSP版はライセンス上、ショップがPCパーツとのセットで販売することが必須となっていたが、Windows 8ではこの制約が廃止。これまでショップが行なっていた無償ユーザーサポートがなくなる代わりに、DSP版単体で購入できるようになった。

 なお、ショップによるサポートは完全になくなったわけではない。DSP版の販売時に、インストール手順を紹介した冊子を添付したり、ワンコインで電話サポートを提供したりといった、独自のサポートを行なっているショップもある。

 また、Windows 7の購入者に、1,200円の安価でWindows 8をネット販売するという期間限定キャンペーンも注目された。2GB程度の巨大ファイルのダウンロードが必要、オンライン決済限定といったハードルはあるものの、破格の価格設定に興味を持った人も多かったに違いない。

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2位は「Ivy Bridge発売、深夜販売時は400人以上の人が集まる」 (852票)

Core i7-3770K
深夜販売時の様子
“殻割り”したIvy Bridge

 人気の高かった「Sandy Bridge」の後継として登場した、Intel製LGA1155対応CPUの「Ivy Bridge」。Ivy Bridgeも発売前から自作PCユーザー、ショップの期待度は高く、4月29日(日)0時の解禁時には深夜販売が実施され、400人以上が詰め掛けて賑わった。

 Ivy Bridgeでは、従来と同じLGA1155に対応しつつ、製造プロセスの進化やPCI Express 3.0のサポート、内蔵GPUの強化などが実現されている。若干の機能制限はあるものの、前世代のIntel 6シリーズチップセット搭載マザーが流用できる点にメリットを感じた人も多かったことだろう。

 一方で、CPUコアとヒートスプレッダとの接着に、従来の「はんだ」ではなく熱伝導率で劣るグリスが使われていたことも話題となった。

 マザーボードに装着すると、ヒートスプレッダのグリスと、CPUクーラーのグリスとで二重になることから「グリスバーガー」などと揶揄されたが、今度はそれを解決しようとヒートスプレッダを剥がす「殻割り」がマニアを中心に注目の的に。

 殻割りに積極的だったのはPC DIY SHOP FreeT。店頭で殻割り済みのCPUを披露したり、殻割りに失敗した人に代用としてCPUを値引き販売したり、さらには殻割りしてグリスを差し替えた「改造Ivy Bridge」をオリジナル商品として販売するという独自色を打ち出していた。

 ちなみに、最近ではAMDの「Trinity」にも殻割りが波及。12月の公式イベントで殻割りが披露されたほか、その後TSUKUMO eX.オリオスペックも殻割りに挑戦している。

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3位は「PC関連ショップやショールームが複数閉店」 (729票)

クレバリー秋葉原店
破産手続き告示書
エフ商会
パソコン工房 秋葉原本店の閉店告知

 ショップの閉店や移転、統合といったニュースが日常的に聞かれるようになって久しい秋葉原だが、今年も老舗ショップが姿を消すなど様々な動きがあった。

 大きなニュースとして挙げられるのは、5月に破産したクレバリー。会社設立は1991年、秋葉原では1996年に開店したPCパーツショップで、今年2月までは激戦地である「自作通り」に3店舗を構えていた。

 パッケージ品のPCパーツが主流となった近年でも、ビデオカードなどのバルク品を多数揃えた1号店、キーボードやマウスをぎっしりと陳列した2号店、入門者向けのインターネット館という特徴的な店舗構成や、またクマのマスコットキャラクター「山田くん」もユニークだった。カオス感のある同地で見られるオレンジ色の看板、という景色も記憶に残りそうだ。

 もう1つは、1972年創業という古参で、同じく今年5月に破産したエフ商会(当時の店名はファーストメディアショップ)。

 古くからカセットテープやビデオテープ、FDなどを扱うメディア専門ショップとして知られ、PCの自作が盛んになった1990年中盤以降もMOやDVDメディアなど多数を在庫販売。自ら「記録メディアのコンビニ」を名乗り、品揃えの豊富さを誇っていた。お気に入りメーカーのメディアや、国産メディア欲しさに同店に通ったという人も少なくないだろう。

 また、「ギガバイ子」でお馴染みのGIGABYTEショールームが閉店したほか、ThinkPadなどを扱う「IBM専門店」ことPS/PLAZA WAKAMATSUが若松通商に統合されたり(現在、ThinkPadはレノボが販売)、PC DIY SHOP FreeTがユニットコムグループ傘下に入ったりするといった再編の動きも見られた。

 なお、PS/PLAZA WAKAMATSUについては、後に元スタッフがThinkPad専門店の「ThinkFactory(ブロックD1-[f3])」をオープンしている。また、ユニットコムグループについては、2013年1月6日(日)にパソコン工房 秋葉原本店が閉店、フェイス 秋葉原本店が一時閉店(後に移転予定)することが明らかになっている。

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4位以降のランキングは以下のとおり。

順位ニュース/解説
4位
(695票)
Nexus 7発売、低価格タブレットの市場が一般ユーザーに拡大
(Nexus 7の登場で高性能モデルも普及価格帯に、市場価格に大きな影響を与える)
5位
(625票)
IntelがSSDの安値モデルを投入、価格競争激化で128GBクラスは7千円割れに
(主流は256GBクラスに移行)
6位
(515票)
HDDの相場はタイ洪水前の水準に戻る
(年初からゆるやかな値下がりが続き、10月にはほぼ洪水前の価格に)
7位
(415票)
手のひらサイズの超小型PC「NUC」が登場、Intel純正自作キットなどが発売
(フォームファクタは100×100mmの「UCFF」、アビーから対応ケースが発売)
8位
(386票)
AMDの新型APU「Trinity」が発売に、プラットフォームはSocket FM2
(搭載ビデオ機能はRadeon HD 7000系に強化)
9位
(374票)
GPUは新世代モデルに移行、GeForce は600系、RadeonはHD 7000系にモデルチェンジ
(最上位はGeForce/RadeonともにデュアルGPU仕様)
10位
(362票)
ICカードリーダーが一時品薄に、秋葉原店頭から消える
(B-CAS騒動により入手難に、NTTコミュニケーションズのモデルは人気で価格高騰)
11位
(325票)
PT3発売、在庫は潤沢で、発売後数ヶ月で値下がり傾向に
(深夜販売時は大行列ができたものの、その後はPT2よりも落ち着いた動きに)
12位
(304票)
秋葉原のブランド再編進む、石丸電気はエディオンに
(メッセサンオーはトレーダーに吸収合併、FreeTはユニットコム傘下に)
13位
(290票)
2,560×1,440ドットの格安液晶が発売、39,980円
(複数メーカーがWQHD(2,560×1,440)対応モデルを投入、普及価格帯の製品増える)
14位
(252票)
Androidタブレットの値下がり続く、1万円以下の高機能モデルも登場
(IPSパネル採用品も1万円前後に、4コア搭載品も安価に)
15位
(223票)
にゃんこ型イヤホンジャックカバー発売、一部モデルは人気で品薄に
(イヤホンジャックカバーが秋葉原でも一般化、女性向けの"スマピ"取扱店も増加)
16位
(213票)
「NAS向け」をうたう高信頼HDD「WD Red」が発売、人気を集め一時は品薄に
(SeagateからもNAS向けモデルが発売)
17位
(208票)
自作通りに動きあり、FreeT移転、モバイル/雑貨系ショップがオープン
(クレバリー跡地はコンビニに)
18位
(183票)
定格4GHz超えのCPUがAMDから登場、「FX-4170」
(定格4.2GHz/最大4.3GHz動作の4コアCPU)
18位
(183票)
萌えキャラは今年も増加、「窓辺ゆう」「窓辺あい」などが登場
(AMDからは「愛真田 心」が登場、ただし、キャラクターはメーカー非公式扱い)
20位
(135票)
5GHz系無線LANが高速化、「11ac技術」で600Mbps
(次世代規格「IEEE 802.11ac」の一部技術を採用した高速モデル)
21位
(129票)
AMD FXシリーズ最上位が新アーキテクチャで登場、FX-8350
(Socket AM3+対応CPUは下位もPiledriverコアに移行)
22位
(125票)
容量16GBのDDR3メモリが登場、2万円
(Registeredタイプのサーバー向けメモリ)
23位
(120票)
容量1TBの2.5インチSSDが登場
(2.5インチSSDでは最大容量、ただし、3Gbps対応の低速モデル)
24位
(103票)
蒸気機関車型PCケースが発売
(走らせることも可能なユニークなケース、専用レールや発煙キットも発売)
25位
(87票)
LGA2011に久々のハイエンドモデル、Turbo Boost時4GHz動作の「i7-3970X EE」発売
(コア数は従来同様の6コア/12スレッド、TDPは150Wに増加)
26位
(69票)
Thunderbolt対応製品が登場
(外部接続インターフェイスの高速規格、対応品の普及はこれから)
26位
(69票)
技適付きの安価なAndroidタブレットが登場
(ドスパラやユニットコムから発売、安価なモデルは1万円割れ)
26位
(69票)
スティック型Android端末登場、テレビを簡単にAndroid化
(HDMI直結の小型スティック端末が多数発売、クアッドコアGPU搭載品なども登場)
29位
(61票)
自作PC系ホビー検定「パソコン自作力検定」開催
(自作PC系初の検定試験、2012年は2回実施)
30位
(59票)
Windows RT搭載タブレット「Surface」の直輸入品が発売
(“純正タブレット”の動きが活発に、AmazonはKindleの販売を本格化、AppleはiPad miniなどを投入)
31位
(51票)
電子工作系アイテムが複数発売、一部で注目を集める
(美少女回路の基板や、CPU自作入門などの書籍も発売)
32位
(33票)
容量2TBの2.5インチHDDが発売、ただし15mm厚
(2.5インチ/12.5mm厚の1.5TB HDDも発売)
33位
(30票)
32nm版Atom登場、ただし、メモリ容量やOSに制限あり
(搭載製品は64bit非対応モデルが多数、特殊用途向けの色が強まる)
その他(104票)

(AKIBA PC Hotline!編集部)