特集、その他
タッチなモバイル液晶「On-Lap」が小型化、その軽快さを活用してみた
実はデスクトップPCでも便利、もちろんノートやタブレットでも text by 日沼 諭史
(2014/4/4 12:05)
「On-Lap」といえば、GeChicが発売するユニークな「モバイル液晶」だ。電源はUSBバスパワーでモバイルバッテリーでも動作OK、モデルによってはタッチパネルまで備えるという独特の魅力に興味をひかれた読者も多いと思う。
その「On-Lap」シリーズに、10.1インチの「On-Lap 1002」が加わった。これまでの同シリーズは13.3インチ以上の製品のみだったが、今回のモデルは同社が呼称する“モバイルモニター”にまさしくふさわしいサイズ感。タッチパネルも採用しており、もちろんUSBバスパワー動作が行える。
15.6インチの「On-Lap 1502I」については、以前レビューしたが、その際も「艦これ」から「新聞読み」、フォトレタッチまで様々な活用方法がイメージできた。
そこで今回は、この小型化された「On-Lap 1002」を使うことで、日常をどんな風に過ごせるのか、“On-Lapがある1日”をシミュレーションしてみた。
なお、「On-Lap 1002」の実売価格は税込み3万円前後。すでに店頭販売中だ。
「サッ」と使える追加ディスプレイ10インチ級でUSBバスパワー動作、タッチも対応
さて、“On-Lapがある1日”の前に「On-Lap 1002」の仕様をチェックしたい。
On-Lap 1002は、PCなどの外部モニター出力(HDMIまたはVGA)とUSBポートの両方からケーブル接続することで、タッチ対応のディスプレイとして使える製品だ。LEDバックライトの10.1インチIPS液晶を搭載し、解像度は1,280×800ドット。10点マルチタッチをサポートしている。
USBバスパワーで動くので、何より「サッ」と使える身軽さがウリだ。
映像入力用のMicro HDMIとMicro VGAのほか、タッチ操作対応と電力供給のためのMicro USBポート、電力供給のみに利用するMicro USBポートを1つずつ備える。内蔵スピーカーでのサウンド再生が可能なだけでなく、ヘッドフォン端子による音声出力も可能だ。
ドライバは必要なく、ノートPCやすでに外部モニターを使っているPCに本製品を追加するだけで、デュアルディスプレイ環境を簡単に構築可能。Windows 7/8などのタッチ対応OSであればタッチ操作もOKで、静電容量式のタッチパネルということもあり、反応速度も良好だ。HDMI出力端子を備えたカメラなどからの映像出力先としても使える。
液晶の解像度を除き、以前から販売されている15.6インチの「On-Lap 1502」とほぼ同等の機能、性能を備えているが、1番の大きな違いは、やはり本体の大きさになるだろう。
実測したところ、幅275×高さ193×厚さ10mmほどで、縦横はA4サイズよりやや小さいくらい。手に持った感じも10インチクラスのタブレットと同等か、少し軽い程度だろうか。
15.6インチの「On-Lap 1502」とは比べるまでもなくコンパクトで携帯しやすい。「On-Lap 1502」は気軽に外へ持ち出す、というわけにはいかなかったが、「On-Lap 1002」であればタブレット感覚で軽快に扱えるはずだ。
モバイルバッテリーでも動作OKNUCと合体、「小型の一体型PC」にも
また、「On-Lap 1002」にはVESAマウントに対応した脚付きの専用カバーが付属している。
本体をこのカバーに入れて脚を出せば、デスクワークにちょうどいい角度で自立させることができる。カバーに設けられた穴を使ってVESAマウント対応製品をネジ留めし、Intel NUCのような小型PCと合体させて高性能な超省スペースPC環境を作り上げたり、フレキシブルアームなどを用いて自由なアングルで固定することも可能となる。
対応OSはWindows 8.1/8/7となっているが、映像を単純に出力したいだけであれば、HDMI出力端子をもつさまざまな機器、たとえばカメラなどと組み合わせて使える。その場合はACアダプターやモバイルバッテリーをMicro USBケーブルで接続し、電力供給する必要があることを頭に入れておこう。
朝から晩まで遊んでみた「宣伝用」から5画面マルチディスプレイまで…
というわけで、シリーズ中最もコンパクトで軽量な「On-Lap 1002」。
タッチもあるし、小さくなったし、Windowsならではのユニークな活用ができそうだ。
「On-Lap 1002のある一日」をテーマにちょっと色々考えてみた。
小さいからこそ可能性は広がる!?
というわけで活用例を見てきたが、もともとの製品コンセプトがユニークなだけに、普通な例からそうでない例までいろいろ出てきた。
「PCのデュアルモニター化」という基本用途はこれまでと変わらないOn-Lap 1002だが、シリーズ最小の小ささで、新たな用途が生まれた、ということだろう。省スペースPCやサーバーのモニターにも利用できるし、ノートPCやタブレットとセットで持ち運ぶような使い方でも実用度はかなり高い。
一見「小さくなっただけ」な本製品だが、アイデア次第で新しい可能性を秘めた製品という印象を強く受けた。